第二章第0話
町のざわめき。
節度のある、慎ましいざわめき。
そんな中で寄り添いながら夕飯の買い物をしている
少年と少女。
-幸せだった
-憎らしかった
やがて町には火が灯る。
そんな中を必死に走り抜ける
少年と少女。
-絶望しかなかった
-愉悦
少年の名前を呼び続け、
やがて息絶える少女。
少女の肩を抱き、
彼女の名前を謳いながら
泣き叫ぶ少年。
-何もかも、壊れた
-満たされた
何もかもを許せなかった、
何も信じられなくなった。
けれど、一番許せなかったのは、
信じられなくなったのは自分自身だった。
それは今も変わらない。
そんな少年に救いの手を差し伸べた。
望み通り、
赦せない自分自身を罰することができるという
救いを。
面白いくらいに少年はその手を握り返した。
-愉悦
失うものは何もない、何も恐れるものはない。
けれど何かを得ることもない。
少女を失い、己を罰し、
己を裁くつもりだった少年は
生き続けた。
赦されない。
魂が消える。
…赦されない。
また、一つ、二つ、三つと
魂が喰われていく。
-僕は、赦されない。
赦されることなく、
罪の精算も叶わず新しい罪を重ねていく。
ああ、これが、
罰か。
いつものように目の前に『ある』だけの存在を斬った。
うん!これは極上だ!
守ろうとする意志、それがとんでもなく旨い!
今まで喰った中でも、
これは本当に最上級のご馳走だったよ、クリス!!
視線を動かすと、
泣き崩れている少女がいた。
恐らく、肉親で『あった』肉塊に手を差し伸べ、
叫び続けている。
気が付けば頬を伝う涙を拭っていた。
いつ以来か分からない。
とてつもなく昔のことのように思えた。
-守りたい
-失望
闇夜-記憶-に浮かぶ、二つの影。
重なる瞬間、触れ合う永遠を待ち焦がれている。
ECLIPCE BLADE第二章
第0話「INVOKE」




