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五十話

 呪いとの関連性は、無い根拠を探すのが難しいだろう。

 「意識はあった。だけど部外者は立ち入り禁止だ。早く帰りなさい」

 「一真はどこ病院に?」

 山岸は少し戸惑った態度を見せ、やがて近くの大きな病院の名を挙げた。ここから近い病院だ。

 お礼もそこそこに、真樹は再び走り出した。

 必死に体に鞭打って、真樹は校舎から離れる。歯を食いしばりすぎて歯茎に痛みが走る。

 病院は開業していた。自動ドアがゆっくりと開くのにもどかしく思いながら、真樹は病棟に入った。

 「真樹ちゃん!」

 聞き覚えのある甲高い声。見れば、一真の母親がいた。先ほどの朗らかな雰囲気はなく、げっそりとやつれている。目は真っ赤にはらし、今にも壊れてしまいそうだった。

 「おばさん!」

 駆け寄る。

 「ごめんねぇ、こんな夜更けに。うちの一真が」

 「一真は無事なんですか? 生きてるんですか!」

 「ええ……今緊急治療室にいるの。お父さんが一緒に行ってくれてるけど」

 ワッと泣き崩れるおばさん。そのままうずくまり肩を震わせる。自分の息子が自殺したショックは、幼馴染の真樹は推し量れない。

 「ごめんね、うちの一真が心配かけて」

 おばさんは平謝りだった。その姿を見てると本当に苦しくなる。自分の不用意な行動が一真を結果的に危険に合わせてしまった。罪の意識に押しつぶされそうだった。

 いっそ、狂ってしまいたかった。


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