第二話
「……」
「……」
一旦休憩をする事にしたのだが、アリアとキュリオス王子は二人で「うーん」と頭をひねっていた。
先ほどまでは「的当て」を行って素晴らしいノーコンぶりが問題だったが、違う形式で魔法の実技を行った場合はなぜか指定された魔法よりも魔法を小さく発動してしまう。
つまり、このままでは上位クラスに入るのはほぼ不可能だ。
「うーん。的当ての時ノーコンに見えたのは……」
「多分。的を当てる事に意識を向けていたからでしょう」
「え? それってつまり……どういう事なのかしら?」
当の本人であるクローズは「言っている意味がよく分からない」といった様子で目をパチクリとさせている。
「つまり、意識を向けるとクローズ令嬢は余計な力が入ってしまって事なんだと思う」
「はい。意識をしてしまうが故に……とでも言いましょうか」
本来であればそれは「普通の事」なのだが、事魔法においては「冷静さ」が重要なために「肩に力が入り過ぎてしまう」というのはマイナスでしかない。
「ど、どうすれば……」
クローズは「成すすべがない」と言わんばかりに肩を落としていたが、アリアは「それならば話はまだ簡単かも知れない」と思っていた。
要するにこの原因は「クローズの魔力が強すぎるがためにこういった事が起きてしまう」というワケだ。
普通、こういった場合は購買の商品を買って何とかするらしいのだが、実はクローズは既に購入していた。
――つまり、コレを使っても魔力が強すぎるが故に上手くコントロールが出来ないというワケだ。
それに関しては「さすがは公爵令嬢」とでも言うべきか。
「うーん。ここはやっぱり肩に力が入らないくらい魔法が使える様になるまで魔法の練習をする……というのが一番かな」
「そう……ですね。結局地道なのが近道と言いますか……」
購買の商品を使っている生徒たちは一見すると魔法を使えている様に見えているけど、実は「使えている様に見えているだけ」で、本当の意味では出来ていないとワケだ。
多分、学校を卒業した人たちの中でも杖やホウキを支給品にしたら上手く出来ないという人は結構いるのではないだろうか。
要するに購買の性能の高い道具によってその人たちは魔法を使えているだけに過ぎないのだ。
それを踏まえて考えると、確かに得られる経験値が減るのも納得出来てしまう。なぜなら道具に頼り切ってしまっているのだから。
「地道なのだが近道……なるほど」
しかし、時間はあまりない。本来であれば「地道にコツコツと練習する」という事がなんだかんだ一番効率がいいのではあるが……。
「的当てに限らず簡単な魔法からコツコツと難易度を上げていく……当てはなくてはと考えるよりも的の赤い部分に魔法を置くイメージで……と言えばいいのでしょうか」
「とにかく意識せずに魔法を使えるようになるのが魔法上達の近道って事になるね。クローズ令嬢は……まだ魔法を使う時に身構えているところがあるみたいだから」
「……」
キュリオス王子がそう指摘すると、クローズは何やら「痛いところをつかれた」といった様な表情を見せた。




