テレビゲーム
「ってか、何のゲームやってるの?」
一心不乱にコントローラーを操る弟に問うと、
「んん?なんか落ちてくる金づちとか避けながら頂上目指すゲーム。……らしい。」
ワンテンポ遅れて「らしい」とつけるあたり、弟自身もよく分かってないらしい。弟は時々どこのメーカーの物か分からないソフトを買うことがある。「CMで見たから」「友達に薦められたから」で買う私には出来ない芸当だ。説明書に軽く目を通しながら、「それ、面白いの?」と聞くと、「さぁ」と、短い返事が返ってきた。説明書には、どうやら二人用もあるらしく、操作もわりと簡単そうだったので、「私もやってみようかな。」と言うと、弟は、「ん。ちょっと待って。」と、今やってるステージを切り上げて、スタート画面に戻り、二人用に切り替えた。
それからしばらくして、「右、右、右、右!あ!危ない!」「あ!ごめん!そっち行った!」「大丈夫!避けられる!」
私たちは、すっかり夢中になり時間を忘れて頂上を目指していた。それは、母が帰ってきた玄関の音にも気づかない程だった。
「あんた達、いつまでゲームやってるの!」
一喝されて慌ててゲームを切り、母の方を向く。
「あんたまだ着替えてすらいないじゃない!早く着替えてきなさい!お姉ちゃんでしょ!」
「なんで私だけ」と内心では思いながら、「はーい」と、しぶしぶ部屋に向かう。去り際、弟が性懲りもなくゲームに手を伸ばそうとして、「あんたも!宿題終わったの?」
と、起こられているのが目に入った。




