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三十八話

 朝。学校に来てすぐに、真樹は一真の姿を探した。聞きたいことがあったのだ。

 しばらく彼の席の付近でうろうろしていたのだが、登校してくる時間になっても、一真はこなかった。一時間目のチャイムが鳴っても空席のまま。

 「あいつ……何やってるのよ」

 じれったさを覚えながら、真樹はこんこんと指で机をたたいてリズムを作る。

 授業中に安否を確認するメールを送ったのだが、返信はない。こういう時、一真がいれば注意されるのに。いつもの口煩さが欠けているせいか、張り合いがなく、どこか物寂しくなる。せめて大丈夫だよとか一言でも返してほしい。……まあ彼がラインとかをすることは滅多にないから、責められるものではないのだけれど。

 ホームルーム中、先生からは『風邪をひいたため欠席です』の一言で終わった。

 「風邪、か」

 一真は少し体が弱く、よく体調を崩す。一連の出来事のせいで、やけに神経質になってしまっているのだ。心配していた自分に笑いがこみ上げる。

 後であいつの家にお邪魔しようかな。

 そう思いながら、真樹は一日の授業を乗り切った。心なしか、とても長く、つまらなかった。


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