真なる聖剣と家族
皆様、新しい物語が綴られました。
お楽しみ頂ければ幸いでございます。
それでは、お楽しみください。
皇帝陛下と会い、サンクトゥスの事を話す。
「なれば、我が息子に申し付ける。完全になったサンクトゥスを、改めて奉納するが良い。」
そう言われて預かるのには成功した。
その後に義父上である皇帝陛下から言われた。
「セリスも充分に可愛がっておるようではないか、これは孫の顔を見るのも安心だな。」
何処で見てたのやら・・・。
セリスには言わない方が良いですよ、義父上。
・・・マジで言わないだろうな?
その後に部屋に戻ると皆は眠っていた。
先程の事で疲れ果ててしまったのであろう。
仕方ないが一人で、魂の金床へとやって来た。
練成をして聖剣を完成させる為である。
聖剣を取り出し、並べる。
魂の金床に向かいスキルを発動させる。
【・・・またなんか増えてるな。これもアセディアとイチャイチャしたからか?】
まずは作って来た物からいこう。
ミスリル製のロングソードを十本とツヴァイハンダーを一本、セスタスを二つ、リーフブレイド、サイスを取り出す。
聖剣仕様なので、これらには聖属性がついている。
一本ずつ、だが確実にプロパティーを付けて行く。
つけれるプロパティーは五つ。
慎重に選んで行く。
悩んだ末につけたプロパティーは・・・。
「回避低下」敵に攻撃を当てると、50%の確率で回避能力を低下させる。
「命中率低下」敵に攻撃を当てると、命中率を50%の確率で低下させる。
「武器ダメージ増加80%」装備している武器を使用した時に、性能を80%引き出す事が出来る。
「スタミナリーチ」、「マナリーチ」、敵に攻撃が命中すると各自の吸収が50%で発生する。
リーチ系は、与えたダメージの10%を吸収出来る便利なものだ。
以上の五つだ。
これで使えない聖剣が、使える聖剣になった。
「サンクトゥス」は、『アリステリア』様が命名してくれた「真なる聖剣」なので、練成するのを躊躇った。
ミスリル製、エピッククオリティーの各聖剣が出来上がったので、サンクトゥスの練成は今回やめておこう。
『アリステリア』様とのつながりを消したくなかったのだ。
神を降臨させた剣と言う事でサンクトゥスは帝国で保存して頂こう。
指輪と腕輪にも練成をかけておく。
「武器ダメージ増加30%」装備していると武器の性能が30%引き出せる。
これは、武器性能の上限を上げる事が出来るので大変に有用なプロパティーである。
今回の場合は武器についている80%+指輪についている30%+腕輪についている30%=140%の威力で振るう事が出来る。
デメリットとしては、合計した最大値が300%を超えない事と、多少だが耐久力の減少が激しくなると言った所だ。
300%はその武器でのダメージの上限である。
これも鉱石が違う事によって上限の数値が違うかもしれない。
検証しないとね。
「命中率向上15%」装備していると命中率に15%の命中向上効果が得られる。
「回避率上昇15%」装備していると回避率に15%の回避向上効果が得られる。
「STR上昇10」、「DEX上昇10」、各ステータスを数値の分上昇させる。
「速度上昇10」、剣を振る速度や次への行動の迅速化などをする。
指輪と腕輪の重なっている効果の物は、全て重複されるのでかなりの性能が期待できる。
前衛はこのプロパティーを付けた。
前回の事で分かった事があるのだが、実力を付けないままに武具やアクセサリーの力に頼っているようでは駄目だとの見解から装備は一個だけにしてある。
前にも考えた事だが、指で10個、腕輪で2個の装備を付けられるのである。
ジャスティン、ダン、アンナ、ディアナ、エキドナそして俺の分を練成する。
今のところはこれで十分であろう。
ラフィアと俺の物には以下の物を付けた。
「魔法ダメージ増加30%」、魔法ダメージの威力を30%上げる。
「詠唱速度上昇1」の付与、その名の通り詠唱速度が速くなる。
「STR上昇10」、「INT上昇10」、「マナ上昇10」、数値分のステータスを上げる。
「再使用遅延短縮レベル3」。
キャストリカバリはレベル1で10秒、レベル3だと30秒の遅延を短縮する。
呪文の再詠唱には8thで、30秒の再呪文詠唱の時間がかかる。
それを短縮するので連続して魔法が使えるレベルである。
魔法使いにはこれ以上の心強い事は無いであろう。
俺は両方使うからね。
まあ、左手の薬指にはルイスとペアの結婚指輪が付いている。
これは未練成だからね。
さて、忘れ物は無いかな?
最後に、アンナの弓なのだが「聖弓」の弦の素材をカリュプディスの物にした。
矢だけでも、ミスリルの矢尻に聖属性を作っておけば、当面の問題には差し支えないだろう。
聖弓のコンポジットボウなので限界突破を撃つのにも問題は少なくなった。
でも、相変わらずの威力と整備の手間のかかる弓になるであろう。
さて、作る物は作った。
戻ろう。
先程まで皆とイチャイチャしてたんだよな。
少し日が傾いている。
もう皆は起きているだろうね。
ティアはあの寂しい顔をしなくてすむ様に頑張ったつもりだけど、どうだろうか?
そんな事を考えながらリターンの魔法を発動させる。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
帝国に帰ると皇帝陛下に面会をする。
「サンクトゥス」の返還と、ロングソードで作った「聖剣」を納めてもらう。
「成程な・・・では「サンクトゥス」はそのままで宝物庫に飾るとしよう。」
【お願いいたします。それと「聖剣」の鑑定書と覚書でございます。】
「覚書?」
【はい、このような性能になっておりますとの内訳が書いてございます。】
「分かった、聖剣と一緒に創造神の神殿に奉納しよう。」
【お願いいたします。】
「それでな、義息子よ?」
【はい、何でございましょうか、義父上?】
「セリスとの仲は良い様だな。」
【陛下、それだけではございません。セリスは献身的に尽くしてくれます。先日もドラゴンとの戦いで素晴らしい活躍を見せておりますよ。】
「うむ、我が娘であるからな。だが其方の力が大きいのも事実。」
【義父上、俺はセリスに甘えておるだけなのですよ・・・情けない事に。】
「何を言う、我など四姫がおらねばとうの昔に皇帝など退いておるわ。」
【ふふっ、女は強しと言った所でしょうか。】
「そうだぞ、旦那様。」
後ろから声が掛かる。
「父上、お久しぶりに御座います。」
「セリス、目覚めたか。」
「はい、離宮の部屋を勝手に使わせて頂きました。申し訳ありません。」
「娘が自分の部屋を何時、何の為に使おうが干渉はせんよ。」
「ありがたく。」
「その言葉はまだ早い、早く孫の顔を見せてもらわねばな。」
「旦那様にも頑張って頂いておるので、近いうちに良い報告が出来るのではないかと。」
「うむうむ、ヘファイストス。期待しておるぞ?」
【ははっ!】
「皇帝陛下!」
「おお、ルイスではないか、それとクレアに、ん?其方には会った事が無いな。」
「初めまして、皇帝陛下。ヘファイストスの妻のナナリーでございますー。」
「ほう、ヘファイストスよ、また増やしたのか?」
【陛下、ナナリーは二番目に妻に迎えます。】
「ほう、では前回こちらに来なかったのは・・・。」
【はい、ナナリーに留守を任せました。そのおかげで俺達は帝国へ来れたのでございます。】
「成程な、改めるか。ナナリー、我がクヴァール帝国皇帝「オニロ・グラン・イダニコ・エフティニア・クヴァール」である!」
「皇帝陛下、お初にお目にかかります。「ナナリー・フォン・エターナル」でございます。セリス皇女達と旦那様であるヘファイストスを助ける一助となっておりますー。」
「うむ、ナナリーよ。我が義息子を頼んだぞ?」
「ははっー!」
「それで、ヘファイストスよ。強欲殿もいるのだな?」
【はい、それで、今宵の晩餐はティアを陛下達に紹介するとともに、歓迎させて頂ければと思います。】
「ほう、歓迎とな?」
【実は、陛下。ティアは俺の女でございます。】
「な、なんと!?」
【皇帝、いえ、陛下。その通り、私はダーリンの物なの。】
「ククク・・・ファッハッハッハ!!!」
【義父上?】
「これ程愉快な事はあるまいよ、ヘファイストス、その辺りも後程詳しくな。」
【はい、陛下。では晩餐の支度をさせて頂きます。義兄弟達もお呼び下さい。俺も家族を呼ばせて頂きますので、今夜は皆で過ごさせて頂きましょう。】
「うむ、トリトゥス、聞いておったな?」
「はい、陛下。」
「今夜の仕切りは任せる。アバリティア殿を、そして家族を十分に歓迎せよ!」
「ははっ!」
「ヘファイストス、楽しみにしておるぞ?」
【お任せください、義父上!】
こうして、ティアの歓迎会を執り行う事となった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
色々な料理が並ぶテーブルを見てリズが驚いている。
「ね、ねえ、カーリア姉。これ食べても良いの?」
「坊ちゃんが連れて来たのだから食べても大丈夫だと思うんだけどね、リズちゃん。」
「綺麗よね?」
「そうねぇ、あそこの花をかたどったお肉とか、凄く美味しそうね。」
「綺麗ね・・・崩しちゃっても大丈夫なのかしら?」
「では、私がとってきてあげるわ。少し待っててね。」
「ありがとう、カーリア姉!」
カーリア姉か、リズちゃんだから・・・あれ?
マオちゃんも呼んでくれているわね。
ベスちゃんも・・・?
クーデリカちゃんやアリスちゃんも・・・。
あれ?
「壁を作っていたのは・・・私達の方?」
きっとベスちゃんも話しかけて欲しかったのだろう。
そうすればあの子も「カーリア」姉と呼んでくれたに違いない。
「そうだ・・・壁を作っていたのは・・・。」
「ねえ、ルナさん・・・緊張しているのですか・・・?」
「そ、それはねぇ、旦那様の交友関係に皇帝陛下がいらっしゃるとは思っていなかったからねえ。」
「ヘファさんらしいです・・・でも、もっと驚かされますよ・・・。」
「ベスちゃんは、慣れているのかね?」
「・・・ルナさん。」
「な、なんだい?」
「ヘファさんが・・・連れて来た人なので・・・分かってはいるのですが・・・もう少し・・・時間を下さい・・・。」
「ベスちゃん、アンタ・・・。」
「クーデリカも・・・家族に迎える時は・・・少しだけ抵抗があったので・・・時間がかかったんです・・・。」
「そうかい・・・ありがとう・・・ありがとう・・・。」
「ルナ姉様・・・。」
そう言ってルナはベスを抱きしめると泣いていた。
すぐに溶け込めないのは覚悟はしていた。
それでも何時かと期待はしていたのだ。
だが、ベスのその言葉で分かった。
私達でも、家族になれるのだと・・・。
そう、とても嬉しかった。
その日、ルナは嬉しくて泣いたのは二度目だと思った。
「レイラ姉、見てください!」
「凄い料理だねえ、これを坊ちゃんが作ったのかい?」
「そうです!ヘファさんは凄いですから!」
「ん?」
「どうしたんですか、レイラ姉?」
「マオちゃん・・・レイラ姉って、呼んでくれてる?」
「ヘファさんが連れて来た人なんですから・・・えっと、嫌でしたか?」
「いやいや、逆さね、とっても嬉しいのさ・・・。」
「レイラ姉、美味しそうなのを選ぶと良いです。ヘファさんの料理は凄く美味しいですよ!」
嬉しくて体が震える。
マオちゃんは、姉様と呼んでくれている。
きっと、遠くない未来に、皆も呼んでくれるようになってくれる。
そんな希望が生まれた。
少しずつでいい。
少しずつでいいんだ。
坊ちゃんが言っていた家族になると言う事。
そう、少しずつで良いんだ。
私は姉さんになるように、皆が道を歩けるように少しずつ地面をならすように歩けばいいんだ。
その日、私は家族と言う物の出発点に立った気がした。
頑張るのよ、レイラ。
「クーちゃん、どれが食べたいのかなぁ?」
「・・・私は幸せ者なのです。」
「どうしたのさ、クーちゃん?」
「家族を失った私は、ヘファ兄ちゃんのおかげで新しい家族が出来たの。」
「そうなの?」
「はい、そこにはまた新しい姉様達が出来たんです。」
「・・・。」
「桜子姉様、貴女もそのうちの一人なの。」
「クーちゃん・・・。」
クーちゃんは手を握って言ってくれる。
「桜子姉様、ヘファ兄ちゃんの御飯は美味しいの!」
「うん、うん・・・。」
「取りに行きましょう、桜子姉様!」
「うん・・・うん・・・。」
自然と涙があふれる。
家族になるのが、こんなに嬉しい事は無い。
私はその日の事は忘れないだろう。
ありがとうね、クーちゃん。
「アズちゃん、ゴーなのです!」
「アリスちゃん、ゴーって何かしら?」
「御飯を食べに行くのです!」
「食べるのは良いけど、どれを食べるのか迷うわ?」
「ヘファさんの料理は全部美味しいのです!」
「旦那様が作っているって言ってたわよね?」
「そうなのです!」
「アリスちゃん、待ってー!」
アリスちゃんは料理を取ると次々と食べて行く。
こ、この子、本当に食べる気ね。
旦那様の料理なのだから残さないのが正解なのでしょう。
でも、こんなにいっぱいあるのよ?
「モゴモゴ・・・。」
やだ、ハムスターみたいで可愛い!
その膨らんだ頬っぺたを突っついてみる。
「フォゴー、ムゴムゴ?」
「ごめんね、何を言っているのか分からないやー。」
ツンツン
「フォム、ムグムグ!」
こんな子が妹になってくれるのね。
可愛い。
ふふ、良いわね。
旦那様のおかげでこんなにも幸せな時間を感じる事が出来る。
そのうち皆にも姉様って呼んでもらえるように、頑張りましょう。
「アズちゃん、今度はあっちなのです!」
「分かったわ、アリスちゃん!」
「皆・・・いいなぁ。」
リズちゃん達と一番年齢が近いから、この晩餐を機会に仲良くなろうと思っていた。
皆がパートナーを選ぶようにくっついてしまったのだ。
出遅れてしまった。
ナナリー様達は皇帝陛下の息子や娘と挨拶をしている。
私だけはぐれた感じ。
旦那様が作った料理なので、せめて料理だけは食べておこうかな。
・・・一人は寂しい。
「ルイス殿の言った通りだ。」
背中から声が掛かる。
この声は・・・。
「セ、セリス様?」
「私もいるぞ?」
「ク、クレア様まで!?」
「そなたがな、心配だとルイス殿が言ってくれてな。」
「気が付かずに申し訳ない。」
「そ、そんな、セリス様もクレア様も、頭をお上げ下さい。」
「ところでな・・・。」
「は、はい?」
「フィーネ殿はどれが一番好きな料理なのだ?」
「そうだ、色々な物を食べるのも良いが、やはりローストチキンであろう?」
「クレア、ローストビーフにしようと言っていたではないか!」
「いやいや、好みを聞いているのだよ。」
「あ、あのぉ、まだ食べた事が無いのです。」
「そ、そうだったか。では、取って来て差し上げよう。」
「その間は、私が一人じめだな?」
「クレア!次は交代だからな?」
「分っているよ、セリス。」
クレア様にそう言うとセリス様が料理を取りに行ってくれた。
「どうかね、少しは今の生活に慣れたかね?」
「え、ええ、皆さんとてもよくして下さいます。」
「ほう、私には何か遠慮をしているように見えるのだがね?」
「えっ?そ、そんな事はありませんよ?」
「ふむ。ここまで言っても相談をしてくれぬか・・・。」
「え、遠慮などは、しておりません・・・。」
「旦那様は遠慮させる為に君達を選び、家族にする事を決めたのではあるまい?」
「か、家族!」
「そうだとも・・・良いかな、フィーネ殿。」
「は、はいっ!」
「旦那様は生まれついての貴族ではない。それは分かるね?」
「はい、ですが今では「尊爵」様ではありませんか?」
「それは旦那様がそうなるように努力をなされたからだ。嫁になっている皆はそれを知っている。」
「嫁・・・。」
「そうだ、それに妾であろうが、主君が気に入った人物にはそんな事は言うまいよ。」
「そ、そうなんですか?」
「そうだ、断言しよう。君は、いや、君達も選ばれているんだ。」
「ルナ様達はそうでしょうが、カーリア姉やアズ姉、私は旦那様とは付き合いが新しく、ルナ姉の言うようには・・・。」
「取って来たぞ・・・む、ずいぶんと親密な雰囲気ではないか、クレア?」
「はっはっは、今、良い事を聞いていたところだぞ?」
「セリス様も、すみません。皇族に料理を取りに行かせるなど・・・。」
「ん?そなたも家族の一員であろう?」
「え?」
「ははは!セリスよ、フィーネ殿はまだ遠慮しておるようだぞ?」
「むぅ、義理とは言え、妹が出来たのだ。これを喜ばずしてどうすべきか?」
「妹・・・あの、セリスね・・・様、クレア様!」
「どうしたのか?」
「何かな、フィーネ殿。」
「皆と仲良くするには・・・どうしたらよいでしょうか?」
「それはだな・・・。」
「あー!セリス姉様とクレア姉様が二人締めしているの!」
「探したのです!行くのです、フィーネちゃん!」
「クーデリカちゃん、アリスちゃん、手を引っ張らないでぇー。」
「・・・行ってしまったぞ、クレア?」
「ははは、良いではないか。家族同士で遠慮などする物ではないぞ?」
「しかし、どうするのだ。」
「セリス、全部食べても構わんぞ?」
「旦那様の料理とは言え、この量だぞ?」
「まあ、食べれるだけでも食べようではないか。」
そうだ、フィーネ殿。
君達はもう家族なんだよ。
遠慮などする物ではない。
我らの旦那様はそのような事は喜ばんよ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ティア、食べるわよ!」
【ルイス、あちらはどうするの?】
「ナナリーさんに任せましょう。最低限の挨拶はしたのだし、今回は、ティアの歓迎会なのだから、ね?」
「これは、ルイス殿。」
「トゥリトス様、御紹介しますね、親友のアバリティアです。」
「ほう、この方が?」
「はい、そうです。」
「アバリティア殿、御挨拶させて頂こう。帝国宰相である「トゥリトス・フォン・スィニスィスメノ」でございます。」
【アバリティアよ、「強欲」とは呼ばないで頂戴。】
「心得ました、アバリティア殿。いかがですか、帝国産のワインは?」
【少し渋みがあるけれど、美味しいわね。】
「左様でございますか・・・では、そこにあります「肉料理」と共に食べてみてくださいませんか?」
【これね・・・ん!良いわね、この渋みが肉の油臭さを完璧に取るわね、それに・・・更に旨味が増すわ。】
「ええ、これが「マリアージュ」と呼ばれるもので赤ワインと肉料理の相性が良いと顕著にでる物になります。」
【相性?】
「アバリティア殿とヘファイストス殿のようではございませんか?」
【私と、ダーリンの・・・?】
「ええ、見事なマリアージュだと思います。」
【いいわね・・・マリアージュ、気に入ったわ。】
「はい、帝国はアバリティア殿とも、肉とワイン。二つ別々だった存在があたかも一つの存在に調和した状態になるように、付き合っていきたいと思っております。」
【それは、帝国宰相としての言葉なのかしら?】
「失礼でなければ、言わせて頂いても?」
【許すわ。】
「我らが帝国も、ヘファイストス殿とアバリティア殿のような信頼関係を築きたいと思っております。もちろん父上もそう思っております。」
【トゥリトス、ダーリンが許しているのなら、私の事はティアと呼びなさい。】
「ありがとうございます、ティア様。これでこの帝国の最大の心配事が消えました。ティア様の寛大な心に感謝を。」
【うん、マリアージュね。とっても良い気分だわ。】
「あー!アバリティアちゃんが笑顔なのです!」
「アリスちゃん!」
【出たわね、ちっこいやつ・・・?】
「どうしたのですかー?」
【貴女・・・この人間、大きく・・・いえ、気のせいね・・・まあいいわ。アリスと言うのね。トゥリトス、次はあの子達の所へ行くわ。】
「行ってらっしゃいませ。」
【アリス、お勧めはあるのかしら?】
「全部美味しいのです!」
【ダーリンの作った物だから、当然だわ。ルイス、料理を食べに行くわよ!】
「ティア、嬉しそうね。」
【これが嬉しいなのね?】
「良い笑顔よ、ティア。」
【笑顔・・・そう、私は笑顔なのね?なら・・・この気持ちは何なのかしら?】
「ティア、それが嬉しいと、幸せと言う気持ちよ。」
【幸せ・・・いいわね、この気持ち、悪くないわ。】
ティアが楽しそうに微笑みを振りまいている。
やっぱり、女の子には笑顔でいて欲しいね。
そんなティアを広間の入り口から見ていた。
たまにはこう言うのも悪くない。
大悪魔とかは関係なく、女の子なんだからね。
その、ティアの素直に微笑む笑顔を見ていた。
女の子には笑顔が似合うよ、ティア。
ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます!
まずは、いつものから!
評価、イイネ、ブックマーク等々。
皆様には感謝しかございません。
今後ともよろしくお願いいたします。
では 次話 未定(仮 で、お会いいたしましょう。
それでは、御疲れ様でした!




