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百九話

 「これか? 現在発動しているのは」

 「うん! とりあえず見てみよう」

 真樹はスマホを取り出そうとポケットをごそごそとしていたが、引っかかって出てこない。

 見かねた隆幸がスマホを起動し、ライトを貸してくれた。

 「ほら。早く読んでくれ」

 「ありがとう、御堂さん」

 隆幸の気遣いに、真樹は心底感謝した。


 ――過去転生を行う方法――

 この呪術は現実世界から一時的に異次元へと場所を切り取る物である。

 まず一つは東西南北に自分の血で五芒星を描く。方角がぴったりと十字になるように書くのが好ましい。赤い月がない限りこの呪術は発動しない。場所は事故、自殺など不吉なことがあった場所でなければならない。

 中央には時刻をかいた紙を設置する。これは自分の胸からの血液でなければならない。その時刻になるまでこの空間は打ち壊されることなく完全に現実と隔離されるようになる。

 なおこの呪術を行った場合、その場で事故・自殺で亡くなった者を活性化させる。利用するときは気をつけるべし。最後にこの呪術内にいる人間が死亡した場合、その人は現実世界から抹消される。


 何度も文章を繰り返して読んだけれど、解除については明言されていなかった。桐葉の言うとおり、十二時まで何が何でも呪術は継続されるのだ。

 少なくとも、理科室にあった五芒星が落書きじゃなく、桐葉が書いたことは間違いないだろう。理科室は南側にあった。儀式の一角として書かれたのは確実だ。


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