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三十七話

 やばい! 助けてくれ! 今家にいる! 外に如月が来てる!

 突然冷静さを失った発言とともに、他のメンバーの介入も無視し、ひたすら発言を重ねている。

 扉めっちゃたたかれてる! やばい! 殺される! あいつがいる!

 今自室にこもってる! 扉が開いた音がした! 助けてくれ!

 すまなかった如月! 俺が悪かった! 見逃してくれ。

 自室の扉をガンガンたたかれてる! 鍵が外れる!

 助けtjkl;

 

 ここで返答は途切れ、その後のスレで彼が自室でショック死したという話題が上った。

 「なんだよこれ。ありえないだろ」

 こんな短期間で、主犯の三人が死んだのだ。普通じゃない。特に保坂はリアルタイムでショック死している。全身に汗が流れるような不気味さが、このスレッドに漂っていた。

 驚きで喋れなくなった隆幸に、注文品を平らげた晴人は、追い打ちの一言をかけた。

 「驚いたことによ、その如月が自殺した教室が二年一組だったんだ」


 読み進めていくと、主犯ではない人間にも不幸があったことが分かった。二人は発狂、一人が行方不明、事故には大小問わず八人。

 トイレに行くという晴人と別れ、隆幸は一人部署に戻る。

 「どういうことなんだ?」

 自席につくも、仕事は手につくはずもなく。誰もいない部屋で小さくため息を漏らした。

 本質は、いじめで自殺した霊が呪いをかけているということか。二十八年前のニュース記事に載っていた、眼鏡の女子生徒を思い出す。

 だけど、なら少しおかしい。

 真樹があった霊は首をつっていた。それは分かる。スレッドにも首吊りだという表現があったから。

 だけど、写真に映っていた女性の髪の長さ。

 真樹があったという少女はばさばさの長い髪だった。だけど、写真に映っていた被害者児童の髪は――。

 「短髪、だよな。どうみても」

長髪とは形容しがたい。それに真樹があった霊は、聞く限りでは眼鏡をかけていない。これはどういうことなのだろうか。


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