82話 過去改変する力
寺に帰ってくると綾瀬さんの婚約者が真っ先に出迎えてきた。
「お帰り」
「ただいま」
「……それで綾瀬はどんな状況だ」
「背骨にひびが入ってるって」
「そうか、後遺症が鳴ければいいのだが」
そう言って綾瀬さんの婚約者が外に出ていった。
「一体何処に行くんだろう」
私は空き部屋に寝転んだ、疲れで動きたくないと思えてきた。
「うへー」
天井から座敷童ちゃんが垂れ下がってきた。
「あら、どうしたの?」
「何か寂しいと思ったら千尋がいなかったのかぁ」
「朝いなかったものね」
「それであるじは?」
「いま背骨にひびが入って治療中」
「そうなんだ……それでその鉈についてるお守り、もしかしてあの世とこの世の狭間にいたの?」
「あの世とこの世の狭間……三途の川?」
「周りの風景はどうだったの?」
「あたりには社一つだけ建ってた」
「ふぅん、ならそのお守りは本当に大事にしておかないとね」
「詳しいことは教えてくれないんだ……」
「一つだけ教えておくけど、それは現代の悪霊を切れるし生きてる人も切れる、だけど私見たいな妖怪は切れないはず、だけどそのお守りには私でも嫌気がするぐらいな妖気をムンムンと漂わせてる」
「へぇ……近づけただけで成仏するの?」
「多分、そしてその鉈は増幅器として使えるから実質ワンパンで切れるかもね」
「つまりこの鉈は強くなったってことだよね」
「そうだね~」
私は鉈を見ていたら過去の風景が見え始めた。
「なんだこれ……」
そこには過去の私が見えていて触れることはできなかった。
「触れることはできない、ならどういう事が出来るんだろ」
私は鉈をずっと見続けていた、するとどんどんと過去に戻っていった。
「この能力って一体なんだ?」
すると綾瀬さんらしき人が見えた。
「綾瀬さんだ……私と同い年みたいな風格だな……」
私は鉈を何もない空間に振り下ろした。
「あれ、振り下ろした部分の色が違う……」
私はその中に入った。
「わっ!?誰!?」
その声が聞こえる方に目を向けると綾瀬さんが私を見て驚いていた。
「ごめん綾瀬さん!?、この鉈の能力を試してたんだ」
「……まって、どうして私の名前を知ってるの?」
「君はまだ私の事を知らないんだよね、でも大人になったらこの正体がわかるから」
すると私の周りが灰色になり、元の場所に戻ってきた。
「おかえり、何処に行ってたの?」
「……昔の綾瀬さんに会った」
「それって、20年前の?」
「そう……ってどうしてわかるの!?」
「だってここの座敷童よ?過去現在未来、いろいろな事を覚えてるのだから」
「なら過去の綾瀬さんの服の色は」
「白色と赤色を基調としたパッとしない服」
「それ悪口?」
座敷童ちゃんの後ろに綾瀬さんが綾瀬さんの婚約者の支えで立っていた。
「わっ。逃げろ」
座敷童ちゃんは地面に逃げた。すると綾瀬さんが私が持ってる鉈を見た瞬間、思い出したように口を走らせた。
「あの時の人と同じ鉈だ」
「あの時?」
「うん、この鉈を持った人が急に現れたんだ、それで急に消えた。まさかあなた?」
「過去の綾瀬さんに会ったかも」
「……その鉈、もしかしてだけどさ……過去を変える能力を持ってる?」
「分からない」
「だったら私のテストの点数を20点から100点にしてくれない?」
「煩悩の塊じゃないか」
鉈は一旦綾瀬さんに見せ、お守りの事についても話しだした。
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