98話 会話の運び
「まず、大槻レオが綾瀬家に現れたという件ですが、それは私たちに言えど、協力体制は取りません」
「そこをなんとかお願いします……」
「いえ、できません」
綾瀬さんは下手で相手の様子をうかがっていたが相手は思いっきり協力体制は取らないと言っていた。
「森熊村ってのはご存じですよね」
「ええ、消えた村ですね」
「レオがこう言っていました。あの村で行われていた儀式と」
「儀式?それは聞き捨てならないですね」
「ええ、森熊村では風習で儀式をやると言う言い伝えは聞こえてきましたが、その詳細が分からず。そこで協力体制を願えないかと聞きに来ましたが、どうやら無駄だったようですね」
「その儀式、気になるが森熊村の住所は私たちの家では保管をしていません」
「そうなの?私の家では保管をしているのですが……資料は古いものは破棄する風習があるんですか?」
「ぐっ……」
「それに私たちと手を組めば最強のチームアップになるはずですよ?これ以上ない利点なのにそれを無視するんですか?」
(最初は九丈家が話の主導権を握っていたが徐々に綾瀬さんが主導権を握るようになってきた……すごいな)
「だが私たちは私たちの風習がありましてね、部外者が私たちと行動をするってことは前例にないのです」
「ならその前例を作っちゃえばいいじゃあないか。私たちの代で」
「……やっぱりすごいですね。話だけを見れば綾瀬家当主の方がお強い……」
「話だけって何だ!?」
「おっと気を悪くしてしまいましたか。でもチームアップをするのは賛成ですよ」
「おっ、ならこの会談は成功と言う事で」
「そうですね、ですがレオが着た以上、もう時間がないと言う事。つまり終わりは近づいてきているのですよ」
「そうですね、少しだけ私の寺に来てもらえないですか?」
「いいですよ、ほら車を準備しろ」
九丈家の当主は側近に車を用意させた。
「さてと、私たちは玄関に向かいましょうか」
「そうですね」
私たちは入り口に停まっている車に乗り込み、寺に戻っていった。




