84話 音波を操る奴
寺に帰ってくると綾瀬さんがぐったりとしていた。
「あれぇ!?大丈夫!?」
「大丈夫、だけどちょっとこれ無茶しすぎたかも」
「ならゆっくりやすめ~」
私は綾瀬さんのそばを離れ、街中に繰り出した。
(しかし街の人たちは本当に明るいんだな)
私は腹が減り、コンビニでおにぎりを買った。
「困ったときはコンビニだな」
私は歩きながらおにぎりを食べていた、後ろから猫が歩いてきていたが具はこぼさないからな。
(しかし地域猫が多いな、それだけ捨て猫が多いってことか)
すると猫がすっと私の後ろから離れた。
「何この音!?」
私は頭がキーンとする感じがして耳を両手でふさいだ。
(なんだこの不快な音……どこかにいるのか?)
私は耳をふさぎながらあたりを見まわたしていた、だがどこにも見当たらなかった。
(物凄い抵抗感がある……いったいこの抵抗感はいったいなんだ?)
まるで空気が震えているような感じがしていた。
(空気が震える……つまりそこにいるのか!?)
私は鉈を手に取ろうとしたが耳をふさいでいる手を離すと大けがするかもしれないと考えた私は徐々に後ずさりしていった。
(確か後ろには川があったはずだ……)
徐々に下がっていき、工業地帯に入った。
(今だ!)
私は大きく息を吸って後ろに飛んだ、そして私は川に飛び込んだ。
「へっ、自ら川に落ちやがった、上がれないだろ」
奴が姿を現し、私が落ちた川を眺めていた。
「勝ったな」
「相手が勝ちを確信した時、それは敗北なんだ」
奴の後ろにびしょ濡れの私が立っていた。
「どうしてそこにいるんだ!?」
奴は持っているギターを鳴らそうとしたが私の鉈でからめとった。
「私の能力を知らずに挑んできたのか、あなたがどこの何者か知らないけど命を狙ってきたんだ、自身が狙われても問題ないよね」
私はポコポコと奴を殴りつけた。
「おりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!!」
「オゲラァァ!!!」
そして奴はぶっ飛び、川に落ちていき、数分後には河原に流れ着いていた。
「……しかし危なかったな……真っ先にこいつの能力に気が付いてた結果だな」
私が川に落ち、水中にいるとき何もない空間を切り裂き、私が移動したという事だけを巻き戻し、出てくると先ほどの事が可能になる。
「さて、耳が痛くなったし川のせせらぎでも聴いて帰るか」
私は川のせせらぎを聞いて耳を回復させ、それから寺に帰った。
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