97話 代表者会談
電話を終えた綾瀬さんは立ちあがった。
「うっ……行かないとな」
「綾瀬さん!?」
私は綾瀬さんを支え、そして行くべき場所に向かった。
「どうしたの!?」
「行かなければ……あの場所に!」
「何処に行くの!?」
「……九丈家にだよ!」
「九丈家にいってどうするの!?」
「一時的な協力だよ。人は時代ごとに協力してきた、簡単なことだ」
そして綾瀬さんはおぼつかない足で歩を進めていった。
「もう……私がついて行くからそんな弱弱しい体を見せないでください」
私はぎゅっと綾瀬さんの体を支えた。
「ありがと……」
そして私は綾瀬さんを支えながら九丈家の総本家に向かった。
「……ここが?」
「ああ、ここが九丈家の総本家だ」
目の前には数百年、いや数千年この土地に根を巡らせていたような貫禄がある建物が建っていた。
「うおぉ……」
門には霊媒師が立っていて、綾瀬さんを見るや否や体を支えてくれた。
「ありがと……」
そして応接間に通され、綾瀬さんは椅子に座らされた。
「ありがたいな」
「でも私は正座なんだね」
私は座布団に正座というなんというか……実力社会だなと感じた。
「さて、揃いましたし、始めましょうか」
九丈家の人たちが座布団に座り、会談が始まろうとしていた時、綾瀬さんが後ろに立っていた人に声をかけた。
「ごめんだけど座布団、くれない?」
そのことに九丈家の当主は疑問の声を上げた。
「どうしてですか?」
「私は今肋骨を折っている、それに椅子を用意してくれたのでしょう。ですが同じ高さで話さなければ、あなたたちの気を悪くすると思いますので」
「いえ……椅子に座っててください」
「同じ立場なのに、私だけ特別扱いだけは許しません。今すぐ持ってきなさい」
その時の風格はまるで歴戦の霊媒師だと感じた。
「では座布団を用意しましょう。あなたの熱意には負けますよ」
「ありがとうございます」
そして綾瀬さんにも座布団が用意されて、会談が始まった。
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