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【書籍化決定!】転移した先が滅びかけ!?〜万能クラフトと解析眼で異世界再生スローライフ~  作者: 夢・風魔
3章

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72:修理完了→引き返す。

 夜は案の定、モンスターの襲撃があった。

 が、ユラが一瞬で倒してくれ、暫くすると襲撃はピタリと止んだ。

 レイア曰く、この辺りのモンスターはユタドラゴンを知らないのだろう。だけど知った。力の差を知って、怯えて逃げたんだろうって。

 その証拠に、翌朝からの瓦礫撤去作業中も襲われることはなく。

 ただ。


「離れた場所で様子を見てるだけよ。私から離れれば、すぐにでも襲ってくるから気を付けて」


 とユラが言う。

 つまり警戒されているのはユラだけで、他の俺たちは雑魚扱いされたままってこと。

 そしてその考えは当たっていた。


『ア痛、イエ痛クアリマセンガ、チョット、ベラボウメェ』

「ゴー助!?」


 瓦礫の向こう側、少し離れた場所からゴー助の声が聞こえた。

 同時に火炎が放たれる。

 モンスターの悲鳴……ゴー助が襲われたのか!?


「オイラ、行くっ」

「頼む、ユタ!」


 が、すぐにユタは引き返してきた。


「デージョーブ」

「大丈夫だったのか? 本当に?」

「心配ないわ。ゴー助は硬いし、火炎があるもの。あなたは私のそばを離れないでね」


 本当の雑魚は俺だけでした。

 半日以上かかって、瓦礫の中から魔導装置を発見。アソールよりも更に破損具合が酷い。

 だが、解析眼には修理可能と出ていた。

 まぁ素材の量がかな~り多かったけどね。

 そして修理が可能ってことは、万能クラフトを使って……。


「はい、完成!」

「よかったわぁ。これでモンスターの心配はなくなるわね」

「あぁ。エメラルドの方は残っていたし、あとは塔さえあれば起動できるよ」


 これで町の空気も浄化される。

 まぁそれでも今日明日は、レイアの浄化の魔法に頼ることになるけど。


 魔導装置の修理を終え、インベントリ内の瓦礫を使って塔を再建。

 アリューケやアソールと同じ形にしたいのだけれど……。


「こんなだっけ?」

「えっと……もう少し高かったような?」

「塔のてっぺんにある屋根は、八角形だったと思うわ」

「アーッ。モット強ソウ!」


 強そうっていう意見は聞き流す。

 するとゴー助が地面に何かを書きだした。


 こ、こいつ……絵が上手い!?

 写実的でわかりやすいぞ。


 もちろん、ゴー助が描いているのは塔の絵だ。


「ゴー助の記憶にインプットされているものなの?」

『町デ見タモノヲ覚エテイルダケデス』

「ふんふん。とりあえず外観だけでも揃えてみるか」


 何度もゴー助にダメ出しをされながらも、リテイクを繰り返すこと十二回目。


「せ、先生、これでよろしいでしょうか?」

『イイト思イマス』

「はぁ、やっとかぁ」


 終わったぁっと思った次の瞬間。


『次ハ内装デス。コレガシッカリシテイナイト、装置ヲ起動シテモ効果ガ出マセンヨ』

「ま、まだあるのか……とほほ」


 こちらもリテイクを繰り返し、暗くなる前になんとか完成した。

 そして……起動!

 外へ出てみると、薄暗くなり始めた空にキラキラとした小さな光が飛び出していくのが見えた。






「土地神様を蘇らせても、今のままじゃマズくないか?」

「そう、よね……この町には誰もいないんだもの」

「だからといって、私たちが留まるわけにもいかないわ」


 アリューケは獣人族がいて、アソールにはドワーフ族がいる。だから土地神に祈りを捧げてくれる人がいるんだけど、だが人数的には決して多くはない。

 二つの町でアトランへの移住してくれる人を探すしかないのか……。


「でも確かに、ひとつの町でひとつの種族がっていうのは、よくないかもしれないわ」

「え、どうなのか?」

「お互いの交流がなくなってしまうと思うの。それに、どこかだけは人口密度が高くなるとか、どこかは低くなるとか。後から来た他の種族を受け入れてくれなくなるとか」

「あ……そうか。そういう問題もあるんだな」


 できればいろんな種族が、互いを尊重しあって……いや、そんな仰々しくなくていい。ただ仲良く暮らせる町であってほしいと願っている。

 そうなると早々に異種族混合にした方がいいんだろうな。


「レイア、ユラ、ユタ。それにゴー助。一度来た道を引き替えなさいか?」

「戻るの? 土地神様は……」

「うん。まぁ教会を探して、建物の修繕はしておこう。次来た時のためにね」


 引き返して、ドワーフ族に何人か他の町へ移住してくれないか頼んでみる。

 アリューケの町に到着したときには、獣人族にも話をしよう。

 できれば他のドワーフ族や獣人族を呼び寄せたい。

 浄化された空気のある場所で暮らせると伝えれば、きっと来てくれる人はいるだろう。

 ほとんど未開拓な土地だけどな。


 それと他の種族も……。

 人間、はどうだろうか。

 他の種族を迫害しているのは人間だ。他の種族が受け入れてくれるかどうか……。


 いや、受け入れてくれるはずだ。

 だって俺やレイア、アルトにエリサだって仲良くやれているんだから。


 問題があるのは人間の方だな。

 俺たちのように、他の種族に対して差別意識のない人なら。


 翌日は教会を探し、昼前には発見。

 教会のシンボルとでもいう中央の高くなった塔のような部分はなくなり、右側も壁がえぐれて礼拝堂が外からも丸見え。そんな状態だったが、中に置かれた土地神像は無事だった。


「もう少し待っててくれよな、ニース」

「人を連れて、戻って来るからね」

「イイコ、イイコダゾ、ニース」

『今シバラクノ辛抱デス』

「戻ってくるまでに、誰かが住み着いてくれているといいわね」


 それはそれでありだけど、果たして魔素の濃い中を歩いてくる人はいるのだろうか?

 

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