父親の責任
無傷のモル。
ただ眺めるラリマーと、車を運転していた琥珀。三人が、遂に出会ってしまった。
「説明して貰うぞ 何が起こっている?」
「わからない…」
「全部 お前の所為か?」
「わからない……」
「全部……『俺』の所為か?」
弱っているラリマーにひたすら問う琥珀。それをモルが許すわけも無く、飛び蹴りを喰らわせる。
「そうだよ!全部お前の所為だ!!ラリマーは何も悪くない!!」
「お前何なんだよ!!!」
琥珀は激昂する。例え自分が根源だとしても、ラリマーの存在が招いていたとしても、
「お前が……お前がコイツに『名前』を付けなければ!!!」
違う、そうじゃない。
でも、琥珀からしたらそうなのかもしれない。
「俺は……どうしたら……!」
地面を殴る。既に起きた事態を嘆いても何も変わらないのは分かってる。どうすれば責任を取れるのか、どうしたら解決が出来るのか、誰かこの状況をなんとかしてくれる「ヒーロー」は居ないものか。泣きながら必死に考えた。
「……パパ」
か細いラリマーの声が耳に届く。顔を上げると、愛すべき娘の存在……ではなく「モル」が怒りの表情で見下ろしていた。
「ラリマーのお父さん……いえ ボクの『お父さん』」
そうか、コイツもクラフトの一つ。俺が作り出した食糧「だったもの」じゃないか。
「僕は…どうすればいいんですか…?」
「は…?」
「ラリマーを救いたい でもラリマーを悲しませたくない」
モルは膝から崩れ落ちる。
「そしたら……他のボク達が……暴れ出して……!」
コイツは…なんだ?
「あなたを殺せば…終わりますか…?」
俺の首に手をかけるモル。その力は弱々しいようで、段々と力がこもっていくと同時にモルの表情も変わっていった。
潰れて、ちぎれてしまいそうな程の力。俺は、モルとラリマーを交互に見ながら、後悔をした。
「エメ……ラリマー……ごめんな……」
泣きながら、俺に手をかけているモルを見つめる。
「モル……ありがとう……」
モルは咄嗟に手を離した。
だが、琥珀はもう、動かなくなっていた。




