表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/165

五十八話

 「あ……」

 トン、と真樹の顔に軽く男の胸があたり、鼻が痛くなる。

 「す、すみません!」

 ぺこりと腰を折ってから、視線をあげると――。

 驚いた顔をした一真がそこにいた。太陽の光が反射して眼鏡が光る。患者の服で身を包み、真樹を見下ろしている。

 「か、一真……」

 言葉が出てこなくなった。挨拶も違う気がしたし、大丈夫と聞くのも違和感がある。真樹の貧しいコミュニケーション能力は、真樹たちに気まずい間を作った。

 「真樹……」

 一真も動揺しているらしく、今までにないほど視線が泳いでいた。

 見れば、彼の右腕には包帯が巻かれており、首からつられていた。頭や、よく見れば左足も包帯で覆われている。どう見ても重症だった。いや、四階から飛び降りて、これだけで済んでましだったのかもしれない。

 「なんか、新鮮だな」

 「え?」

 声が裏返ってしまい、遅れて羞恥心が押し寄せた。

 「そ、そうかな? いつも通りだと思うけれど」

 「いや。お前よく転んで、その時は僕が手当てしたじゃん。いつもとは逆だから」

 「あ、なるほど」

 確かに子供の頃から怪我が絶えなかった。毎回のように一真に助けてもらったっけ。

 「とりあえず病室入ろうか?」

 左腕の親指を自分のベッドを向け、彼は引き返した。そんな一真の後姿を追い、真樹も恐る恐る病室に入った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ