第九十五話 伸戯の修行(二)
「それで剣ってどこにあるんですか?」
「剣?それならここにあるよ」
ロンスラットは指差す。
その先に台座に刺さった剣があった。
「剣って植物のようにたくさん生えるのですか?」
「まぁ、自然な奴はそうかもね」
「自然の奴?」
「これは私が刺していた剣だよ。ここには自然な物と誰かが刺した剣の二つがある」
伸戯は周りを見渡す。
よく見ると、そこら中に剣が刺していた。
「では、それを使わないのですか?」
「結論から言うと無理でしょう。一人一つの武器にしか付かない。ここに残っている物は既に持っていた人ができないことに絶望し、残された物。私もその一人でした」
ここを知っている者はそう多くない。
そして知っている者のほとんどが既に武器に能力が付いた人ばかりだった。
「しかし、私は二刀流です。一人一つだとしたら一つしか使えませんよね?」
「普通ならそうでしょう」
「?」
「今回、私は一つ試したいことがありましてね」
「何をするんですか?」
「中国の武器に双剣という物があるそうです。それは一つの鞘に二つの武器が入っている、または二本の武器を一対と考える武器のことです。つまりは名称こそ一つだが、武器自体は二本ある。そのような物ができないかと思いまして」
ロンスラットや同じようなことをしてきた人は一本の武器で行ってきたのだろう。
だから、複数の武器で一つの武器としてならないかと思った。
そう思いついたのは伸戯が二刀流だったからだ。
「とりあえず私はやるしかないんですよね」
「そうですね。武器を抜き、始めましょうか」
言われたように伸戯は台座に刺していた剣を二本の抜いた。
そして修行が始まる。
その日の修行中、こんなことをロンスラットが言ってきた。
「剣速遅くないですか?」
「剣速?」
「剣速は剣を振る速さです。てっきり私は能力で上げるとばかり思っていたのですが」
ロンスラットは伸戯と打ち合い、そう思ってしまった。
「私の能力にそんな能力はないですけど?」
「そうですか?貴方の能力『神速』はただ自身の速度を上げるものではないです。『神速』の速があるくらいですから、それに関わることが適応できるはずです」
ロンスラット自身が『神速』をよく知っているかは分からないが、『神速』から自身の速度を上げるだけの能力では確かにないかもしれない。
「それも追加しましょうか。やることは増えますが、達成しなければなりません」
これにより、試練が一つ増えた。
大きく成長するとは思えないが、能力向上にはなるだろう。
それからというもの、ただただ打ち合いの日々。
伸戯が剣と剣が打ち合いなった時、『神速』で移動しようとしたら、体重をかけられ、その場から動けなくなったり。
さらには伸戯何かのしかかっているのか、『神速』をうまく使えなかったりと、ロンスラットは伸戯に自身の速度を上げないようにしていた。
それから六日目、何か変わりつつあった。
今回は少ないので前か後ろと統合するかも。
本編ではアヴァロン内の剣の話と伸戯の剣速が遅いことでした。
アヴァロン内の剣の話は特に何か追求することはないと思います。
伸戯の剣速の話は『神速』の能力が自身の速度を上げること以外も適応しようと思ったからです。
ロンスラットの能力は少しだけヒントを入れています。
次話は伸戯の成長と二本の剣。
ただただ打ち合っていた五日間。
少しずつ変わってきていたが、何かを掴むことはなかった伸戯。
修行はあと二日。
試練である武器の能力化、固有能力、そして今回追加された剣速を上げる能力。
果たして合格できるだろうか。




