哲也の疑問
凛の誕生日は11月だ。元々12月の予定だったのが、随分と早まって小さく生まれたと聞いた。
「だから、おれってチビなのかな」
「凛ちゃん標準より低いもんな。140センチ?」
「バカにすんな、150あるわ」
哲也も身長は大差ない。まだ14歳だし、そのうち伸びると信じていた。
「理玖先輩は?」
「理玖は178くらい。もうちょっとあるのかも」
「あーあーだからあの身長差なのか。軽々抱っこされそうだもんな」
「するよ」
さらっと凛が言うので、哲也は「へ?」と言って固まった。
「いつそんな機会あんの」
凛は少し考えるような顔をして、当たり前のように言った。
「家の中とか。理玖が機嫌良かったら勝手に運ばれる」
「それ親何も言わんの…?」
「うち両親遅いから家にいないよ」
「えっそうなんだ。今度泊まりに行っていい?」
「だめ」と、凛は即答する。
「けち」
「親が夜いないって話したら、泊まりたいって言うやついるだろうから、そういう時は駄目って言えって。理玖が」
「発言が親じゃん」
「親からの信頼は昔から理玖のが厚い」
「ちなみになんだけど…お風呂とかいつまで一緒に入ってた?」
哲也は周囲を気にして小声で聞いた。
「え? 今でも入るよ。おれ、頭洗うの下手だから」
「そんな気がしてた…」
哲也は凛をまじまじと見ながら、凛ちゃんの兄弟の距離感がぶっ壊れてるのは理玖先輩のせいなのでは、と思ったが黙っておくことにした。




