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五十六話

 次の日、目を覚ました真樹は、隆幸へラインを送った。一真という協力者がいたこと。昨日飛び降りたこと。飛び降り現場が一年四組だったということ――。気分は相変わらずどんよりとしたままで、快晴の兆しは見せない。

 返事は五分もしないうちに来た。

 『時間あるなら、もう一度話さないか?』

 真樹は少し迷う。正直外に出たくはなかった。何をするのにも無気力な自分がいた。呼吸すらも億劫だ。されど、ひょっとしたらその情報が、状況を打開してくれるかもしれない。藁にも縋ったその考えは、真樹の体をベットから起こさせた。

 『私はいつでも大丈夫です。休校になったので』

 打ち込むと、すぐさま既読がついた。それを確認しつつ、自室を出、冷蔵庫に保管されていた目玉焼きを取り出した。

 『仕事があるから、夕方の五時に例のレストランで落ち合おう』

 『分かりました』

 既読がつくなり、スマホの電源を落とす。

 「一真……」

 メールを確認すると、おばさんから一件来ていた。治療は終わったらしいのだが、結局入院することになったという。お見舞いは可能だから来て欲しい、ということだった。

 「行くに決まっているじゃない、一真」

 見舞いできるほど回復してくれたことに、少し救われた気持ちになった。


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