父親
不可解な物体を入手した。最近探偵業で名を馳せている団体のペットの一部だ。ペットかどうかは怪しいが、見えている限りは「動く肉塊」。分離までしてそれぞれが意思のあるように動く。その一部をなんとか入手して、無事に培養まで成功した。
カインも喜んでたな。「コレで夢が叶う!」って。早速何体かの非検体を持ち帰って以降、音沙汰無くなってしまったけど。
とりあえず俺の目的を果たしてしまおう。親友に逃げられたのを悔いるのはそれからだ。
モル「僕みたいに会話する個体って他に居なかったの?」
ラリマー「興味なかったし 食糧に同情してたら生きていけないってパパが」
モル「そこまでして生きたいんだ」
ラリマー「…? 生きたい事に悩む事あるの?」
モル「『クラフト』達の気持ちを考えたことは?」
ラリマー「……今日のモル イジワル」
モル「ごめんって 話を変えよっか」
いつの間にか「ラリマー」と呼ばれていた娘は無事に成長した。「クラフト」と命名した培養食糧も大量に用意してある。
……安泰だ。そろそろ父としてアイツの前に出るとするか。見た目も変わらぬ七歳なのだから、学校に通わせるのはどうだろう。俺の買ったランドセルは気に入ってくれるだろうか。
久しく会うのに覚悟の準備を進めていた。嫌われたっていい、「殺された」っていい。七年の歳月は、目的を見失うのに十分だった。俺は……ラリマーをどうしたいんだ?
「コレが父親になるってことか」
慣れないタバコを大きく吸って咽せる。幸せは、もうすぐそこに…。




