三十五話
「マジで会えたのかよ、お前」
真樹にあった次日、晴人と隆幸はレストランで食事をとっていた。
「ああ。西条真樹という女子生徒。偶然助けた子だった」
晴人の口元がびくついた。隆幸と同様、真樹という名に反応したようだ。
「なんて偶然だよ、ホント」
晴人はオールバックを掻き上げて、苦々しい表情を浮かべた。それだけではない。保高桐葉やヨコセという言葉の意味、隆幸と楓を襲う悪夢。結局解決してない。
だが一つ分かったことがある。隆幸が初めて悪夢を見た日と真樹が怪異に見舞われた日付がかなり近いのだ。
おそらくだが、真樹が呪いを受け、さらに隆幸に飛び火したか……。
福田先生も真樹の言うとおり、何かを知っている気がする。資料室のこともそうだ。むろん、隆幸と同様晴人も世話になってるため、伏せてはおくが。
「東山高校の唯一の怪談がここまで膨れ上がるとはな。正直、お手上げだよ」
「唯一、というわけじゃねーぜ」
晴人が頬杖を突き、わずかに目を細めた。
「なんだ?」
「お前、学校裏掲示板って知ってるか?」
「裏掲示板? なんだそれ」
聞いたことがない。そんな隆幸に、晴人はスマホを立ち上げ、あるサイトを見せてきた。
『赤門高校裏サイト』
黒一色の不愛想なフォントとともに、二チャンネルのような書き込みが続く。スレは千に到達していた。
「そう言うやつがあるんだよ。二〇〇八年では三万八千ほど存在してる。赤門高校も無論」
「それがどうしたんだよ」
「二八年前、自殺者が出た当時の書き込みが残ってる。その時にも変なことがあったらしい」
画面を思い切りスクロールし、一気に六百スレまでとんだ。




