第二話 くろの運命が決まった日
しろがなぜこれ程までくろの裸足にこだわるのかは、二人の運命の歯車が回り始めたあの日まで遡る。
その日の学校帰りしろに連れられ始めてお宅にお邪魔したくろ。
今でこそ脇目も振らずしろの部屋に直行するが、この時は部屋まで案内されながら初々しくキョロキョロと回りを見回していた。
「ここがあたしの部屋〜!」
ドアが開かれ見えるのは整頓された綺麗な部屋の床に置かれたレトロなゲーム機。
そのゲーム機を見てくろの目が爛々と輝き出す。
「あれ! 今じゃプレミアの昔のゲーム機! すごい!」
部屋へと駆け込み食い入るように見つめる。
「そうなの? おじいちゃんの家にあったのを貰ってきたんだよ。あ、あたしがクリア出来ないゲームはこれ!」
しろはソフトを手に取りくろに見せると、ゲーム機へと差し込んだ。
モニターに昔懐かしいドット絵のタイトルが表示され、ピコピコ音楽が流れ出す。
「雨夜さん! クリアしちゃって!」
「このゲーム初めてだから上手くいくかな…でも頑張ってみる!」
くろはコントローラーを握りプレイ開始。現代のコントローラーとは違いその薄さとボタンの少なさに苦戦しつつもさすがのセンスでステージクリアを重ねて行く。
しろも最初はステージクリアごとに喜んでいたのだが、ふと何気なくくろの方を見た時この日素足だった彼女の足に目を奪われた。
事あるごとに動くその足指にしろは感嘆の声を漏らす。
「わ! 敵が!」
「わ!(足の指がパッ!)」
「くそ〜! このうねうね〜!」
「ほわ〜…(足の指うねうね〜!)」
「く…ボスが強い!」
「おお〜…(足の指ぎゅうっ!)」
「やったー! いけた! 倒したわ!」
「すごい!(親指ピンっ!)」
くろはゲームをクリア出来た事に興奮するその横で、しろはそのくろの裸足が見せる表情で興奮していた。
同じエンディング画像と曲が延々と流れる画面を前にくろは満足気にコントローラーを置くと、別のゲームを手に持ち頬を紅潮させたしろの顔が迫ってきた。
「すごいね! すごいねくろちゃん! ねえ! 次はこのゲームをやって!」
褒められて満更でもないくろは、珍しいゲームのやりたさもあって、
「いいわよ! どんなゲームでも私に任せてしろ!」
二つ返事でしろの要望に応えて、自然と名前呼びになる二人。
そしてくろは夕方までレトロゲームを満喫し、しろはくろの裸足を堪能した。
そう、この日この時しろはくろの裸足の虜となった事で足フェチに開眼し、くろの裸足の運命は決定付けられてしまったのだった。




