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お宅訪問……上田姉妹編

メガネ君先輩のご自宅におじゃまさせてもらった次の日……ご都合主義といわんばかりの雨が降っている……。

ジョニーは一その面の雨雲を、にやけ面で眺めている。


「では、これにて本日の授業は終了する」

「起立……礼、有難う御座いました」大半の生徒が、毎度ほっとため息をもらす瞬間だ……

そして僕が机の中の教科書ノートをカバンに詰め直していると……真弓が少々焦った表情で立ち上がり

「今日、家に来るんでしょ! あたし一足先に帰って準備するから、あんた達はお姉ちゃんと一緒にゆっくり来てよね……絶対だからね!」


と念を押すように言い残し彼女は駆け足で教室を飛び出していき……

彼女と入れ替わるようにメガネ君先輩が「おじゃまします」と教室に入ってくるやいなや僕達の側に立ち……

「やあ、今日はデザートの……いや、上田さんの家に行く日だね!」

「はい」

メガネ君先輩の言葉に笑顔で答える優子……つづけて彼は

「おや? 真弓ちゃんは……まあ現地で会えるか……さあ出発だ!」


元気良く拳を突き上げ回れ右するメガネ君先輩に、後ろで帰り支度をしている優子が待ったの声をかけた

「ちょっと待ってください、真弓が忘れ物してないか彼女の机チェックださせて下さい」


そして………

「もういいかな?」

「はい」

「でわ、改めて出発!」

元気一杯の先輩に苦笑して、僕達は学校をあとにし…………一路、彼女の家へと向かう……。


……三十分後……僕達は彼女の家の前に到着し、僕はふと玄関脇の違和感に首をかしげた


あれ? この前来た時モニター付の呼び鈴なんて有ったっけ?


不思議がっている僕をよそに優子が呼び鈴を押すと、すぐに上のモニターに真弓の顔が映し出された

「真弓、片付けは終わった? 入っても良いかしら?」

「良いよ、入ってきて」

「真弓の準備も出来たようなので……さあ皆さん、どうぞお入り下さい」と彼女が扉を開け……僕達は誘われるがまま中へと入った。


(やはりいつ見てもこの一階の大広間はすごい!)


当然初めて彼女の家に来たメガネ君先輩は案の定

「いやいやこれは」

と驚きを隠しきれず、笑うしかないといった様子だ……まあ、無理もない。


僕はため息をつき「行きますよメガネ君先輩」と彼のてを引っ張り階段へと向かい……上がっている途中


メガネ君先輩が僕の手を離し立ち止まり、しきりに鼻を動かし「おや? 石鹸の良い香りがする……」

「あ……この先二階の大浴場からの匂いだと思います」

「おっ大浴場とな、それは興味深い……入ってみたいな」

「メガネ君先輩!」と真弓が一喝を入れると、彼は愛想笑いをし

「いやいや、ちょっとした冗談だよ……ははははは!」

「本当ですか~~?」


そんなこんなで階段を上っているうちに僕達は、彼女達の部屋のある三階に到着した。

ドアを開けるとそこは、僕の部屋が四つは入りそうな広さをもつ、キッチン一体型のリビングルームで、正面には二人がけのソファー、その向こうに座卓……そして、大画面のテレビが有り


いやはや、何度見ても僕の家とは大違いだ……羨ましい。

そして右を見るとシステムキッチンと、町並みをのぞむバルコニーがあり……左を見ると「ゆうこ」「まゆみ」とオーナメントが掛けられているドアが有った……その二つのドアを見ていると、真弓が僕達の前に飛び出し、上目づかいで質問してきた。


「で、あたしと、お姉ちゃん……どっちの部屋から見る~~?」

「いきなりやな~~、ほな優子ちゃんの部屋から見せてもらおかな」


「了解!」

真弓がドアを開けると、ジョニーとメガネ君先輩が遠慮なく室内に……僕は彼等のような度胸はなく、初めて入る女の子の部屋というものに変に緊張して少し遅れて入る


気になる優子の部屋のレイアウトは……

入るとすぐ左の壁に制服を掛けるためであろうハンガーがあり、その並びに腰までの高さの本棚、上には可愛らしい人形やぬいぐるみが並んでいる。……対して、右側にはベッド

その向こうの窓際に勉強机……その後ろがクローゼットとなっていて……とても片付いていて綺麗な部屋だ。


すると「ほな次は真弓ちゃんの部屋や~~!」とジョニーが僕達をすり抜けるように部屋を出た

「だめ~~!」とっさに真弓が声を上げたが、時既にに遅し……次の瞬間


「なんじゃこりゃ」ジョニーが隣の真弓の部屋で声を上げ……それに反応して僕達は彼の側に駆け寄り、真弓の部屋を見て驚いた!

「なぜ女の子の部屋に?」


驚くのも無理は無い……そう僕達の目の前には天井からぶら下がっている、サンドバッグ、が有ったのだ、しかし、それ以外はいたって……普通

サンドバッグを挟むように、右側には勉強机と本棚と筋トレグッズ……左側にはベッドと姿見の鏡とクローゼットの扉に駆けられてるボクシンググローブ

と、幾つか女の子の部屋にはいささかにつかわしくないアイテムがあるが……まあこれも「彼女をかたちづくるモノ」として誰も何ももつこむまい……。


しかし

「おいおい、なんやサンドバッグって……なんぞムカつく事でもあるんか~~?」

とジョニーが冗談混じりに軽くサンドバッグを叩き回転させ……ふとそこに貼られた写真を見て

「って~~わいかい! ……まあ予想はしとったからええけどな」


その言葉を聞いて僕と優子がほっと胸をなでおろした事は、言うまでもあるまい……。


そうして一通り彼女達の家の中を見学した後………僕達はゆったりとリ座ってリビングデくつろいでいると、メガネ君先輩が立ち上がり僕達を見渡し声を駆けてきた。


「突然だけど君達は……来月行われる球技大会で、どの種目に出る予定だい? ……ちなみに人気種目は野球、サッカー、バスケットボール……どれも有名な漫画やアニメにつかわれてるものばかりだよね~~!」

「ははっ……あたし達にきく前に、先輩こそどの種目に出る予定なんです?」

「ああ、確かに…………言い忘れてだけど実は僕、体育委員で審判するから、競技参加は免除なんだ」


「そうなんですか? 少し羨ましい………私は運動が苦手なので、真弓と同じ種目にします……」

「わいは、単純ルールで本気のガチンコ勝負の出来る……ドッジぼーるやな!」

「なら、あたしもドッジボールにする! ……勝負よジョニー!」

「じゃあ、ぜっかくだから僕もドッジにしようかな……でも、たしか……男女の試合は無かったいうな?」


その言葉に「え~~!」と、ジョニーと真弓が息ピッタリにに声を上げ、肩を落とす……


(まずい!)


「まあ、まあ……では、気をとりなおして……球技大会の前にある期末試験についてだけど…………赤点とって補修で夏休みの大半が潰れるなんてやだよね……そうならないためにも、皆、ちゃんとテスト勉強はしてるかな~~?」

ナイスタイミングでメガネ先輩が話をそらし、たきつけるような口調でフォローを入れると……。


「当然でしょ! 補修は別にいいけど……あたし、こいつにだけは負けたくない!」


たしか……中間テストの結果、ジョニーに負けてたよね……そのリベンジか


「それはこっちのセリフや……今回も勝たせてもらうで~~!」

と、いつものようにジョニーと真弓は火花を散らし始め、メガネ君先輩のフォローは見事成功といったところだろう。


そして再び、お菓子を食べながら楽しく談笑をしていると……窓の外……六時のチャイムが町に響く。


「おお、もうこんな時間か……口惜しいが、そろそろおいとまさせていただこうか~~」

メガネ君先輩が腕時計を見てゆっくりと立ち上がり……僕達もそれに従うようにゆっくりと立ち上がると

「では、玄関までお見送りいたします」と優子がドアに向かい歩き出した


玄関……靴を履いている僕達の側で優子が頭を下げ

「ろくにお構いも出来なくてすいません……」

「いやいや、気にしなくていいよ……それより諸君、期末テストと球技大会、頑張りたまえ……ではお先に失礼」

とメガネ君先輩は軽く手を挙げ玄関を出て離れて行く……僕達は彼の姿が見えなくなるまで見送り


「先輩の言うとおり、気にしないでいいよ……僕達のほうこそ押しかけたみたいで、ごめんね……じゃあ、また明日」

僕は軽く頭を下げると、横に居るジョニーは

「ほなな~~」

と元気に手を振って玄関を出た


そして、帰路に着く僕達の後を追うように、優子と真弓が玄関前に出て、お互いの姿が見えなくなるまで見送ってくれた……

優子さんはともかく真弓さんまでとは……意外に律義な性格だったんだ……。


読んでいただき、ありがとうございます。

『山田太郎たちの恋物語・Boys Meets Girls?』

第二十六部『お宅訪問……上田姉妹編』

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by.メガネ君(作者)

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