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ゲームで伝説の鍛冶師だった、元アラフォーおっさんの異世界転移奮闘記  作者: Maya
第一幕 第一章:そして始まる異世界生活
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新しい仲間達

ブックマーク励みになります、ありがとうございます。

次話です。

お楽しみください。

宿屋への帰り道。


そう、それは突然だった。

北通りを進んでいると突然、空から黒装束の人間が落ちて来た。

危ないなと思ってアリスを庇っていると、その人物はちゃんと着地したようだ。

しかし、隠していたであろう布が取れて顔が見えている。


「っく、油断した。」


女の人の声だ。

どうしたんだろうと思ってしばらく観察する。

黒い服を全体に着ていて夜に溶け込むようにしている。

その姿を見て何処かの国の隠密だろうか?

時代劇の忍者のような恰好だったのだ。


勝手ながら俺はそう思う。


黒髪を後ろで纏めていて顔も見える。

左まぶたの上に傷跡はあるが美人さんだ。

暗闇なので、残念だがそれ以上は確認が取れない。


俺と目が合う。


ハッとしてから顔を隠す。

顔を隠しながらきつい目つきで俺を見る。


「貴様、今、顔を見たな?」


と、問答無用で斬りかかってきた。

アリスがいるので迷わず迎撃をする。

腰からダガーを抜き相手の武器を受ける。


ん?

この武器小太刀か?

少し打ち合う。

おお、結構やれるね俺。

さすがチートスキルなだけはある。


それを見ていたアリスが「ヘファさん!」と叫んでいる。

大丈夫だよ、アリスと思っていると、衛兵が呼子を鳴らして近づいてくる。


「こっちだ!こちらにいたぞ!!」


「逃がすなっ!」


声がだんだん近づいてくる。

不利を悟ったのか真っ黒な装束の女の子が「っち」と言って煙玉を使う。


「貴様、次は必ず消してやるからな!」


白い煙の中、そう言って気配が遠ざかっていった。

物騒な事を言っていなくなっちゃったぞ?

うーん、なんか面倒事に巻き込まれたかな?


衛兵が近づいてくるがこれ以上面倒事に巻き込まれたくないので、アリスを抱えるとその場を後にするのだった。


しばらくアリスを抱えて走る。

どうやら衛兵は撒けたようだ。

落ち着いた所でアリスを降ろす。

アリスは終始笑顔だった。


「楽しかったのですー!」


とか言っている。

肝のすわった子なのかな?

いや、何がおこっていたのか分からなかったのだろう。


【そうかー、楽しかったかー。】


と、アリスの頭を撫でる。

しばらく話しながら北通りを歩く。

この子が騒動に巻き込まれなければいいんだけれど。

そう『アリステリア様』に祈っておいた。


問題はあったが、宿屋にたどり着いた。


先程も来たが、ここはルイスちゃんのお勧めの宿である。


【アリスさんや?さっきの事は皆には内緒だよ?。】


「はいなのですー!」


そう約束してアリスに同意を求めてから、扉を開けて中に入ると部屋の中は暖かかった。

窓の方を見ると薪ストーブがあったのでこれが暖を取らせてくれているのだろう。


食堂のテーブルに視線を移すとルイスと三人の子供を見つけた。


晩飯時なのでガヤガヤと喧騒がしている。

他のテーブルも何か所か埋まっているようだ。

そう言えば入り口の看板に満室という札が張ってあったな。


商売繁盛でなによりだ。


厨房の方から、良い匂いが漂ってきている。

そういえば腹が減ったな。

タイミング良くアリスのお腹が「ぐ~」っと鳴る。


【もうちょっと我慢してね。】


「は、はいなのです!」


【良い子だね、アリス。】


そう言いつつ視線を戻す。


ルイスの周りにいる子達が話にあった三人のメンバーなのだろう。

見るとテーブル席で六人掛けなので人数的にはちょうど良い。


【やあ、皆さん、こんばんは。】


手を振りながらアリスと近づいて行く。


「「「こ、こんばんはー。」」」


良かった、挨拶が帰って来た。


「お疲れ様アリス。ヘファイス・・・アンタもね。」


と、微笑んでいるのは十六歳の生徒会長のルイス。

生徒会長は、俺の独断と偏見だけどね。

先程とは別人のように気安くなっている。

嬉しい限りだ。


「寒い中、帰って来た所に悪いんだけど、先に紹介するわね。まずは・・・。」


「はーい!」


と、元気な声を上げたのは緑髪を後ろでリボンに纏めてポニーテールにしている女の子。

緑が地毛とはさすがファンタジー。

綺麗な赤い目をしている。

身長は150cm上ぐらいかな。

元気良く立ち上がって自己紹介をして来る。


「『リズベット』です!『リズ』って呼んでね。人間の十四歳、恋人募集中です!」⦅チラッ⦆


なんか俺を見てポーズを決めているんだが・・・。

視線を感じるが俺はロリコンじゃない。

頑張れよ、リズベット。

今はペッタンコでもあと五年ぐらい経ったら大きくなって成熟しているだろうか?


おっと話がそれた。


【よろしくね、リズ。】


「こちらこそ!」


握手をする。

手を放すと話し始める。


【リズは今まで、どんな仕事をやってたんだい?】


「マオと狩りですね!」


ほほう、狩りとな?

おじさん興味出て来たな。


【この辺りだと何が捕れるの?】


「ウサギを追いかけるのが精一杯ですよ。弓でバビューンとね!」


リズは身振り手振りで教えてくれる。

さすが元気っ子。


【成程、兎は逃げ足が速いだろうから大変だろうに、危険は無いのかな?】


「狼が来るのを感じたら全力で逃げてるの!」


【安全が一番なんだから、気を付けてね。】


「はい!」


リズは手を上げて元気に答えると席に座る。

ちょっと心配になって来た。

狼と言えば『ティンバー・ウルフ』か『グラス・ウルフ』辺りかな?

あのたぐいはあまり強くなかったイメージがあるんだけどな。

だが、この子達には危ないのだろうから注意して欲しいものだ。


「そう言う訳で『リーダー』さん、何をすれば良いか教えてね!」


と、リズが言う。

ん?

リーダー?


【え?俺がリーダーで良いの?ルイスさんがやるんじゃないの?】


と、ルイスの方を向く。

最年長はルイスだからね。


「その方が都合が良いのよ。商業ギルドの登録をしてるのがアタシとアンタだけだもの。しかもほとんどアンタが作ったりするんでしょう?当然の権利だと思うけど?ふふっ。」


ルイスがニヤリと不敵に笑う。

この子押し付けてきやがった・・・まあ仕方がない。


【んっ、では、リーダーを務めます『ヘファイストス』です。『ヘファ』って気楽に呼んでくれると嬉しいな。当面の宿代と御飯代は俺が持つから安心してね。後は聞いてると思うけれど、頑張った子には給金が出ますのでよろしくね。】


「「「はーい!」」」


「ヘファイストス、ありがとうね。」


皆から元気な返事が返ってくる。

まぁ宿代なんかは必要経費だよね。

とか思っていると、ルイスが促して来る。


「落ち着いた所で次の人ね。」


その声を聞いた人物が静かに立ち上がって自己紹介をしだす。


「『ベアトリクス』です。『ベス』と・・・呼んで下さい。人間の十三歳です・・・。仕事は主に採取をやってました・・・。本が好きです。よろしくお願いします・・・。」


【こちらこそ、よろしくね。】


ボソボソっと喋るこの子は黒髪のロングで後ろ髪に髪飾りを着けている。

前髪で目が隠れていて顔が良く見えない。

身長は140cm上ぐらいかな?


リズと同じように握手をする。

すると安心したのかな?

ボソボソとだが話し始めてくれた。


「私はルイス姉と一緒に・・・採取と・・・物売りを・・・してました・・・。」


【採取か・・・と、言う事は秘薬とかを取っていたの?】


「はい・・・門のすぐ近くで取れるので・・・遠出しなくても済みますので・・・。」


【秘薬は重要になるから、これからもよろしくね。本が好きなのか。文字の読み書きは出来るのかな?】


ちょっと顔が肯くように動いた。


「はい・・・。」


読み書きが出来るなら露店をする時は即戦力じゃないか。

後は・・・コミュ力かな?

ジーっと見ていると、恥ずかしいのだろうか頬っぺたを赤くして俺から視線を外すように椅子に座る。

で、最後の人物がこれまた元気に立ち上がって自己紹介をして来る。


「『マオ』です。十二歳の獣人で猫人です。よろしくお願いします!」


【マオとは君の事か、こちらこそよろしくね。あれ?・・・十二歳!?】


「獣人は人間と違って青年期が長いです!」


【その言い方だと子供の時が少ないのかな?】


「そうです。十二歳を過ぎると、これ以上身体は成長しないです。」


成程ね、十二歳で成長限界が分かるのか。

嬉しいやらなんやら・・・。

マオさんは美乳さんっと。


握手を交わす。


銀髪ショートな元気っ子だ。

身長は160cmぐらいかな?

ショートヘアが似合うけれども頭から二つの耳が出ている。

猫科の獣人の特徴なのだろうか?

腰の辺りから八十cm程の尻尾が出ている。


しかし、この体型で十二歳?

結構、大きいよね?

身体の成長と教育は付いて来ているのだろうか?

でも、綺麗な体をしているね。


おっと戻れ、戻って来い、俺。


【仕事は何をしてたの?】


「リズ姉と一緒に狩りをしてました!」


【おお、成程ね。】


そう言えば、リズがそう言ってたなと思い出す。


「はい、アタシには狼とかの足音を聞き分ける耳があるので!」


そう言って頭の耳を指さす。

ピクピク動いている。

そういえば獣人だからとかで差別はされないのだろうか?


【頼りになるね。ただ、慢心しないで危ないと思ったらすぐに逃げる事!】


「了解であります!」


そして椅子に座る。

アリス、ルイス、リズ、ベス、マオ。

五人全員女の子か、よく女の子達だけでやりくりしてたな。

・・・実はルイスって統率力すごいんじゃね?


【宿屋は三部屋とってあるから各二名で使ってね。組み合わせは適当に決めてくれるかな?俺はアリスと寝るよ。】


「わーい!ヘファさんと一緒なのですー!」


アリスが小躍りして喜ぶ。


「お兄さんとは、アタシが寝たかったなー・・・。」


と、リズが色目を使って来るが、軽く受け流す。


【まだ早いですね、却下です。】


即答するとリズが「ぐぬぬぬ。」と悔しがっている。

せめて、成人年齢になったら考えようかね。

それまでに育っていますように・・・。


いい加減戻ろうか。


【それと部屋は十日は借りてあるので、君達の自由に使ってほしい。業績次第で泊まるのを伸ばすか仮店舗に引っ越しするかもしれないから、皆で頑張ろう!】


「「「はーい!」」」


皆のやる気が窺える元気の良い返事だ。

俺は簡単に自己紹介をする。

三人は初対面だから改めてね。


これから一緒に頑張って行く仲間だからね。

最初から気負いすぎないようにと言って話を締めくくった。

さて自己紹介が終わったのでそろそろ皆の腹も限界だろう。

料理を頼もうか。

各員にメニューを見せる。


「アタシ、字は読めないわよ?」


「私も読めないです。」


メニューを広げているリズとマオがそう言ってくる。

アリスは読めないだろうしな。

案の定、ルイスに読んでもらっていた。


ふむふむ、読み書きが出来ない子が三人か。


と、言う事で昼とは違う店だけれども、夜もオススメを六人分頼んでみた。


【字を『読み書き』する事と、基礎となる『算術』は最低限必要だから皆に覚えてもらおうと思います。】


「「「えー!勉強するのー!?」」」


勉強嫌いだろうの子、リズ、マオ、アリスの三人から不満の声が上がる。


【先生はルイスさんに頼むよ、俺は甘やかしちゃうからね。】


「分かったわ。」


談笑していると料理が来た。


「今日は寒いし牛の良い所が入ったから牛肉のシチューだよ!」


女将さんの威勢の良い声が響く。

各自の目の前に料理が並んでいく。

ビーフシチューといっても茶色くない薄い白い色をした物だった。

皆の顔が嬉しさで満面の笑みになる。


「付け添えは黒パンとサラダだよ!シチューと黒パンはお代わりがあるからね!食い倒しな!」


威勢の良い女将さんに多めに銅貨を渡す。


「まいど!」


そう言って女将さんが厨房に戻って行く。


「待ちきれないよー!」


リズが言う。


「こんな料理久しぶりね・・・。」


ベスが微笑んでいるようだ。


「お・・・美味しい、ゴクッ、ですか?」


きっと、皆、初めての料理で味の想像が出来ないのだろう。

ジーっと料理を見ている。

マオさん、よだれが垂れそうだよ?


「ゴクリッ、なのです!」


アリスさんは涎を飲み込んでおられるので、さっさと食べさせましょうか。

ルイスが皆を促す。


「お腹が鳴る前に食べましょう。」


引き続いて俺が言う。


【では、いただきます!】


俺がそう言うと皆が首をかしげる。


「「「いただきます?」」」


リズ、ベス、マオ、アリスから疑問がでる。

アリスさんには説明しましたよね?


【ああ、これは俺の故郷で「大地などのお恵みに感謝して食事をします、神様、毎日の糧をありがとうございます。」っていう事なんだ。】


「お兄さんの所の言葉なのね!」


「成程です・・・。」


「分かりましたー!」


「分かったのですー!」


と、四人が言っている。


【では改めて、「いただきます!」】


「「「いただきまーす!」」」


皆が元気に言ってくれる。

少しくすぐったいな。

と、俺は笑顔になる。


牛肉のシチューは皆に好評だった。

黒パンを付けて食べたりしている子もいれば、シチューをしっかり味わっている子もいる。


「ねー、お兄さん、お兄さん!これ美味しいね!」


そう言えば、リズの呼び方がお兄さんになっている。

それだけ懐いてくれたのだろうか?


「美味しい!美味しい!美味しい!」


アリスはモグモグと頬張ってハムスターになっているし・・・。

ベスはモゴモゴと食べながら「牛肉って柔らかいのね。」と感想を言っていた。

マオは美味しさのあまりだろうか?

泣きながら食べていた。


あ、そうだ。


【お姉さんー!】


はーい!

と、返事がすると給仕のお姉さんがやってきた。

食事の終わるころに各部屋にお湯の入った桶を二個ずつ頼んでおいた。

計六桶で銅貨六枚で頼めた。


風呂は貴族様の屋敷にしか無いらしいので、せめてお湯で体を拭いてもらおうと思って頼んでおいた。


隣で落ち着いて食べているルイスにタオルと石鹸を皮袋に入れて人数分渡しておく。

袋を確認していると石鹸を確認したのかルイスが慌てて聞いて来た。


「そ・・・そんなに匂う!?」


ルイスが慌てて体の匂いを嗅ぐと、真似をして他の皆が体の匂いを「クンクン」と嗅いでいた。


【俺は気にしないけれども、他のお客さんには汚れているとか言われたくないだろう?それにさっぱりして寝ると気持ち良いんだよ?】


「わ、分かったわ。ちゃんと綺麗にするわね!」


そう言っているルイスの顔にも煤だろう物が付いている。

全員が慌てて肯く。

気にする所を見るとやっぱり女の子なんだよね。

会っている時間は少ないけど親しくなってきた感じがすると思う。

嬉しくて顔がニヤニヤする。


そうか、これが『家族団欒』ってヤツなんだよな。

今、俺はすごく幸せだと思う。

この家族という感覚は前世では長い間無かったからね。

皆が食べ終わるまで待ってから。


【ごちそうさまでした。】


それぞれが真似をして復唱する。


「「「ごちそうさまでした!」」」


そして食事は終わった。

食事が終わる頃には、アリスが船を漕いでいた。


「アリス、寝る前に体を拭っておかないと駄目ですからね?」


「にゅー、がんばるのですー。」


・・・最初に会ったイメージと全然違うね、アリス。

そんなアリスを見て微笑んでいる。


「それではアリスを拭って来るわね。」


【お願いね。】


ルイスはそう言うとアリスをおんぶして割り当てられた部屋に運んで行く。


【皆も体を拭って気持ち良くなって、明日に備えようね。】


俺が言うと残っている皆から「「「はーい!」」」と元気な声が聞こえた。

各々部屋に移動していく。


俺も部屋に行き、準備された結構大きめな桶のお湯で体の汗を拭う。

桶の大きさは女将さんのサービスだろうか?

だとしたら良い宿に泊まれたね。


湯桶が二個あったのに気付いて慌ててルイス達の部屋に持って行った。

おっと、お約束はしないからね?

部屋のドアをノックすると体を拭いていた為にドアの外に湯桶を置いておく。


俺は自分の部屋に戻ると髪も洗ってみた。

体も良く拭う。

ああ、サッパリした。

タオルでよく水分を拭いてから服を着る。


約一時間後、今度は酒場となった一階に降りる。

食事目当ての客がいなくなり、酒場となった一階をぐるりと見まわす。


一階に降りたのは情報収集の為だ。

冒険者やお客さんの話から何が売れるのか等の『情報』が聞ければ良いなと思ったからだ。

カウンター席に座る。


【お姉さん、お酒は何があるの?】


給仕のお姉さんに声を掛ける。

異世界のお酒、気になりますね。


「エールがありますね。後はミードとワインです、どちらも水で薄めるんですがお勧めはミードかな~。」


普段が安物のビールだった俺は他の酒の銘柄なんか知らない。

エールがビールみたいな物だっけ?


【なら、お姉様がオススメしてくれたミードをお願いしますね。】


格好つけて頼んだけどミードって蜂蜜酒だよね?

違ったかな?


「はーい。」


と、言ってお姉さんは奥へ消えていく。

その後ろ姿を見る、うん良いお尻だ。

やはり成熟した体は良いね。

お近づきになりたい。


・・・溜まっているのかな俺?


さてと、本来の目的を果たすか。

周りの声に耳を傾ける。

集中しようかと言う所で。


「ハイ!お待ち、ミードだよ~。」


おっと、いつの間にか横にお姉さんが立っていた。

また気付けなかった。

この世界の女性達は気配を消すのが上手いのか?

代金とチップを支払ってミードのジョッキを受け取る。


チップが多かったからかお姉さんが頬にキスをしてくれた。

うふふ、キスしてもらっちゃったよ。


だが、あのお姉さんも侮れんな。

気配には気を付けていたはずなんだけどな?


さて、アルコールはこの体になってからは初めてだが・・・。


「グビッ・・・。」


うん、口当たりが良く飲みやすい。

蜂蜜の爽やかな感じで口の中がさっぱりする。

良いね。

後は飲みすぎないようにしよう。

明日があるからね!!


さてと、改めて集中しよう。


1、ハイクオリティーの鉄製ロングソードが人気らしい。

2、防具は動きやすく固いがスタッド製で、今の時期は毛皮が付いている防寒性に

  優れる物が好まれるらしい。

3、ポーションは上級までの「高品質」の物が売れ筋らしい。

4、南西の森に「オーガ」が出る様で討伐依頼が出たらしい。

5、南西の鉱山の町の坑道の中に「アース・エレメンタル」が出るらしいので注意

  する事。

6、鉱山の町で何かがあった様だ。

7、どうやら女性は()()()()()な方が男受けするらしい。


聞き耳を立てていた俺は集中を解く。

こんな感じに纏まりそうだね。


まあ2は季節の物だろうな。

この季節だと金属鎧は内部に毛皮を張り付けた上に、鎧下をしっかり着込んでいないと凍傷になる恐れがあるので人気は無いそうだ。


着けているのは衛兵ぐらいだという話だね。


後は街の南西の森にオーガがでるらしいので気を付けるようにか・・・。

皆に南西の森に行かないように言っておかないとね。


更に南西、鉱山の町の坑道内にはアース・エレメンタルが出るから、スキルに自信がなければ入らないようにと・・・。


ゲームの時はオーガだと戦闘スキルが四十もあれば戦えるはずなんだけどな。


モンスターが強くなっているとか・・・?

どうもスキル値三十ぐらいの冒険者が四人以上のパーティーを組んで戦う相手のようだ。


うーん、全体的に冒険者のスキルが低いような気がするんだよね?


ゲームの時は最初の街でスキル七十までは鍛えてたんだけどな?

ゲームとは違うという事かな?

まだまだ分からない事だらけだ。


南西の鉱山町付近にはモンスターがいないそうだ。

鉄や鋼鉄の鉱石を採掘するのなら、そこが良いらしい。

なんと近くに高炉等の設備が取り付けてあるらしい。

高炉があれば鉱石をインゴットに出来るしね。


良い事を聞いたな。


7のは趣味趣向の違いなのかね?

俺は胸の大きい方が好みだけどな。

ボン!キュ!ボン!の成熟した女性の姿が思い浮かぶ。

あのダイナマイトバディが理想だよね。


『アリステリア様』、是非にまたお会いしたい。


でもどんな女の子でも尊いよね。

あの柔らかい肢体なんかは・・・。

おっと、考えが脱線してしまった。

まあ中身はエロいおっさんなので勘弁してほしい。


と、今日の所はこんな感じかな。


残っていたミードをグイッと飲み干す。

美味かった。

もう一杯行きたい所だが明日もあるのでここで我慢だ。


結構良い情報も貰えたしそろそろ寝るか。

酔っていると危ないので階段を慎重に上がる。


部屋に着くと左のベッドにアリスが寝ていた。

ルイスがやってくれたのだろう。

アリスの毛布を掛け直してあげて、自分もベッドへダイヴ。


ほろ酔いなのも手伝ってか眠るのは一瞬だった。

明日も良い事がありますようにと心の中で『アリステリア様』に祈るのだった。


お休みなさい。

ここまで読んでくださってありがとうございます。

次話、そろそろ本格的に行こうかな(仮 でお会いしましょう。

今後ともよろしくお願いします。

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