表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/165

三十九話

 帰り道からはずれ、工事現場がある場所とは真反対の一真の家へと赴く。いつもより頭上に注意を払うのは仕方がない。空は快晴で、人通りもかなり多い。通学バックには彼の分のプリントも入っている。

 「大丈夫かな」

 風邪ならそんな重症化することはないだろうが。

 角を曲がった途端、木枯らしが真樹の体を通り過ぎた。遅れてブルリと反射的に震えた。

 「もうこんな季節か」

 独り言をつぶやきながら、真樹は一真の家へ急いだ。

 彼の家は印象に残りにくい一軒家だった。小奇麗な白を主としたデザインの、二階建て。二階の端に位置する一真の部屋の窓には、カーテンで外と仕切られている。寝ているのだろうか。

 小さな庭に入り、ポストに貼り付けられたインターホンを鳴らす。ピンポーンとひときわ高い音がした。

 数秒ほどして、はい、という女性の声がした。一真の母親だ。

 「えっと、こんにちは! 西条真樹です。今日のプリントを届けに来ました!」

 「ああ、真樹ちゃん! どうぞ上がって上がって!」

 明快な声とともに、玄関の扉が開放された。

 家に入ると、ヒノキの匂いがふわりと真樹の鼻孔を刺激した。いい匂いだ。

 「一真~! 真樹ちゃんが来てくれたわよ!」

 おばさんが声を張り上げると、二階からわかった~と返ってきた。意外と声の芯はしっかりしていた。やっぱり心配するまでじゃなかった。

 「ごめんね、うちの一真が」

 「いえ。突然おじゃましてすみません」

 ぺこりと頭を下げてから、真樹は早速おばさんから一真の自室へと通された。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ