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お宅訪問……ジョニー編

太郎さんのお宅にお邪魔してから三日後の朝……雨が降っています


……ということは……


今日はジョニーさんのお宅にお邪魔する日です



私達は……特に私自身、少しわくわくしながら教室を出て、そのまままっすぐ図書館へと向かうと……

その入り口でメガネ君先輩が、私達が来るのを「今や遅し」と立って待ってくれていました。


「さあ、今日はジョニー君の家に行く日だよ~~さあ出発だ!」


私達は図書館に入ることなく学校を後にし、その足でジョニーさんの家に向かいます……すると道中……ジョニーさんが真弓の側に駆け寄り、深刻そうな顔で

「あの~~、ダンボールとか、荷作りのひもって……」

「あんなの、冗談に決まってるじゃない……もしかして本当に持って来てほしかった?」

「いやいやいや……冗談やったらええんや、冗談やったら」とジョニーさんは笑いながら胸をなでおろし、元気に歩き出しました。



………それから十分後……私達は、潮の香りのする海岸線を歩いています………


どうやら彼の家は海辺にあるということでそのまま海水浴場の近くまでくると………ジョニーさんと太郎さんがふと足を止め私と真弓の方に振り向きました。



海水浴場? このような所に民家なんてあるのでしょうか?



「わかりづらいと思うけど、これがわいのうちや」

ジョニーさんが海辺の松林を指差ましたが、私には松の木しか見えず……真弓も目を凝らしていると


「え? 単なる松林じゃない…………って迷彩色の家!」


驚き数歩後ずさりする彼女の正面には上村と書かれた他表札とポストが有ります

なぜ、こんなわかりづらい模様の家なんて建てたのでしょう?


するとメガネ君先輩が、私の疑問を代弁するようにジョニーさんに質問をしてくらました。

「変わった模様の家だよね……しかしなぜ迷彩色……正直不便だし、時代遅れだよ」

「そないな事分かっとる……そやけど、わいの親父、軍人やから」

「ああ、職業柄ってわけか……納得」


メガネ君先輩が納得して頷いている側で、ジョニーさんが玄関のドアを開け


「雨ん中、立ち話もなんやから……入って入って」

手招きするので……私達は傘をたたみ彼の家の中へ急ぎ足で入り、ドアの側にある丸い傘立てに傘を納め……鞄や髪に残る雨粒をハンカチで拭き………「一安心」と落ち着いた顔で回りを見渡すと……


どうやらここはガレージのようで、入り口正面にある二階への階段以外、目立つ物といえば……車が二台に、原付が一台、そしてジョニーさんの自転車が有る程度です



すると腕組をして二台の車を交互に見ているメガネ君先輩がうなるように

「いや~~なかなかいい趣味してるね……で、この二台の車は誰のだい?」

「グットタイミングやでメガネ君先輩……ちょうど車の事話し(自慢)したかってん」

自慢げに言う彼を真弓は

「ふん………自分のでもないくせに、これみとがしに言わないように!車さんに失礼よ」

といつものように鼻で笑います、確かに態度は悪いですが今回の彼女の意見には私も同感です。

するとジョニーさんの口から

「その赤い車わいのや……で入り口の方にあるのがおとんのや!」

と驚きの言葉が返ってきたのです!

と後日メガネ君先輩に車の詳細をたずねたところ……赤い方は、フェラーリF四三零……そして白い方ハマーH二……というどちらも海外の車だそうです。



少し時間軸(話題)がずれたようなので、話を現代に戻します……



「あんたのって、見え透いた嘘はやめて男らしくないわよ」


するとジョニーさんは真顔になり、赤い車ののグローブボックスから何かや書類を取り出し指をさす

「嘘なんか言うてへん……車両登録書の名義人のとこ見てみ」

「悔しいけど、本当みたいね」


悔しがる真弓を見て「してやったり」と気をよくしたのかジョニーさんは上機嫌に

「ええ子や……ご褒美にわいが免許取ったら助手席に乗せたるわ」

「遠慮しておくわ、あんたと心中なんてしんでも嫌だから」

「なっ!」


あまりにも素っ気無く断る真弓に、ジョニーさんは言葉を失い固まってしまいました。

しかし

そんな事お構い無しの彼女は回りを見回しながら、いまだ固まっている彼に

「で……あたし達はどこで靴脱げばいいの? ……早く言わないと土足のまま上がるわよ!」

と言いながら、もうすでに階段を上がり始めています……。


まったく困った子です。


そんな彼女に……ようやく身動きが取れるまで回復したジョニーさんは、苦笑いをしながら上目づかいで階段の下でしゃがみ

「はは……ええで、二階に靴箱あるから、そこで靴脱いでな~~」

「おっ、ナイスポジション!」とメガネ君先輩が彼の側に駆け寄ろうとしたとき


不意に真弓は足を止め数秒後、再び階段を上り始めたとたん彼女の靴が脱げ、宙を舞い……階段の下でしゃがんでいる彼の顔面にクリ-ンヒット!


「ごめんなさい脱げちゃった……わざとじゃないのよ……」

「……わかっとる……まあ、皆も遠慮せえへんで上がって」


私達は彼の言葉に従い二階に上がりドアを開けると……そこは玄関一体型の広いリビングキッチン


「おじゃまします」


軽く頭を下げ靴箱に靴を収め振り返るとキッチンで料理をしている女性が私達に気づき

「ジョニーのお客さんかい? こりゃまた可愛い子やね~~」

ジョニーさんのお母さんでしょうか?

「ありがとございます……私、ジョニーさんのクラスメイトで上田優子と、妹の真弓と申します」

私と真弓がお辞儀をしている後ろで、メガネ君先輩がもののついでのように「はじめましてメガネ君です」と言い軽く頭を下げる

「こりゃまた、ごていねいに……で、どっちがジョニーの彼女や? まさか両方!」

「おばちゃん冗談はやめてよ、あたし達は単なるクラスメイト」

「ははは……元気のええ子やね~~気に入った、まあこれからも、うちのこと仲良くしたってや」


真弓が彼のお母さんと話をしていると、その彼が割り込む様に

「麦茶持ってくから、正面にあるその階段上がって左のわいの部屋に入っといて」と冷蔵庫の扉を開け冷えた麦茶を取り出しました


私達は彼のお母さんに改めてお辞儀をし三階へ上がると……右にはオーシャンビューのバルコニーが、左には、すいいとるうむ、と

マジックで落書きされているドアが……たしか、ここが彼の部屋のはず……


「入り口からして怪しさ大爆発ね」

わなわなと顔をひくつかせる真弓に太郎さんは

「はは……まあ中は、そ・れ・な・り・に普通だから安心して」と苦笑いをしドアを開け、私達はジョニーさんの部屋に入りました


彼の部屋は太郎さんの部屋とは違い、部屋に入って正面には本棚と壁を頭にしたベッドが有りその上の天井には水着姿の女性の大きなポスターが貼ってあり

すぐ右を見ると大きなパソコンを載せている勉強机とその左隣には大きな液晶テレビがあり……そして部屋のいたるところに漫画雑誌が散乱しているなど

独特な雰囲気があります……


私たちが少々呆気にとられ、彼の部屋を眺めていると……背後から


「で、わいの部屋はどないや?」


とその部屋の主が現れ、麦茶を載せたおぼんを勉強机の上に置きました。

「その……とても個性的な部屋ですね」

「思ったとおりのすごい部屋ね」

「そんなに褒めんなって……」照れくさそうにする彼に真弓が

「いや……褒めてないし」


するとメガネ先輩が、親指でクローゼットを指し

「この中には何が入ってるんだい?」

「そん中には、服と……そんなことより温くならんうちに、はよ麦茶飲んでや……その後ベランダでクレーゲームやるで」


「ふふっ……クレーンゲーム? あんた得意だもんね……ふふっ」と笑いをこらえる真弓、どうやら大阪でのクレーンゲームの事を思い出しているようです。

そんな彼女に彼は少し怒ったような口調で

「あんた今、大阪でのUFOキャッチャー思い出しとったやろ? クレーゲームや……クレー射撃や!」

「射撃って……夏祭りでする射的ゲームみたいにコルク銃でするの?」



あまりに真弓が彼ををこばかにするのをみかねてか、太郎さんがため息を漏らしながら

「真弓さん……分からないなら、何も言わず実際やってみたらいいと思うよ」と仲裁に入ってくれました。

「それもそうね」


そして


なんとも運の良い事に先程まで降っていた雨は、私達がバルコニーに出た時には、すっきりと止んでいました。

メガネ先輩が空を見上げ「なんとも、ご都合主義的な天気だな」と苦笑してる隣で、真弓は腰に手を当て周りを見回しながら一言。

「で、コルク銃はどこなの?」


「いつ誰がコルク銃使うなんて言うたんや? 使うんは実銃や!」と強い口調のジョニーさんはつかつかと廊下の突き当たりにある物置に向かいます


「実銃って、ここ日本よ! そんなの一般人が持てる訳無いじゃない!」彼に反論され、頭にきた彼女は同じく強い口調で正論を言い返していると……太郎さんが彼女の肩に手をのせ疲れた顔で頷きながら


「それが有るんだよ、実銃……それに関する許可証も……くわえてこのベランダの前の浜辺の一部も、彼の家の土地だし……はは、信じられないけど全て真実さ」


「ははっ……」呆れた顔で苦笑いする彼女の隣で、私は「太郎さん、大丈夫ですか?」と彼に声を掛けていると……


ジョニーさんが何丁かの銃を抱えて戻って来て、バルコニーの隅に有るテーブルにそれらを並べ……

「さあ、どれでもすきなの選んでええで」

と言い下がると、彼と入れ替わるようにメガネ君先輩が来て銃を見つめ感心したように


「サイレンサー付とは……近所迷惑対策も完璧だね……では僕は、日本の警官も使ってる、ヘッケラーコック、を使わせてもらうよ~~」

「それじゃ、僕は反動の少なく日本の特殊部隊も使っている、MP五A四、をシングルバーストモドで使おうかな……」

「じゃああたしは、後ろのところがおかしな形してるこれ」

「私はよく映画などで見かけるこの銃をお借りしますね」

と私と真弓はお互い選んだ銃を手に取ると男性陣から「お~~」感嘆に似た声が上がりジョニーさんが


「真弓ちゃんの選んだのは、ドラグノフ、つう世界トップレベルの狙撃銃や! つづけて優子さんの選んだのは、M十六、わいの親父の母国アメリカがうんだ名銃や!」

と情熱的な解説をしてくれた後……彼も一丁の銃を取り


「わいのお気に入り、デザートイーグル……もうちょっとしたら始めるよて、分からんこと有ったら今きいてや~~」



ではお言葉に甘え…………

ということで……実銃のの事などまるで知らない私と真弓は、それぞれの銃の特徴や扱い方を教えてもらい………数発試射し、その反動に驚いたところで



早速……機械から射出されるクレーと呼ばれる円盤を十枚中何枚撃てるかというルールで……ゲーム開始です!


「ほな、一番慣れとるわいが最初にお手本代わりに、やらせてもらうで」

とジョニーさんは手を振りながら射撃位置に立ち……構え…………クレー射出……発砲!

結果………彼の成績は十枚中六枚とまずまずらしく満足そうな顔をして戻ってきました。


続いては……年上と言うことでメガネ先輩……残念ながら彼は十枚中零枚と、初めて持つ銃の反動にほんろうされ真上向けて撃つなど、一枚も撃てずおちこんでいます。



そして男性陣の最後は太郎さんです……気になる成績は、十枚中四枚と、その成績を見てなおさら落ち込むメガネ君先輩に

「そんなに落ち込まないで下さい……僕は以前から何度か経験している結果で……僕も最初は一枚も撃てませんでした」

とフォローを入れ場を和ませ、一安心といった顔でこちらを見て順番をまわしてきました。


「優子さん、真弓さんどちらからしますか?」


すると待ちきれなかったのか、真弓が元気良く手を上げ

「あたし、あたしからやる~~!」

と率先して射撃位置につき、ゲーム再開です!


気になる結果は……十枚中五枚とジョニーさんに一枚及ばず………。


テーブルに銃を置きうなだれ「くそ……」と悔しがる真弓に……ジョニーさんが優しく


「気にすんな」と彼女の肩の手を乗せ励ましの言葉を………ここまでは良かったのです……しかし……


「狩猟や射撃は男のたしなみ……女のあんたがわいに勝てるわけない……だから気にすんな」


あまりにもひどい言葉です

その言葉に彼女はうちのめされ目にいっぱい涙をため堪えながら私を見つめ………私は真弓からの無言のメッセージに


「任せて……見てて」


と呟き、激鉄を起こし銃の安全装置を解除しながら射撃位置に立ち、深呼吸………ゲーム再開です!



結果は十枚中九枚……今度はジョニーさんが悔しそうな顔をし落ち込んでいます………


真弓を悲しませた罰!……いいきみです!


落ち込み俯いてるジョニーさんを見た真弓の顔に笑顔が戻り、これで一安心です

すると、案外すぐに元気を取り戻したジョニーさんが少し暗くなってきた空をみあげ

「もう一戦といきたいんやけど……もうこんな時間や……とりあえずおひらきっちゅうことで、玄関までおくるわ」



そして私達は彼の家を後にしました……次はメガネ君先輩の家です……見たいような、見たくないような不思議な気持ちです



読んでいただき、ありがとうございます。

『山田太郎たちの恋物語・Boys Meets Girls?』

第二十四部『お宅訪問……ジョニー編』

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by.メガネ君(作者)

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