その後のフォマルハウト
皆様、新しい物語が綴られました。
お楽しみ頂ければ幸いでございます。
それでは、お楽しみください
洞窟内にも光が入って来たようだ。
目が覚めると天幕内が徐々に明るくなっている所だった。
洞窟の中だから、思ったよりも遅い時間なのかもしれない。
うん、本日も良い天気のようだ。
そしてセリスの胸に顔を埋めている自分に気付く。
・・・柔らけぇ。
鍛錬をしているからなのか、若さなのか、双丘は張りがあって素晴らしい。
フニフニと揉んでいると気が付いたセリスと目が合う。
「旦那様は甘えん坊だな、そのままでいいから優しくするが良い。」
と、後ろからクレアの手がマイサンを包む。
「暴れているのはこの子かな?」
そう言ってマイサンを握り挑発して来るクレア。
ふおおぉぉ!
朝だから元気なんだよ。
ああ、セリスまで!
夜は一生懸命がんばったのにっ!
朝からマイサンが嬉しい事に!?
「あふん!?」
朝から大変に気持ち良かったです。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
朝食を爺さんと四人でとると本日の行程を確認する。
「・・・と言う予定となっております。」
こういう時はセリスがスケジュールをまとめてくれるので大変にありがたい。
【シェラハザードさん達からは、報酬として皮を多めにいただいてあるから後は見送るだけだね。】
「はい、旦那様。」
【ゲートで見送るにしても、バイジンへのゲートは無いんだよね。】
「旦那様、オーカムに寄ってから軍をまとめ上げねばなるまい。その後にフェアリー・ゲートならばよろしいかと思われます。」
【あー、そうだったね。ありがとう、セリス。】
「まあ、あの者達ならば問題はあるまい。ところで、あんちゃん。」
【何かな、爺さん。】
「アレックスに任せてはいるが、今日中にオーカムには帰りたいのだ。」
【フォマルハウトで何も無ければ、すぐにでも帰れますよ?】
「ネストに任せているから治安の方は問題無いとは思うが、そろそろレガイアからの報告書が上がってきているはずじゃ。」
【そうすると爺さんが執務室を空ける訳にはいかないだろうね。緊急での連絡があったら困るよな。】
「まあ建築資材が無いのだとかそう言うのだけだとは思うがの。」
【分かった、考えておくよ。時間はどうだろう、そろそろ片付けてもらおうか?】
そう言って天幕を指さす。
「そうじゃの、こちらも準備をするか。」
爺さんの支度が終わると、工兵さん達に天幕を片付けてもらう。
シェラハザードさん達の陣後に向かう。
挨拶をするとシェラハザードさんとアダムスさんが出て来てくれた。
まあ、バイジンで、また会うかもしれないからね。
帰りの経路を説明すると納得が行ったのか肯いてくれた。
最後にジャスティン達と別れの挨拶をしているようだ。
「シェラハザードさん達が依頼を受けてくれていて、ありがたかったですよ。」
「なに、オーガの牙の実力も見れたからの、今度はバイジンに来ると良い。歓迎致すぞ?」
「機会があれば必ず。それでは、貴女達にポレモスの加護のあらん事を!」
「「「加護のあらん事を!」」」
「さらばじゃ、皆の衆、また会おう!」
【じゃあ、オーカムの北にゲートを出すよ。アレックスさん、少し待っててくださいね。】
「分かった、ヘファ殿!」
その声を背にオーカムの北にゲートを開く。
ゲートにシェラハザードさん達が突っ込んで行く。
最後にアダムスさんが礼をして潜るとゲートを閉じる。
シェラハザードさん達を見送ると、少し賑やかだった人達の事を思い出す。
気持ちの良い人達だったな・・・。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
アレックスさんと兵隊さん達を同じようにオーカムに送ると、俺はフォマルハウト城前にゲートを開いた。
「うむ、落ち着いているようじゃな。」
【そうだね、変な気配は無いかな・・・。】
「城に向かおうかの。」
【ジャスティンさん、オーガの牙を左右に展開して下さい。後ろは三人が見ます。】
「ダン、アンナ、ディアナ、左へ。」
ジャスティンが指示を出すと左に三人右に三人、後ろにセリスとクレア、師匠がついてくれる。
爺さんの正面には俺がつく。
とりあえず襲われても何とかなるだろう。
城門にて誰何を受ける・・・はずだったのだが、俺の顔を知っている兵士さんらしく爺さんの事も確認すると御辞儀して通してくれた。
さて、ネストさんはどうなってるかな?
兵士が執務室まで案内してくれる。
執務室の前に行くと、唸り声が聞こえて来た。
コンコン
「ネスト様、大公閣下と紅玉殿達がおみえです!」
「すぐにお通しして下さい!」
そのすぐに帰って来た返答に苦笑いしながら爺さんと顔を合わせる。
「皆、少し待っていてくれるかの?」
「構いませんよ、大公閣下。」
ドアを開けてくれたので護衛できている人を待たせ、爺さんと二人で中に入る。
ジャスティン達には遠慮してもらった。
部屋の大きさが分からなかったからね。
「大公閣下、紅玉殿、お待ちしておりました。」
「ネスト・・・痩せたのぉ。」
「何せ執務室から出るのは用をたす時ぐらいからですしね。鎧などぶかぶかになって着れない程ですよ。」
【その様子ですと・・・御飯を食べていませんね?】
「食べている暇などありませんよ。まずは、こちらの書類をご覧ください。」
「・・・デエビゴ商会より『金貨五百枚を受け取る。』、こちらはペリドール商会より『金貨八百枚を受け取る。』・・・まさか、裏金か!?」
「このような裏金商会と繋がっていたのですよ、しかもまだまだあります。」
武官のネストさんが調べてもこれだけの物が・・・これでは賄賂を受け取っていない官を見つける方が大変だ。
「私にも賄賂を贈って来ましたのでその場で取りおさえ、牢屋に入れてあります。おかげさまで牢屋はほぼ満員ですよ。」
「ネスト、その賄賂を民の為に使え。緊急時以外はお主の判断に任せる。」
「かしこまりました、それと・・・こちらをご覧ください。」
ネストさんはそう言うとリストを渡してくる。
見ていた爺さんの顔が赤くなって来た。
「・・・こ、これは!?」
「はい、腐っている部分が多いので信じられない情報かもしれませんが、アンドレイ伯爵だけではありません。フォマルハウトの領地だけでこのような状況になっております。」
【その言い方だとまだあるの?】
「はい、この領の高官のほとんどが、賄賂を受け取っております。商会から裏帳簿も見つけ押収しました・・・それとアンドレイ伯爵の裏帳簿の隠し財産を我らで抑えられました。」
「財産は没収したもの以外にもあったのか。これは、早急に官の人事を見直さんといかんな。」
「それが良いかと、隣町を統治しているはずのベリオ男爵やドワイト男爵も年貢を七割にして民を苦しめております。」
「何と言う事か・・・これだけの証拠があるのであれば言い逃れは出来んな。」
「はい、隊長を派遣した方がよろしいかと、それと大胆な政策をうちませんと・・・このままではレガイア陛下の治世も危ないと思います。」
「そうか・・・何とかするしかないのぅ。」
【レガイアさんの事は任せてくれ。頼りになる護衛を見つけた。まだ一人だけどね。場合によっては俺も護衛に行く。】
「一人でも信用できる人間ならばありがたいですよ。なにせ、まったく人手が足りないですからね。」
「まずは査察に入れる人材を見付けないとのぉ、しかも早急に・・・。」
【爺さん、早急に必要ならセリスとクレアに頼んでみるけど?】
「それも考えに入れておこう。すまんな、あんちゃん。」
「それと年貢の率ですが、私の権限で年貢の率を三割まで落としました。一時しのぎですがこれだけでも民は助かるはずです。」
【代官に出来る人材のめどは?】
「そろそろ例の掲示板の募集時期じゃ・・・来てくれると良いのぉ。」
【ああ、例の奴か・・・落ち着いたら俺も参加するよ。】
「頼む、あんちゃん。ネスト、苦労をかけるがしばらく頼む。」
「大丈夫ですよ、偉そうな事を言いますと、我らは公爵様や国王陛下の事を見ており、知っております。」
【そうだぜ、爺さん。俺達は爺さんやレガイアさんの事をよぉ~っく知っている。だから付き合うんだよ。】
「すまん、二人共。ネスト、しばらく任せる。民の為になると思ったらやって見ると良い。後は助言通り、各男爵領にアレックスを派遣させよう。」
「それがよろしいかと。」
【じゃあ、爺さん・・・一度帰るか?】
「そうじゃの、情報の整理もせんとな。」
【それでは戻りますかー。】
前途多難だなあ・・・。
何とかしてやりたいんだけど、俺の手にも限界がある。
とりあえず帰ったら、近いうちにマーデン殿を迎えに行くか?
ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます!
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拙者の小説を色々な方々が読んで頂いている。
嬉しすぎです。
それでは 次話 色々としてあげたい(仮 で、お会い致しましょう!
御疲れ様でした!




