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二日間のテストバトル……そして(番外編)(ジョニーのたくらみ)

「まずはテストお疲れさま……ゆっくりしたい気持ちは分かるが、少し決めてもらいたいことがある。それは」黒板に書きながら「来週〇曜日に行われる遠足の目的地だ」


「おおお……」

『遠足』という言葉(フレーズ)でかるくどよめきが起こる。


 しかし、二時間目の体育のテストで(二人に触発され)全力を出し尽くしたのか、全員発言する余力無く静かな教室に、教壇では先生が困り果てた顔をしている。


 そんな中「はい!」ひとり元気に手を挙げるジョニー

「村上くん」


「わいの心のふるさと大阪の新世界がええと思います!」

『助け船』とばかり、すぐさま黒板に大阪新世界と書く担任の背中にほくそ笑むジョニー。

(誰が見たって『出来レース(ふたりのせかい)』じゃないあか。まさかこれが目的で、体育のテストではわざと負けていたのか? ジョニー恐ろしい奴(こ))


『これはいけない!』と思ったのか真弓を起こそうと手を伸ばす優子


「上田……」

 視線を向けると担任が口の前に人差し指を立て『分かるだろ』と視線をくばる

 数秒後。

 理解し手をおさめた優子を見て

『邪魔ものはいなくなった』と笑顔ほくそ笑むジョニーに『一安心』胸をなでおろした担任がづけざまに質問する。


「交通手段は……電車にする? 貸し切りバスにする?」

「せっかくの遠足。電車やとさわげんし……今宮駅近くに大きなバス停有るよて貸し切りバスにしたいんやけど」

「なるほど……バスで騒ぎたいだけなら車内のグレードを下げれば安くつく……で予定(時間表)は考えてるのか?」

「はい……現地に着き次第自由行動、午後七時にバス停に集合して帰るというのはどないです?」

「なるほど良いな……それなら俺も楽ができそうだ」

 こうなるとまるでジョニーと先生、二人だけの教室……(言われるがまま黒板に書いていく)見る間にジョニーの思い通りに遠足プランが出来ていく。


「最後に、このプランに反対意見があるものは手を挙げろ」

担任ジョニーふくめ、教室全員の視線が、気持ちよさそうに寝息を立てている真弓へいっせいに注がれ……チャイムが鳴った。

「うん。どうやら反対意見がないようなので今回の遠足は大阪新世界に決定。プリントアウトして後日、答案と一緒に渡す……では、これにて本日の授業を終わる」



 一見して疲れている生徒を気遣ってかいつもの『起立、礼』の指示もせず担任は教室を出た……と同時にそれは裏切られ『やほー。うちあげしようぜ!』と盛り上がる教室。


 そして約一時間後……僕達四人以外誰も居ない放課後の教室……

ようやく『よくねた』と伸びをしては目をこすりながら真弓が質問する

「……あれ、もうこんな時間。みんな待ってってくれたの? どめん……でさ、お姉ちゃん。さっき遠足とか聞こえたけど。何? ……もしかして」


『油断した』悔しさで顔をゆがめる真弓に、ジョニーが笑顔で答える

「ふん。来週行く遠足の目的地をきめとったんや、黒板見てみ」





「勝負に勝ったけど最後にいいとこ持ってかれた……もしかしてこれが目的で」

「そや、わいの作戦勝ちってことや」


真弓は黒板に目をやり、少し不思議そうな表情をする

「大阪、新世界? すごいネーミングセンスね、どんなテーマパーク?」


ジョニーは胸をはり自慢気に

「テーマパークやあらへん、て新世界は町の名前や知らんのか、ええとこやぞ……ちなみにわいのリクエストや!」


自信満々の顔で親指を立てて答えるジョニーに、真弓は少し考え……体育テストでの彼の言動の真意に、ようやく気付いたのか目を丸くし声を上げる

「へえ、あんたの………って、まさかあんた、このために!」



ジョニーは真弓を小馬鹿にする様に笑いながら

「そや……今頃気付いたんかい! わざと挑発して負けてやったのを、勝ったとばかり満足げに寝とるあほの顔見ながらな……まったく笑いがとまりまへんわ」


真弓は悔しげに地団駄を踏みながら

「あんたみたいな馬鹿にだまされるなんて……あんたがリクエストしたって、まさか新世界って、いかがわしい所じゃないわよね?!」


 その言葉に怒りをとおり越し、呆れた様な表情のジョニー

「そんな訳あるかい! おこるでしかし! 新世界はな、簡単に言うたら大阪のシンボル通天閣があって、そこいらじゅうにビリケンさんのおるとこや」


 すると、真弓は急に笑顔になり、はねるような声でジョニーを指さしながら

「通天閣! 知ってる知ってる、雑誌で見たことある……でもビリケンのやつ、普段見ないと思ったら、そこに居るんだ」

「え?」

まるで知り合いのように話す真弓にジョニーが

「なんや、もしかしてビリケンさんと知り合いか?」

「もちろん。て、あいや」焦りだす真弓を優子がフォローする。

「私もビリケン様にお会いしたいです」

「僕も。それに大阪って小学校の修学旅行以来だから『街がどう変わってるか』今から楽しみだよ」

「同感や……て、もうこんな時間か。ほなそろそろ帰ろうか」


 ジョニーのごうれいで僕達は教室を出て。図書室へ寄らず帰道についた。

堤防を歩きながら、遠足の集合場所と時間を確認した……


午前六時に学校駐車場か、遅れないようにしないと! ……ああ、今からとても楽しみだよ……。



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