心に生まれた物
皆様、新しい物語が綴られました。
お楽しみ頂ければ幸いでございます。
それでは、お楽しみください。
【ティアー?ティアさんやーい?】
手土産のミルクレープは忘れないで作って来た。
だが、そのティアの姿が見当たらない。
しばらく来れなかったからへそを曲げてしまったのだろうか?
一番だって言ってたから一番目に来たんだけどな。
【ティアー?ティアさんやー?】
「ねえ、出て来てくれないのだけれど何かあったのかしら?」
「どうしたのでしょうかー?」
「アバリティア殿とは話がしてみたかったのですが・・・。」
「そうだな、主君。気配を感じないな。」
【うーん・・・どうしたんだろう。】
連れてきたルイスとナナリーにセリス、クレアもこれには困惑している。
どうしたんだろうか?
怒っていても必ず姿は見せてくれるのにな。
何かあった・・・ん!?
【あれ?上かな?】
「見付けられたの?」
「ヘファ君ー?」
「旦那様?」
「主君?」
【皆、ちょっと待っててくれるかな。】
「分かったわ。」
「待っていますねー。」
「かしこまりました、旦那様。」
「お待ちいたします、主君。」
ここには階段が無いからね。
テレポートの魔法を使い屋上に出る。
会いに来たティアがいた。
座っている。
【ティア?】
抱きしめないと消えてしまいそうなその背中に近付く。
【ダーリン、来てくれたのね?】
【ああ、今回は友達になってくれる子達を連れて来たよ。】
【友達・・・なのね。】
【ティア、何でそんなに寂しそうなんだい?】
【さびしい・・・?】
【うん、凄く寂しそうだよ?】
【この気持ちが寂しい・・・。】
【何かあった?】
隣りに行き抱き寄せる。
【暖かいわ、ダーリン。】
【ティアが寂しがっていると、ルイス達も寂しいと思うよ?】
【そうなの?】
【それが友達って言う奴だ。】
【ダーリンは心配してくれるの?】
髪の毛を梳きながら言う。
【ティアの事を心配してないはずがないじゃないか、ティアは・・・俺の女だからな。】
【ダーリン・・・。】
キスをする。
ティアは安心したのか身をゆだねてくれる。
【ティア、下に戻ろう。今日はルイスも入れて四人連れて来てるんだ。】
【少し・・・少しだけ・・・独り占めしても良いのかしら?】
【少しだけだよ?】
そう言うと後ろからティアを抱きしめる。
【うん、良い気分になって来たわ。ダーリン、ルイス達の所に行くわよ!】
【それでこそ俺の好きなティアだ!】
元気が出たティアはテレポートを使うと皆のいる所まで行く。
ルイス以外を紹介するのだから、追いかけないとね。
同じくテレポートする。
「アバリティアさん、心配してたんですよ?」
【済まないわね、ルイス。後、私の事はティアと呼びなさい。】
「あ、ごめんなさい。」
【ルイス、貴女にはそう呼んでほしいの。】
「ティア・・・。」
【ルイス・・・。】
【で、紹介するね。まずは・・・。】
「ナナリーです、よろしくお願いしますね、アバリティアさんー。」
【こちらこそ・・・成程、ダーリン好みなのね。】
「そうですよ、でも触らせるのはヘファ君だけなんですー。」
【ふふっ、いいわね。愛されているのでしょう?気に入ったわ、ナナリー。貴女にもティアと呼んでほしいわ。】
「はい、よろしくお願いしますね、ティアー。」
【この子も紹介するね、セリスだ。俺の頼りになる嫁さんだ。】
「頼りに・・・頼りに・・・っは!?オ、オホン!御紹介に預かりました、セリスと申します。」
【セリス、よろしくね。】
「こちらこそ。」
セリスとティアが握手をする。
「私が旦那様の右腕だ、よろしくしてほしい。」
【貴女も愛されているのね?】
「もちろんだ、アバリティア殿も気を付けるが良いぞ?」
【気を付ける?】
「夜の戦では旦那様には勝てん。」
【ふふっ、気に入ったわ。貴女にもティアと呼ばれたいわね。】
「で、では、遠慮なく。ティア、よろしく頼む。」
【こちらこそ。】
【最後はクレアだ。】
「よろしく頼む、アバリティア殿。」
【皆は愛されているのね、羨ましいわ。】
「その通りだ・・・だが、主君は貴女も愛されているのだな。」
【そう!そうなの!ダーリンはこんな私でも愛してくれるの!】
「アバリティア殿、こんな、などと自分を卑下する物ではないぞ?」
【そうなのかしら?】
「そうだ、貴女はこの国、いや、この世界で一番の男に愛されているのだから。」
【そ、そうね、クレア。貴女にもティアと呼ばれたいわ。】
「喜んで、ティア殿。」
【とっても気分が良いわ、貴女達のおかげね。】
どうやら機嫌は治ったようだ。
何か心配事があったのだろうか?
聞ければいいんだけどな。
いや、話してくれるまで待つか?
【今日は友達が増えて嬉しいわ。ダーリン、彼女達をもてなしたいのだけれど、どうすればよいかしら?】
設備のある所に行くのが良いだろう。
ティアにその説明をすると移動する事にする。
【王宮へ行けばいいのね?なら、私に任せてもらえるかしら?】
【構わないけれど、どうするの?】
【ダーリンは忘れてしまったの?私の影を使うのよ。】
【そうか、そう言えばその手もあるのか。】
【じゃあ、「格納」するわね。私の影に入って頂戴。】
「わ、分かったわ。」
「影に入るのですねー?」
「ティアの影に入れば良いのだな?」
「分かりましたぞ、ティア殿。」
【じゃあ頼むよ、ティア。】
皆が不安げに影に入る。
すると驚いた事にいつも使っていた帝国の調理場へと出る事が出来た。
少し遅れてティアが現れる。
そして期待するように俺を見ている。
【では、ここからは俺に任せてもらおうか、ティア達はテーブルについて話でもしていると良い。】
「分かったわ、貴方。」
「ヘファ君、期待してますよー。」
「そうだな、旦那様。」
「頼んだぞ、主君。」
【ダーリン、ミルクレープは忘れないでね?】
【まーかせなさい。】
とは言ったが何を作ろうか?
レシピは色々あるのだが・・・。
ティアが皆をもてなしたいと言ったんだ。
ご要望には応えないとね。
よし、決めた!
ここなら魔導オーブンがあるからアレにしよう。
パセリ、ローズマリーなどの香辛料を刻む。
オーブンは200℃を目安に予熱をしておく。
ボウルにたっぷりと塩を入れる。
そこに卵白と刻んだハーブを加えて混ぜ合わせる。
握るとまとまるぐらいの硬さにする。
フライパンにオリーブオイルを加え強火にかける。
牛塊肉を加えて全面に焼き色を付けるように焼いて行く。
焼き終わったら綺麗な紙で表面の油を拭き取る。
オーブンの天板の上にオーブンシートとして使う紙を敷く。
この世界にも紙はあるのだ。
ただ、紙は高い。
今回使用しているオーブンシートもどきの紙は、高級品ではあるのだが使われる所は限られている。
ここは王宮の厨房なので、そう言う物が色々と置いてある。
それに適している物を使う。
そのシートの上に、先程のハーブ塩を平らになるように盛り付ける。
塩の上に塊肉を置く。
残りのハーブ塩で良い加減にお肉全体を包み塩釜にする。
予熱していたオーブンに入れてそのままの温度で二十分ほど焼く。
スキル様のおかげで良い加減に焼けてくれたようだ。
取り出し塩を割り中身の肉を取り出す。
今回は薄く切りだす。
そう、塩釜で作るローストビーフだ。
卵黄の部分を取り出してあるのでそれでタレを作って完成。
「ね、ねえ、凄く美味しそうな匂いがするのだけれど?」
「ルイスさん、ヘファ君の事ですから心配はいらないでしょう。私達は期待して待ちましょうー。」
「旦那様の作る料理ならば、米の一粒でも残す訳にはいかん!」
「そうだな、セリス。だが・・・この匂い、たまらないではないか。」
【良い香りね、何が出てくるのか楽しみだわ。】
お、焼き上がったようだ。
【御嬢様方、この出会いを歓迎した特別料理、『ロースト・ビーフ』でございます。脇に置きましたソースを付けてお召し上がりください。】
「凄く綺麗な焼き色・・・この匂いがたまらないわ。」
「これは・・・お肉で作った薔薇が素敵です。それに美味しそうですねー。」
「ナ、ナナリー殿、まずは落ち着こうではないか。」
「セリス、君もだ。主君の料理は逃げぬよ、まずはティア殿から頂いてみてくれるか?」
【本当に美味しそう・・・ダーリン、ありがとう。】
【白パンに挟んだりして食べてみてね。まだまだ作るからゆっくり話しながら食べるんだよ?】
受け皿にナナリーさんとルイスが取り分けて行く。
「見て、肉汁が溢れて・・・。」
「これは美味しいですよー。」
【ありがとう、ナナリー。】
「すまないな、ルイス殿。」
「主君はいいのか?」
【俺は嫁さんが幸せそうならそれでいいんだ。つまみ食いはしてるから、遠慮しないでね。】
「分かった、旦那様。」
【これ・・・美味しいわね、肉汁が溢れるわ。】
「本当、こんなお肉初めて!」
「美味しいですね、ルイスさんー。」
「旦那様の料理は。格別だな。」
「主君、これは美味すぎるぞ!」
【まだまだいくからね、楽しみにしておいで。】
その日の昼御飯は豪勢だった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「そうなんです、可愛いの。特に達してくれる時の顔が・・・。」
【そうなの?私は初めてで、そこまでの余裕はなかったわね。】
「次の機会に見てみると良いですよー。」
【そうね、機会があれば見ておくわ。】
「そうだ、確かにこう・・・旦那様と、愛する人と一つになっているのが良く分かるのだ。」
「ティア殿も見てくれると良いぞ?だがな、あの時の主君は意地が悪いのだ。」
「そうなの、いつも激しく求められるから幸せではあるのだけれど。」
【ルイス達が羨ましいわ、私は何故人間に生まれなかったのかと最近思うの。】
「「「・・・。」」」
「ティアさん気にする必要はありません、ヘファ君は平等に愛してくれるのですからー。」
「そうだぞ、は、激しくしてもらえるのだ。後は子を成せればよいのだがな。」
【頑張らせて頂きます。】
「そうだぞ、主君。頑張ってもらわなければな。」
【子供・・・アリステリアに逆らった私にも出来るのかしら・・・。】
「「「・・・。」」」
ティア、沈んだ顔の訳はそれか・・・。
でも、『アリステリア』様が怒っている所なんか想像できないんだよな。
こうなったらティアの希望に応えられるように俺も頑張らなければ。
そう思ってティアの席に大好物のミルクレープを持って行く。
【御嬢様、ミルクレープでございます。】
【・・・ねえ、ダーリン。】
【・・・なんだい、ティア?】
【ダーリンの・・・私達の子供が・・・欲しいわ。】
ティアが目に涙を浮かべている。
その雫が頬を伝う。
こんなにも孤独にして寂しくさせてしまったのだろうか?
そんなティアがたまらなく愛おしい。
覚悟を決めた。
【ティアさえ良ければ・・・俺、頑張るからさ・・・そんな顔はしないでくれるかな?】
【でも・・・。】
そう言うとティアはルイス達を見る。
「ティアだけじゃなくて、私達も一緒なら良いのではないかしら?」
「そうですよ、それに子供だけは『アリステリア』様の御力次第ですよー。」
「ナナリー殿の言う通りだ、ティア。」
「主君が頑張ってくれるから、心配はいらないだろう。」
【皆・・・ありがとう。】
「じゃあ、早速頑張ってもらおうかしら?」
「そうですね、ティアさんの御話で盛り上がってしまいましたからねー。」
「旦那様、有言実行するのは今ですぞ!」
「セリス、部屋はどうするのだ?」
「離宮で私が使っていた部屋がある、そこへ移動しよう。ベッドも大きいしな。」
【えー・・・・っと?皆さん?】
ティアがキスをしてくれる。
【ダーリン・・・深く愛して頂戴ね?】
【が、頑張ります!】
セリスの案内で離宮の部屋とやらに向かう。
皆を満足させる為に頑張ったのは、言うまでも無い事だろう。
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それでは 次話 未定(仮 で、お会い致しましょう。
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