85話 同じタイプの物
寺に帰ってくると縁側に誰かがお茶を飲んでいた。
「……あれ?帰ってくるの早いじゃんか、綾瀬さんが言ってたことと違う」
「どうも、また寺の冷蔵庫からお茶をパクって飲んでるの?」
すると奥で布団に寝かされている綾瀬さんが声を上げた。
「そうだ、どうしてフローズンの家のお茶を飲まないんだ」
「私の飲み物は紅茶だ、緑茶なんてめったに飲まないんだ」
「そういえばフローズンの母親が生まれた場所はパリだったけな」
「ママ曰くあっちの土地を忘れないために飲んでるだとか」
するとフローズンさんがべらべらと話しだした。
「そういえば綾瀬さんたちを狙ってた政治家だけど、また狙ってるようだよ」
「もしかして生きてるのがばれた?」
「そうだ、それでさ……少しだけだが護身術を教えておかないとなって」
「護身術を学べる体調じゃないぞ」
「そりゃ綾瀬さんは背骨バッキバキってのは知ってる、背骨ブレイカー」
「なんだと~!?」
「それでなんだが、千尋を鍛え上げないとな」
すると私の目の前に急に現れた。
「そういえば千尋のレガリアは物を元に戻すだっけな」
「そうだけど……それがどうしたの?」
「その鉈、よく見れば新品に近しいが持ち慣れている、無意識にその鉈は大事だと思ってるんだな」
「そうなんですよ」
「ならその鉈を使ってもいい、私の体を傷つけてみろ」
「でも傷つけたら血が出る」
「血が出るのはお互い一緒だろ」
「違うぞ、千尋は血が出ない、恐らく幽霊だけど実体がある謎の奴だ」
「なるほどな、つまり私のサンドバッグにもなるってことか」
「良いんですね、この鉈を使っても」
私は鉈に意識を向けた、すると周りの動きが無くなった。
「……なんだこれ!?」
私は時が止まっている間にフローズンさんの背後を取り、そして時が動き出した。
「いない……後ろか!」
フローズンさんが前転で私の鉈をかわした。
「……へぇ、私と同じ能力を持ってたのか、面白いじゃないか」
するとフローズンさんは服の胸元から十字架のロザリオを出した。
「これを出させたら本職を出さざるを得ないからね」
するとフローズンさんが腰に提げてあるリボルバーに手をかけたが綾瀬さんが止めた。
「おいおいここは私の寺だ、銃をブッパされちゃ、修繕費を誰が出すんだ?」
「そういえばそうだったな、いいぞ、私はダガーナイフで戦ってやる」
フローズンさんは暗殺用に使っているダガーナイフを抜き、私に近寄ってきた。
「ほら、やって来いよ、時止めを」
「時止め……?」
私はさっきみたいに時を止めたがさっきとは違い、フローズンさんも動いていた。
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