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お引越し(その五)(太郎)

話が途切れ『一息つこう』と座ったまま背伸びをした僕は、偶然目にした壁掛け時計に思わず声を上げる


「うそ、あの時計って合ってる?」

(五時半て『ポチの散歩』でもチャイムなんて聞こえなかった、ということは……)などと気を落ち着かせようとする僕へ、真弓が自慢気に追い打ちをかける。

「最新式の電波時計よ、あってるに決まってるじゃない」


「うそ」

口に手を当て、あからさまに焦りだすと……


「ごめんなさい。こんなにお作まで呼び止めてしまい……お詫び代わりに夕飯を食べていって下さい」

「そうしなよ、お姉ちゃんが作るご飯美味しいよ……なんなら家族の人にはあたしが説明して、謝ってあげるし」

頭を下げる優子と、場をとりつくろおうとする真弓。


「僕の方こそ、気をつかわせてごめん。『女子の手料理』なんて男子としてとても食べたいけど……ポチの散歩とか色々あって、無理なんだ……本当にごめん」


僕とジョニーはゆっくり立ち上がり「花子、帰るよ」と花子の肩に手をのせ

「僕こそ時間に過剰反応してごめん、女の子の手料理、、ポチの散歩とか色々あって、無理なんだ……本当にごめん」


 僕の言葉に、意外とあっさり真弓がため息まじりに納得する。

「ポチって、あのこの散歩じゃ仕方ないか……了解」

(『あのこ』だなんて会わせた事あたっけ、でも了解してくれた今しかない)


「花子、帰るぞ」

「え~」

肩を叩く僕にぐずる花子……とジョニーが助けぶねを出す

「そういやワイも六時ごろから見たいテレビあるんやった……花子ちゃん、ほら飴ちゃんあげるから一緒に帰ろか」


飴玉を受け取った花子が立ち上がる。

(兄の言葉が、飴玉に負けた)


 肩を落とす僕を『くすり』と笑う真弓。


「ではよろしければ、そこまで送らせて下さい」

「ありがとう」


僕の声にみんな「よっこらせ」と重そうに腰を上げ歩き出し……玄関口、しきりに靴箱の置き時計を見るなど、明らかに落ち着かない様子の真弓

「どろどろトライ、じゃなくって、あたしもちょっと」

「モジモジして。便所か?」

『ニヤリ』と笑うジョニー


「ううちが、そうよ!」


「……んと、じゃあ明日学校で」


一も二もなく回れ右をし走っていく真弓の背中をため息交じりに見る優子

「ばいばい」を言うタイミングを逃し、かるく手を上げ固まってる花子。


「ごめんなさい、真弓ったらわがままで」

「いや、トイレなら仕方ないよ」

「ははは、ほんまや我慢は体に毒やからな」


「そう言っていただけると」



「……お邪魔しました、それじゃまた教室で」「はい」

「あ、おじゃましました。お姉ちゃんまたね」「またね花子ちゃん」

「ええ運動させてもらいました。ほなさいなら」「とても助かりました。さようなら」

 恥ずかしそうにうつむきながらも、一人ちとりに言葉をかえす優子に見送られ

玄関を出るが……。


「送らせてください」と商店街のメイン通り……派手な柱(アーケード入り口)が見えてきた。


(もしかしてこのまま家まで付いてくる気か)

僕は、少し後ろでどこまでも見送りについて来る彼女の気持ちにどう言えば良いのか分からず、苦笑いしながら思いつくまま口を開く。


「いやぁさすがに、ここで大丈夫だから……それじゃあまた明日学校で」


手を振る僕に優子は、正面に来て立ち止まり、丁寧にお辞儀をし、手を振る

「はい、みなさん今日は本当にありがとうございました……さようなら」


「優子お姉ちゃん、ばいば~い!」

「さようなら……」

「ほな、さいなら」

 僕達は口々に優子に別れを言いながら家路へつき数分後……振り返り、彼女の姿が見えなくなったことを確認したジョニーが、辛抱していたであろう僕の肩を叩き早口に

「すまんけど、わい毎週録画しとるアニメ視たいから、ここらで」

「どろどろトライアングル、だっけ」

「そや」

「それわたしも時々視てる」

「ほんまか、てテレビや、ほなな、さいなら」


 

「うん、また明日」

「さようなら、ジョニーさん」


 しずみゆく夕日に向かって、幼女向けアニメを視るため、全速力で走る男子高校生。

(なるほど女子(クラスメイト)には見せられない姿だ)

消えていくジョニーの後ろ姿を眺めながら


(あぁそういえば、一週間と長いと思っていたゴールデンウイークもこれで全イベント終了か、あっという間でなんとなくものたいないきがする

でも明日から学校、再び日常をむかえるんだから気合を入れなおさないとね)


思いとは裏腹に僕は深いため息を漏らしていまった。

ワンワンワン! ワンワオ~ン

ウウ~ワウ、ワン

『て、ちょっと待つんだポチ君……後書きに協力したい気持ちは分かるけど、これだと単なる文字かせぎにしかならん』

クーン

『だから今回は、メガネ君(作者)が同時通訳しようじゃないか』

オウ~ワン

『おお、そいつは有り難いって。じゃあ始めようか』



ワンワンワン! ワンワオ~ン

『ながながと読んでいただき、ありがと~!』

ウウ~ワウ、ワン……ワンワワワン、ウウワンウワウウワウウ?

『私(ポチ)の出番が少ない。『山田太郎たちの恋物語・Boys Meets Girls?』』

ワウオオ~ン、ワワウォウ

『第十部『お引越し』』

ワンワク~ン……ウウ、ワンワワク~ン。ワン!

『いかがであった? もし気に入っていたたけたんなら。是非!』

ワンクワオ~ン。ワ、ワン、オオ~ウンワン

『ブックマーク ・ ま、一つでも評価をしたくれたら』

ワワワワワン! ウウ~ワオ~~~ン! ワンワンワン

『うれしい、もしかしたら私(ポチ)の出番が増えるかもしれない……よろしくお願いします』


ワワ。ウォウ

『by.ポチ』

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