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第九十三話 夕実と李音の修行(ニ)

書き切れず、中途半端です(次話と合わせる予定)。

 

 五日目、夕実の成長は劇的だった。


「右、ここで方向転換、次は後ろから…」


 次々来る大型動物達を躱していた。


 成長への近道は危機的状況で修行すること。

 死ぬまたは死ぬかもしれないという状況が生存本能を起こさせ、新たな能力を与えた。


『瞬間認識』


 手足や体の動き、筋肉の動きをすぐに認識し、夕実は次の行動を予測する。


 これは三日目からできていたのだが、それは一体に対してであり、今では沢山いる大型動物を全てに使っている。


 ただこれには物凄く脳に負担を与え、処理能力が高くなければ難しい能力でもあった。


 だから夕実は必死に集中し、躱していた。


 しかし、それでも攻撃に移すことができていなかった。


 李音の方では…


「痛!傷モノになってしまうですが…」


 今日もまた木刀で打たれる李音。

 血が出る訳ではないが、打った後は残ってしまっている。


「そうですか。では死か美か選んで下さい」

「死ぬにしたって美しく死にたいでしょ」

「じゃあ、死んで貰おうか」

「な、なんで!?」


 政親は木刀を上げ、李音に向かい振り落とした。


「まぁ、冗談ですけどね」

「や、やめて貰いますか…」


 振り落とした政親はだったが、当たる寸前で冗談だと言って止めた。


「戦いに美は必要ではない。その意識がある限り、貴女は成長することはできない」

「成長しようという意識はありますよ!」

「それぐらい誰だってできます。もう少し力を入れた方がいいようですね」

「もう少し!?」


(その美の意識を忘れさせましょう)


 政親は甘く指導していたと思い、次からは鬼教官のように指導することにする。


(夕実さんの方は順調ではありますけど、合格とは言えませんね。ですが、今日は李音に集中しましょうか)


 この日は夕実の方を少し気にしながら、李音の方に集中的に指導を行った。


 六日目。


(李音さんは昨日厳しくやりましたから、少し怯えていますけど、むしろここを超えられるかどうかですかね)


 昨日の鬼教官振りの指導により、李音は昨日までの軽い口調はなく、軽化粧はしていたが、それすらしなくなっていた。


 李音に対しては引き続き鬼教官のように指導する。


(夕実さんの方は何か必要かな)


 夕実の方は成長を見せたが、戦闘に移行できないでいた。


 政親は李音に見えないように合図を送る。



 夕実は大型動物達の攻撃を躱していた。

 動きもよくなったが、処理能力はより負担している。


 そこで突然大型動物達が木に対して体当たりをした。


「な、何?」


 突然の出来事に驚く夕実。


 体当たりした瞬間に木から武器が降ってきた。


「武器が落ちてきた?……!?」


 大型動物達は落ちてきた武器を躱して、その一つを咥えるまたは掴んだ。


「絶対に普通の動物ではないですよね……」


 普通の動物よりも大きく、さらには武器を扱っている。


 夕実はすぐにここにいる動物ではないのだとは思っていたが、ここまでとは思っていなかった。


 政親により、夕実は新たなステージへと強制的に上げられた。


 しかしこれが夕実の成長へと促すことになる。


本当なら今話で二人の話を終わらせたかったのですが、終結が浮かばず、延ばしました。

その理由として夕実はあと戦闘を上げること、李音は明確な合格が見つからないからです。

多分、次話は同じくらいの文字数になるかも。


今回の本編は夕実の『瞬間認識』が出ました。

これは動いた部分が光ることで認識し、ある一定の範囲内だと脳内で動きをスローにし、正確に見ることができるが、その代わりに脳に負担を与える。

そもそも処理能力が高くなければ使うだけで倒れるほどに危険な能力でもある。


次話は今話の続き。

少しずつ成長を見せる夕実。

叩かれてばっかりで成長しない李音。

どちらも鬼のような修行で、死ぬ可能性もある。

残り一日、二人は結果を出し、政親から合格を貰えるのだろうか。


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