ノモスの憂鬱
済みません!
またやらかしました!
短編をお送りいたします!
誠に申し訳ございませんー!
「アーサー・・・お前には・・・感謝してる・・・。」
・・・目が覚めた。
俺のルーティーンの中での朝だ。
外はまだ暗い。
昨日ルイス嬢の結婚式から帰って来たのだが、嫁の二人は興奮して眠れなかったようだ。
その穴を埋めるように、夜の相手をしたのだ。
・・・激しかった。
二対一なんぞと・・・俺は頑張った。
その嫁達は満足してくれたようで両隣で寝ている。
起こさないようにベッドを出る。
支度を整えるとアーサーを見習って商業の神に祈りを捧げる。
部屋の一角に祭壇を模した木造りの小さな神殿がある。
アーサーの手作りだ。
俺より十以上も年の違う奴から教わった事だ。
朝、祈りを捧げる。
「商業の神エンボーリオ様、我が商会に加護を与えたまえ。」
そう、これが一番最初だ。
【ノモスも祈りを捧げた方が良いよ。効果は絶大だからね?】
そう、この祈りを捧げてから商会は目に見えて順調だ。
そして部屋を出る。
執務室に入ると、すでにバウマンがいて、簡単な朝食を用意してくれている。
「おはようございます、会頭。」
「ああ、おはよう、バウマン。今日の予定で優先する事はあったか?」
「会頭、本日の予定は午前中に執務と皇帝陛下との面会。午後は自由時間ですが、帝国貴族のグスタフ伯爵様との面談が予定でございます。」
「グスタフだと?バウマン、この面会はいつ決まったのだ?」
「昨日会頭がルイス様の御店を御覧になっていた頃に申し入れがございました。」
「俺は会わんぞ?どうせ金を寄越せという話だろう?それならルイス嬢の所にいるお嬢さん達に商人としての心得を教えていた方がずっと役に立つ。」
「会頭。」
「・・・分かった。やんわりと断るさ。」
「それがよろしいかと。」
いれてくれた紅茶が湯気を出している。
一口すする。
・・・頭の中がすっきりする。
「しかし見事な御店でしたな、会頭。」
「ああ、初めての店か・・・思い出すな、バウマン。」
「ええ、ですがよろしいのですか?」
「新商品があるだろうと言う事か?」
「はい、今までの物だけでしたら問題はございませんが、相手はアーサー様ですぞ?」
「そこなんだ、アイツの事だから驚くような物を売り出すに決まっている。」
「ええ、我らにも好機と見るべきですな。」
「ああ、帝国に噂として流れてくるのに何日かかると思う?」
「・・・恐らく、七の日までには届くでしょうな。」
「そうか、では、アーサーと面会をしよう。商機を逃してはいかんからな。」
「左様ですな、会頭。早速、面会の約束を致しましょう。午後の便に間に合わせます。」
「頼んだ、バウマン。」
そう言うとモーニングを食べ執務に取り掛かる。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「そうか、では問題はないのだな?」
「はい、陛下。二人の仲は順調でございます。御孫様に会えるのも近いうちかと思われます。」
「楽しみじゃ、して、ノモスよ。」
「はい、陛下。」
「ヘファイストスと連絡を取れんか?」
「早急に連絡を取りましょう。」
「実はな・・・寵姫達にまた下着を作ってほしいのだ。手が空いていればいいのだが・・・。」
「それは急がなければいけませんな。」
「そうだ、急ぎたいのだ。」
「それならば優先させましょう。」
「頼んだ。」
「っは!」
「して、店の方はどうなのだ?」
「建物は王国建築の貴族の館でございますが、斬新な意匠の店でございました。」
「ほう、気になるな・・・。」
陛下の目が怪しく光る・・・が、トゥリトス殿下が釘をさす。
「駄目ですぞ、陛下。」
「ま、まだ何も言っておらんではないか、トゥリトスよ。」
「見に行く事は駄目ですぞ?」
「お主は心が読めるのか?」
「陛下、駄目ですぞ?」
「・・・何とかならんのか?」
「駄目です。」
「無念。」
「いいですか、陛下。義母様方にバレたら、どうせ連れて行けと言われるのですから、今は我慢をして下さいませ。」
「そうだな・・・楽しみは後に取っておくか。」
「陛下、公務はどうなさるのですか?」
「トゥリトスに任せればよい。最近はヘファイストスの影響か覇気が出て来たからな。」
「では、連絡を取ります。」
「侯爵、任せた。」
「っは!」
こうして謁見は終わる。
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「婿殿におかれては、御機嫌麗しく。」
「御世辞は良い、今日の面会はどのような物なのだ、義父上殿?」
「それは・・・我が領の茶畑に、今年も投資をして頂きたいのです。」
「先年も投資をしたと思ったが?」
「はっはっは、去年は去年、今年は今年だよ、婿殿。」
「伯爵、今年は今年・・・なのだな?」
「はい、是非にお願い致したい。」
コイツは臆面もなくそんな事を言う。
俺が金の自由自在に湧き出せる魔法の壷でも持っているのだと思っているのか?
商会の金を何と心得ているのだろうか。
少しぐらいなら嫌味を言っても良いだろうな?
「採算がとれんではないか!茶ではなく他の物を主力にした方が良いのではないか?」
「去年もこの話を致しましたな、お忘れですかな、侯爵閣下?」
「今年の事を話そう。王国に支援を続けているので「今年」は余裕が無い。他を当たってくれ。」
「侯爵様、それでは我が領を見捨てると言うのですか?」
「見捨てる訳では無い、たまには自分の尻を自分で拭いたらどうだ?」
「何の事ですか?」
「バウマン、入れ。」
「はい、失礼致します。」
ドアを開けバウマンが資料を持って部屋に入って来る。
「これは、バウマン殿。御機嫌はいかがかな?」
「先にお話をさせて頂いても?」
「・・・。」
「実は、プルスィオス商会で伯爵領の投資金の使い方を調べさせて頂きました。」
「な、何故調べる必要があるのだ!」
「正常にお金を使っておれば、半分の資金で、伯爵様の茶畑は存続する事が出来るのですよ。」
「・・・。」
「義父とは言え、金の無心が多すぎる。場合によっては離婚を申し渡すぞ?」
「義息子よ、出来ぬ事は言わん方が良いぞ?」
「・・・。」
バン!
と、ドアが開き誰かが入って来た。
「だ、貴方様・・・真実なんですのね?」
「な、何故ここに娘が来るのだ!?」
「事実を知って頂こうかと思いましてね、それに離婚をする事に躊躇いなど無い、あまり舐めるなよ?」
「ば、馬鹿な・・・。」
「女一人と商会の従業員達、俺がどちらを取るかは分かっているだろう?」
「・・・旦那様、離婚をして下さいませ。」
「実の娘にこの言葉を言わせたのはお前自身だ、グスタフ。これ以上何かあるのか?」
「侯爵、もう金の無心はせん。自分で立ち直らせて見せる、だから娘の事は・・・。」
「カーチェ・・・お前はどうする?」
「お父様は・・・御自分のなされた事を悔やんで下さいませ。旦那様、今までお世話になりました・・・カーチェは幸せでございました。」
「ぐうぅ・・・。」
「カーチェ、お前のそう言う所にひかれたのだ。俺がこの世に一つしか無い宝を手放す商人にみえるか?」
「旦那様・・・。」
「グスタフ、話は終わりだ。カーチェ、何も心配はいらん。俺の隣にいてくれ。」
「旦那様の隣は二人でいっぱいなのですわ。」
「良い言葉だ、カーチェ。聞いたな、グスタフ。娘に諭される程、恥ずかしい事はあるまいよ。」
「済まなかった、ノモス侯爵。」
「お帰りはこちらからです。」
バウマンがそう言うとグスタフは大人しく出て行く。
そうだ、お前の、自身の力で解決して見せろ。
俺の尊敬する、アーサーのように!
その為の援助なのだったのなら、いくらでも任せてもらおうか。
「旦那様、惚れ直しましたわ。」
「うん?そうか、ではもう一度ベッドへ行こうか。」
「連れて行って下さるのかしら?」
「もちろんだ、マイ・レディ。」
そう言ってカーチェを抱き上げると、後の事はバウマンに任せて寝室へと行く。
・・・アーサーの癖が移ったか?
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【ノーモースー、来たぞー。】
「アーサー、今回は速かったじゃないか。」
【結婚式はありがとうな、予想通りに事が出来て満足だ。それで、至急の要件だって言うからね。で、七大悪魔の事か?】
「・・・違う。」
【ルイス達の店で使う商品の事か?】
「・・・違う。」
【ん?それ以外に何かあったっけ?】
「・・・。」
【ああ!帝都の神殿に『アリステリア』様の像を立てる話か?】
「・・・。」
【まさかとは思うが・・・ノモス・・・。】
「下着だ。」
【・・・。】
「寵姫達に下着を作ってくれ。」
【急に用事が出来た。この話は無かった事にな。】
「待て待て、それでは呼んだ意味が無いではないか!」
席を立つアーサーを強引に捕まえる。
【ノモス、何度も言っているが俺は鍛冶師だ!】
「分っている!分かってはいるが、作ってもらわねば困る!」
【こ、こら放せ!リターンが唱えられないじゃないか!】
「そこを何とかと言っているのだ!」
【ノモス、お前には非常に、良くしてもらってはいる。だが、それは違うだろう!】
「ええい、作ってくれん事には俺の顔が立たん!」
【知るか!もっと重要な件だと思ったぞ!】
「これはこれで重要ではないか!」
【ええい、放せ!】
「作ってくれたのなら、寵姫様達も喜んでくれるではないか!」
【もうその手には乗らんぞ!】
「ええい、了解したと言うまで離さんぞ!」
【ふざけるな!】
「っく、この解からず屋め!」
【いくら親友の頼みでも、今回ばかりは逃げさせてもらう!】
「っく、バウマン!」
それまで置物のように静かだったバウマンが話を始める。
「アーサー殿、こう考えてはいかがですか?美女の相手をする事が出来ると・・・。」
【美人相手って言ったって、義理とは言え母親ですよ?】
「そうです、アーサー様、親孝行をなされるのは貴方様しか出来ないやり方でするのが良いでしょうなぁ。」
【バウマンさん、なら神殿に『アリステリア』様の像を作る方がよっぽどいい事じゃないですか!】
「アーサー様が来てからの皇帝陛下は、それはもう昔の覇気が戻って来られたように元気になられました。」
【・・・。】
「それに、貴方様は気付いておられるでしょう、陛下が活き活きとしている事に!」
【そ、それは・・・。】
「それに、まるで本当の息子のように・・・貴方を可愛がっておられる。」
【・・・。】
「その義理とは言え、敬愛する父親の頼みを聞いてはくださらないのですか?」
【バウマンさん・・・。】
いいぞ、バウマン。
「下着とは言え、手作りの物を贈って差し上げる事が出来るのです。これを親孝行と言わずして何と言いましょうか?」
【・・・分かった。】
「アーサー様、今何と?」
【俺だって気付いてるさ・・・親がいつまでも生きている訳ではない。それにセリスの事も待たせてしまっているからね。今回はそれで許して頂こう。】
「おお、アーサーよ。頼んだぞ!」
「ですが、報酬が何も無い訳ではございません。」
【いや、報酬はいらないよ、今回はプレゼントとして贈らせてもらおう。】
「いいのか?」
【そうだよな、どんな事でも「親孝行」はするべきだよな。】
「分って頂けたのならばよろしいのです。」
【義父上は自室かな?】
「今の時間は公務はされておりません、自室でしょう。」
【じゃあ、王宮に行って来る。】
「アーサー様、ありがとうございます。」
「済まんな、アーサー。」
そう言うとアーサーは魔法を使い王宮へと向かってくれたようだ。
「バウマン、助かった。」
「いえ、しかし・・・もうこの手は使えませんぞ?」
「・・・分かっている。だが、次からは頼んだら作ってくれそうだな。」
「はい、『情』をアーサー様に使ってしまいました。私もまだまだでございますな。」
「・・・俺も同じだよ、バウマン。」
陛下から下着が素晴らしいと連絡があったのは次の日だった。
「やってくれたか・・・済まないな、アーサー・・・。」
・・・しまった。
折角当人に会ったのに、新商品の事を聞くのを忘れていた。
俺はその事を後悔する事になる。
ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます!
まずは、いつものから!
評価、イイネ、ブックマーク等々。
皆様には感謝しかございません。
はっはっは
ゴズッ!!!
ぎゃうん・・・。
「皆様、大変申し訳ありませんでした!336話と338話が同じ内容でございました!」
「そろそろやらかすと思っていたのよね・・・。」
「申し訳ありませぬ、ミカ様!」
「謝るのは読者の皆様にでしょうがーっ!」
ゴギン!
「う、うごご・・・。」
「皆様、申し訳ありませんでした。」
「またやらかさないように見ておきますので今後とも応援をよろしくお願い致しますね。」
「す、すみませんでした・・・。」
「申し訳ございませんでした!」




