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不条理人間  作者: ミン
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#03 出会い

 私は感情に振り回されない人間だと自負している。感情そのものは確かに感じても、行動が感情に支配されないタイプだ。しかし、今の状況においてだけは、恐怖を表情から消すことができなかった。自分の表情は見えないが、きっと恐怖で強張っているはずだ。その証拠に、手も足も、全身がカチカチに固まっていた。私はゆっくりと周囲を見渡した。何と説明すればいいだろうか。


 それはまるで、いくつもの同じ部屋が重なり合った状態で無限に続いているかのような光景だった。どこか幾何学的に歪んだ、がらんとした部屋の連続。部屋ごとに壁はあったりなかったりと、不規則な規則性があった。


 私はこの何とも言い難い光景を見た瞬間、自分の置かれた現実が超現実へと変わったことを直感したが、次のようなありふれた行動を取るしかなかった。


「夢だろう」


 私は再び倉庫の扉を閉めた。暗闇の中で目を閉じ、ゆっくりと呼吸を整えてから、もう一度扉を開けた。さっき見た学校の姿が現れるはずだ。そう思ったが、再びあの虚無な空間が目の前に現れただけだった。まあ、やはり夢ではなかった。夢でないなら、これは一体何なんだ? 私は考えるより先に体が動いた。倉庫の外に出て、この奇妙な空間を歩いてみた。


 もともと冷静な性格ではあったが、自分がここまで冷静でいられることに驚いた。もちろん恐怖はあったが、頭の中が混乱することはなかった。あれこれ考えるより、一度直接確かめてみるほうがいいと判断したのは賢明だった。実際に歩いてみると、ここがやはり夢ではないということがはっきりと分かった。私は壁を手で触ってみた。どこにでもある、ありふれた感触の壁だった。床も、天井も、すべてが聞き覚えのある、見覚えのあるものだった。この空間は、見慣れたものが集まって、見慣れない雰囲気を作り出しているのだ。


「ん?」


 しばらく歩いていると、遠くに何かの扉が見えた。それはさっき見た倉庫の扉と同じような、堅牢な扉だった。しかし、扉の上に何らかの印があった。かなり遠かったのでよく見えず、私はその扉に近づいた。


「この文字は……」


 扉の上の印は文字だった。ただし、読めない文字だった。この印を残した者が(それが本当に人間ならば)悪筆なのか、あるいは私の知らない言語であるようだった。


 何にせよ、この不気味な空間について情報が必要だった。そのためには、何の情報も提供してくれないこの広い空間に留まるよりも、この扉の向こうへ向かうほうがマシだろう。私は扉を開けた。すると、この見知らぬ場所の異質な空気とはまた別の空気が感じられた。そこは薄暗い階段だった。階段を包む闇があまりにも不吉だったため、入ろうと決めた私でさえ躊躇するほどだった。いや、そもそもこれほど暗いなら、懐中電灯も持たない私にとっては入ったところで何の意味もない。ただ闇に飲み込まれるだけだ。


 入るべきか否か悩んでいると、突然、ある音が聞こえた。驚かずにはいられなかった。なぜなら、この異常な空間を歩き回って聞いた音は、自分の足音だけだったからだ。一瞬の短い音、それも小さな音だったが、鮮明に聞こえたため、聞き間違いではなかった。別の音が聞こえたということは、他の存在がいることを暗示していた。しかし、それが必ずしも人間や生きている存在である必要はなかった。ただ物が擦れ合って出た音かもしれない。


 私は音に誘われるように、階段の中へと一歩踏み出した。音の正体に少しでも耳を澄ませるためだった。その時だった。突如として、強い人の気配を感じた。私は反射的に首を回して扉の横を見た。すると、そこにうずくまっている存在と目が合った。

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