表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法学園のマキャヴェリ  作者: Kk


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/32

閉ざされた記憶

禁書騒動から数日。



学園は少しずつ日常を取り戻していた。



「結局犯人分かってないんだろ?」



「怖くないか?」



「教師がなんとかするだろ」



昼休み。



生徒たちはいつものように談笑している。



だが。



どこか落ち着かない。



禁書が消えた。



その事実だけは変わらない。




中庭。



男子生徒たちが魔法談義をしている。



「今度の実技試験どうだった?」



「アルフォンスがまた首席だろ」



「だよな」



笑い声。



その時。



「レオンは?」



空気が少し変わる。



「あいつ?」



「途中から見てなかったな」



「どうせサボったんだろ」



「ありそう」



全員が納得する。



その場にレオンはいない。




放課後。



図書館。



セシリアは古い記録を調べていた。



禁書。



結界異常。



共通点を探している。



何時間も。



ページをめくる。



そして。



一冊の記録簿が目に入った。



学園事件記録。



二十年前。



セシリアはページを開く。



そこには確かに記載されていた。



【禁書紛失事件】



「……あった」



心臓が高鳴る。



急いで続きを読む。



しかし。



途中で文章が途切れていた。



ページがない。



綺麗に破られている。



「そんな……」



偶然とは思えない。



重要な部分だけ。



消えている。



その時。



「まだ残っていたのか」



後ろから声。



バルト教官だった。



「教官」



セシリアは記録簿を見せる。



バルトの表情が変わる。



ほんの少しだけ。



「これ……」



「知っているんですか?」



沈黙。



だがバルトは首を振った。



「いや」



嘘だ。



セシリアはそう思った。



ほんの一瞬。



教官はこの記録を知っている顔をした。




日が暮れる。



図書館の閉館時間。



セシリアは渋々席を立った。



結局。



新しい情報は得られていない。



いや。



得られた。



誰かが何かを隠している。



それだけは確信できた。



帰ろうとして。



ふと視線を横へ向ける。



机。



誰もいない。



だが本が置かれていた。



開いたまま。



まるで誰かがさっきまで読んでいたように。



セシリアは近付く。



題名。



『勇者アーク伝』



王国なら子供でも知っている英雄譚。



だが。



妙だった。



その本は学園図書館でもほとんど借りられない。



英雄譚など子供向けだからだ。



ページをめくる。



そこには一文だけ線が引かれていた。



勇者アークは魔王討伐後、歴史の表舞台から姿を消した。



セシリアは眉をひそめた。



誰が読んでいたのだろう。



そして。



なぜその一文だけが気になったのだろう。



窓の外。



夕日が沈んでいく。



学園のどこかで。



また何かが動いている。



そんな気がした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ