十四話(Ⅱ)
ネットとは便利である。まさか東山高校の噂話まで記載されているとは。調べると出てくること出てくること。コンピュータ室は冷房を利かせてるため、肘までのワイシャツ姿では薄ら寒い。
「やっぱり霊障があるという報告はないよ。教室に入って何かしら異変を感じるだけ」
「つまりお前の周辺にあるそれは異常ということか」
横では一真が課題をバリバリ進めている。人気のない教室で、二人はあの噂についてアプローチをかけていた。やりたくてやっているわけではない。ただ、なぜこんなことになっているかを理解すれば、解決の糸口が見えるかと踏んだのだ。少なくとも何もしないより建設的だと、一真が提案したのだ。
「ごめんね、一真。私のせいで変なのにまきこんじゃって」
「いいよ。お前があほやらかすのはいつものことだからね」
優しいフォローに、真樹の口元が緩んでしまう。
「それに、個人的にも興味があるからね。包丁の件といい手紙の件といい、どこか噂を逸脱するレベルで凶悪になってきている」
それは真樹も思うところだった。特に出刃包丁が飛んできたことは、今でも夢に見る。
「……でも、やめていいからね、一真。もし危なくなったら絶対に逃げてね」
それが一番恐れている事態だった。真樹だけならいい。自業自得なのだから。だけど一真にもそれが及んでしまうことを、真樹は極度に恐れていた。




