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百五話
一体、何が起こってるの。
真樹の疑問は宙に掻き消える。
知っているようでいて知らない廊下を、真樹ら三人は歩いていた。隆幸は先頭を切ってナイフを握って進んでいく。頼もしい背中が、一真とダブった。
先程は自分を取り巻いている環境をどこか実感を持てずにいた。しかし先ほどの激闘と、命を狙われた体験が、無情にもこれが現実だと突きつけてきていた。
「誰もいないな」
桐葉がいるであろう三階を越え、真樹は四階へ立った。四階は教室と隣接したホワイエがある。だだっ広いため見晴らしがよく、不審点があってもすぐ分かる。
こちらも地面にはひびが入っており、荒廃した雰囲気をまとっている。
「不気味なほど静かだな」
独りごちる隆幸は、振り返るなり話を切り出す。
「二手に分かれよう。ホワイエで見張りと教室を巡る役だ。もし保高が近付いたら知らせるようにしないと」
「分かった。俺が外を見張っていよう」
真っ先に福田先生が言う。相変わらず厳しい表情のままだ。全員の前で命を狙うと宣言されたのだ、当然の反応だ。どうして狙われているかは分からないが。
「了解。俺たちは四階の教室を確認してきます。……気を付けてください」
隆幸がへたくそな笑顔を作って見せた。




