双子、三度
皆様、こんにちは。
新しい物語が綴られました。
お楽しみ頂ければ幸いでございます。
復興中で余裕の無い王国には、魔剣の素材を大量に買えるだけの国費が無かった。
その為に俺達の取り分から素材を、十分ではないが買う事には成功した。
第一の功績はシェラハザードさん達に、第二の功はオーガの牙へ。
第三の功として俺、セリス、クレアの分の分け前をもらえた。
シェラハザードさん達は素材を俺への借金に充てるつもりらしい。
オーガの牙からは素材から武器、防具を作るように俺が預かった。
シェラハザードさん達とはこの件が済んだらお別れだ。
長かったような短かったような・・・。
濃い時間を過ごせたのだろう。
ドラゴンの牙や骨、皮や血液などを鑑定して書写スキルで鑑定書を作る。
この状態の鑑定書に関してはフロスト・ドラゴンの物だと言う鑑定書までしか作れない。
だけどその鑑定書が無いと希少素材でも信用が無いので売れない。
本物と証明できるものは、その鑑定書のみだからだ。
そして、その鑑定書にサインをした者の責任は重い。
王国は例の件があったので逃げ出した商人達が多い。
その為に鑑定依頼があまり優先されなかったのだけれど、ここには俺しかいないので大忙しだ。
俺の作ったサイン入りの鑑定書に爺さんがサインをして完了。
俺は言われるがまま鑑定を続ける。
書類が出来上がると鑑定者の欄にサインを次々と書いて行く。
これであれば安心して購入して頂けるのだろう。
なにせ尊爵と公爵のサインだ。
自分で言うのもアレだがね・・・。
ザワザワ・・・。
騒ぎがおきたのは、昼の用意をしようとしている時だった。
「ワイバーンだ!迎撃用意!」
「待て、白い布を掲げているぞ!」
「攻撃は待て!」
「降りてくるぞ!」
「旗を見ろ!公国の旗だぞ!」
外からそんな声が聞こえて来た。
「騒がしいな・・・何があったんじゃろうかの?」
【一体、何の騒ぎ?】
気になったので顔だけを天幕の外に出して見張りに聞いてみる。
「ヘファイストス様、ワイバーンが二匹、上空に出現しました!」
【何か叫んでるみたいだけど?】
耳を澄ませると何処かで聞いた声が・・・。
「ドリュカス公はいらっしゃいませんの?」
「アーサー様もでしてよ?」
その声を聞いて背筋が寒くなる。
ま、まさか・・・!?
ワイバーンがゆっくりと着地する。
「ゴフアァァァ・・・。」
もう一匹も着地成功。
「ゴルウゥゥゥ・・・。」
着地したワイバーンから兵が一人降りると、ワイバーンに向かい立つ。
その騎士の肩を足場に使い洗練された動作で女性達が降りて来た。
もう一匹からも同じように降りて来た。
まだ、爺さんの天幕から顔を出していたのでその声の主達と目が合ってしまった。
「「あ、いらっしゃいましたわ!」」
何か全身皮鎧に防寒具を着たゴーグルをつけている人物が二人こっちに近付いて来る。
ゴーグルを防寒具の帽子の方にあげると、その顔が分かる。
ああ、あの双子だ。
平穏な日々よ、ありがとう、そしてさようなら。
皮鎧越しだけれど、両側から柔らかい物が俺の両腕を包む。
「アーサー様!お会いしとうございましたわ!」
「ねえ、手紙の返事ぐらい書いてくれても良いわよね?」
ああ、こんな現場で会う事になろうとは・・・。
【二人共、御久し振りでございますね。】
「もう、いつものように、な・ま・え、で呼んで下さいまし!」
「そうよね、姉様。」
【アーゼ様、リーゼ様。お久しぶりでございます。】
挨拶をしているとセリスとクレアが近づいて来た。
「アーゼ女王陛下、リーゼ王妹殿下。お久しぶりでございます。」
「お初にお目にかかる。クレアと申します。御二人の噂は常々・・・。」
そう言った二人の嫁は跪いたが怖いオーラが出ていた。
困ったねえ。
「ふふっ、セリス・フォン・アストゥラピ・クヴァール。あの御転婆姫が、跪いているのね。」
「一国の王に対する礼儀を知ったのかしらね?」
「・・・。」
やめて、それ以上煽らないでくれないかな?
後が怖い。
すると、セリスが顔を上げ一言、にこやかに言い放った。
「失礼ながら、御二人共。私の名前は「セリス・フォン・エターナル」でございます。お忘れなきように。」
「「・・・。」」
空気が三人の間でバチバチと視線で音をさせているようだ。
ああ、この二人も怖い。
こっちも現在進行形だ。
セリスは、してやったりと言わんばかりの笑顔をしている。
出来ればその青筋を消して頂きたい。
「アーサー様、ドリュカス公はどちらにいらっしゃるのかしら?」
青筋を浮かべたまま、にこやかに俺に聞いて来るアーゼ様。
【ワイバーンはどうするんですか?それに、ドリュカス公でしたらその天幕にいらっしゃいますよ?】
今出て来た大きめの天幕を指さす。
「ワイバーンの件もお話を致しますわ。ライオ、トッド、任せます。では、案内して下さいまし、アーサー様。」
「もちろん、案内して下さるのよね?」
えっと、そこの天幕なんだけどな。
まあいいか。
【はい、それではついて来てくださいますか?】
「もちろんですわ。貴方様との挨拶は後程じっくり。」
「ふふっ、姉様、久しぶりなのです。後程じっくりと、味わわせていただききましょう。」
【はっはっは・・・。】
この後がどうなるか怖いぜ。
「では、旦那様。護衛はお任せください。」
「護衛は任せて頂こうか、主君。」
くう、後ろからの視線が痛い。
近いうちに頑張らないとなぁ。
【こちらでございますよ、アーゼ様、リーゼ様。】
と、爺さんのいる天幕の前まで来た。
護衛の二人に大丈夫ですと告げる。
「アーサー様は、入りませんの?」
「入ってちょうだい。護衛の二人はここでよろしいですわ。」
「では、入り口で待たせてもらおう。」
「そうだね、主君に何かあっては困るからね。」
「御自由になさいな、では行きましょう、アーサー様。」
【はい、アーゼ様。】
「あら、名前を呼んでくれるのは姉様だけなのかしら?」
【もちろん、リーゼ様もですよ。】
「「では、入りましょう。」」
天幕の外で護衛をしている兵士に公国の女王陛下と宰相閣下が来た事を伝える。
慌てて天幕の中へ入っていく兵士さん。
まあ、こんな所に女王陛下と宰相閣下が来たんだ。
そりゃあ、慌てるだろうね。
天幕の中に入ると書類の中から慌てた爺さんが出て来た。
「これは、アーゼ女王陛下とリーゼ宰相閣下、このような場所に何用かな?」
「突然の訪問を失礼致しますわ。少々、お話はよろしいでしょうか、大公閣下?」
「大丈夫じゃよ、リーゼ宰相殿。」
そう言うと爺さんは二人と「オマケ」を見渡す。
オマケ?
俺の事だよ。
爺さんの護衛兵が、なるべく上等な椅子を二脚用意すると、二人はその椅子に腰を掛ける。
俺は二人の少し後ろに控えてみた。
ワイバーンに乗って来るとは、またなんかやったのかな?
バドラックさん、頼みますよ。
いや、本当に・・・。
「それで、御二人は何用でこちらに来られたのかな?」
「公におかれましては、誠に精力的な活躍をなされておいでで、誠に羨ましい限りでございます。」
「はい、その噂は我が国にも聞こえて来るほど、誠に壮健そうで何よりでございます。」
「それでは、本題に・・・今回の来訪は竜の素材の件についてでございますわ、リーゼ。」
「はい、率直に申し上げます。我ら、公国ではワイバーンのテイムに成功致しました。」
ワイバーンは人を乗せる事の出来る空飛ぶ亜竜の事だ。
テイミング能力が七十以上無ければ乗る事は出来ないはず。
それに、餌やりが大変なんだよね。
以外にグルメなんだ。
ゲームではホワイトロックシチューと言う物しか食べなかった。
「な、なんと!ワイバーンのテイムとなっ!?」
「はい、その成功を元に軍にワイバーンの航空部隊を試作的に作る事と致しました。もちろんではございますが対魔王関連での利用に絞らせていただきます。」
「こ、航空部隊ですと・・・!」
「そこで噂を聞きまして、何でもバイジンからの御客様が、王国にいる竜種の特殊個体の討伐をされると・・・。」
「ほ、ほう、お耳が早いですな。」
爺さん、早いどころじゃねえっすよ。
討伐したのはつい先日だ。
今だって、その後処理をしている所だぞ?
「そこでですわ、抜け駆けのようですが、希少素材を買わせて頂きたく、直接伺ましたの。」
「我ら王国は構いませんが、その航空部隊と言う物は大丈夫なのですか?」
「はい、まだ試作段階でございますが、御覧いただいたようにテイムした本人を乗せて飛行する事に成功しております。」
「テイムした本人が乗っていれば最大で二人までは運べますわ。」
実際に見せてみた訳だからね。
説得力がありますね。
「それは素晴らしい、それで本日の御用向きは、必要な希少素材の購入でよろしいのかな?」
「現段階では金属の鎧は重すぎるようなのです。なので皮鎧にしても上等のドラゴンの皮と牙を購入したく、ここまで参りましたの。」
「もちろんですが、紅玉様にその牙による武器と皮鎧の作成をお願い致したく、その相談にも参りました。」
「部隊の鎧を軽量のドラゴンの皮で作る所から試してみようと思いまして。」
「我らで出来る事ならば、協力しようではありませんか、なあ、あんちゃん。」
っく、逃げられなくされた!
分かっててやってるな、爺さん。
「誠に感謝致しますわ、大公閣下。」
アーゼ様がそう言うと二人は俺の方へ振りかえる。
・・・あ、俺の返事待ちか!?
【大公閣下がよろしければ、ヘルシャーの七大悪魔の件が済み次第にはなりますが、手を付けさせて頂きましょう。】
「誠ですか、アーサー様!?」
「確かに、お約束いたしましたわよ?」
そう言って二人はニッコリと微笑む。
も、もうその笑顔には騙されないぞ?
滅茶苦茶可愛いけど・・・。
いやいや、騙されないぞ!
「それで、大公様。竜の素材の交渉をしたいのですが、お時間はよろしいかしら?」
「構いませんぞ、あんちゃんはどうする?」
「私共としましては、是非御一緒に聞いて頂ければと思いますが?」
「一緒に聞いてくれるのよね?」
二人はニッコリと微笑む。
くう、逃げられないね。
【ええ、構いません。御邪魔でなければ、お付き合い致しましょう。】
「それでは、よろしくお願い致しますわ。」
するとアーゼ様が立ち上がり俺の手をひいて、椅子に座らせる。
と、その膝の上に乗って来る。
ちょ、やめて、爺さんの前ではやめて!?
と、その爺さんはニヤニヤと俺の方を見ている。
ちょ・・・爺さん、そう言うのは止めて欲しかったなぁ。
「おほん、それでは早速ですが値段の交渉に移りたいと思います。まずは実際に買い取れるドラゴンの皮の在庫からですね。出来るだけ買い取りたいと思っております。」
「あんちゃん、相場はいくらぐらいなんじゃ?」
【通常の取引で行っている竜皮だと一枚で金貨五枚ですね。ですが、ここは将来を見るべきです。公国に恩を売れ、成功した暁にはワイバーン部隊と言う航空部隊の力を借りる事も出来ます。】
「そうじゃな、あんちゃん。出来る限り融通するのが良いな。これは公国だけのものではないのじゃからな。」
「まさに、まさに!アーサー様のおっしゃる通りですわ!」
「ええ、わざわざ赴いた甲斐がありましたわね、姉様。」
物凄く嬉しそうだ。
不格好な皮鎧越しでもその柔らかい部分が当たる。
いや、当てて来る。
アーゼ様、分かっててやってますよね?
【国の在庫にする物は買い取ってもらってもよろしいかと。何より資金はいくらあってもよろしいかと思われます。】
「あんちゃん、レガイアの鎧の分はどうなるんじゃ?」
【それは我々の在庫から出させて頂きますよ。爺さんと二人分ぐらいなら全然大丈夫だからね。】
「すまんの、あんちゃん。それでどうかの、二人共。」
「私達の融通を聞いて頂けてありがたいですわ、大公閣下。」
「心遣い、ありがとうございます。」
そう言うとアーゼ様がキスをして来る。
もちろん俺の膝の上に座っているので動けない俺に拒否権は無い。
良い匂いがする。
柔らかい物が当たる。
ええい、惑わされるな!
「確認出来ている物で500枚の皮は用意できそうじゃな。」
【それなら爺さん、アレックスさんとネストさんとアーディーのぶんも作るよ。あと、レガイアさんの護衛役として役立ててほしい人を見付けてある。その人の分も作ろう。】
「おお、人材は有難いぞ、あんちゃん。その者の分までの鎧は作って頂こうかの。」
【ああ、誠実さで選んである。アーディーと同じく面倒を見てやってくれ。】
「では、ここからは商談とさせていただきますわね。」
「リーゼ、任せましたよ。」
「姉様・・・後悔はさせませんわ。」
「こ、これは手強そうじゃのお。」
「ふふっ、それではまずは・・・。」
ランプの鈍い光がそう言ったリーゼ様の唇を怪しい色で照らしていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
交渉は終始リーゼ様の優勢で終わった。
絞られたな、爺さん。
まあ、金銭の援助も頂いているようだし、仕方が無いと割り切るしかないだろうな。
皮の在庫はほとんどなくなったようだ。
御疲れさん。
しばらくするとアーゼ様から提案があった。
「大公閣下、今後の為に現場を見ておきたいのですが、アーサー様をお借りしてもよろしいですわよね?」
爺さん断ってくれ。
「ああ、構いませんぞ、アーゼ女王陛下。あんちゃんを二人の護衛に付けよう。それと・・・。」
爺さんがそう言うとアーゼ様が爺さんの近くへと歩いて行く。
『少し・・・でして・・・くだされば・・・ええ、構いません・・・。』
『それで・・・御二人が・・・大丈夫・・・結構じゃ。』
聞き耳をたててもそれぐらいしか聞こえなかった。
「まあ!素晴らしいですわ!」
爺さんがアーゼ様に何か言っていた。
そのニヤニヤしているのは分っているんですね?
くっそ、生贄にされた気分だ。
話が終わると、仕方がないのでアーゼ様とリーゼ様の手を取りエスコート。
天幕を出れば俺の嫁さんがいるだろうしね。
天幕から出ると、唯一の希望が!
あれ?
その二人がいないぞ?
護衛の立っているはずの、誰もいない空間を見つめる。
【あれ?俺の嫁さん達は?】
「ヘファイストス殿!」
【あれ、アーディーじゃないか、どうよ、少しは慣れたかね?】
「ああ、やりがいがあってな、楽しませてもらってるぜ。おっと、それより報告だ。」
俺の前でビシッと敬礼をすると跪く。
「報告!フロスト・トロール、約二十体の群れに攻撃を受けました。失礼ながらセリス様とクレア様にも協力を頂いて排除しております!」
【報告苦労、その程度ならば今の二人ならば問題はないであろう、念の為、オーガの牙も動かし速やかに撃退して見せよ!】
「ははっ!お任せください!」
そう言うとアーディーはウインクをして去っていった。
【流石に魔境だなあ・・・。】
「魔境・・・でございますの、アーサー様?」
【ええ、アーゼ様。この白竜山脈は、ほとんど手つかずの山なのですよ。調査をしないと分かりませんが鉱脈の眠っている可能性もあります。】
「「・・・。」」
ツツーっとアーゼ様が左から、ツツーっとリーゼ様が右から寄って来た。
それぞれの手を取られ、陣中を見て回る。
公国から来たであろう二人の護衛は見当たらない。
ワイバーンの面倒でも見ているのかもね。
一国の女王と宰相の護衛がたった一人とは・・・。
「アーサー様、もう少し奥の方へ行きませんか?」
【奥に行くと竜の巣の残骸がありますよ。】
「後学の為にも見ておきたいですわ。」
【本当に残骸しかございませんよ?】
「構いませんわ・・・その方が人もいないでしょうし。」
【アーゼ様、何かおっしゃいましたか?】
「気のせいですわ。」
「気のせいでございますわ。」
【御二人がそう言うなら気のせいなのでございましょう。それで、残骸なのですがもうほとんど撤去が終わっておりまして、見るべきところはありませんよ?】
「アーサー様のこういう所は天然なのかしらね、リーゼ。」
「姉様、私達で染めさせて頂ければもっと好みの男性になって頂けますわよ。」
「その通りね、リーゼ。」
【ん?・・・はぇあ?】
油断はしていなかったのだが、何故か側に立っていた天幕に連れられ、何故か置いてあるベッドの上に押し倒された。
【いたた、アーゼ様、リーゼ様、何をなされるんですか!?】
「ふふ、もう我慢しなくてもよろしいわよね?」
「よろしいですわよね、姉様?」
【ちょっと待って、二人共、何をなさるんですか!?】
「何って、男女がいればまぐわうのが常でございましょう?」
「もう我慢できませんわ!」
そう言うとアーゼ様が皮鎧を脱ぎ捨て、肌着姿になる。
さらにリーゼ様も皮鎧を脱ぎ捨て、肌着姿になる。
あー、下着の事を伝えてなかったな。
肌着になった二人が押し迫って来る。
そう言えばこの二人に下着は作っていなかったな。
まさか、爺さんが囁いていたのはこの天幕の事か!?
あの爺、俺を売りやがったなっ!
【アァーーー!】
しばらくの間、俺は二人とイチャイチャしたのだった。
・・・大変に気持ち良かったです。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
二人が満足するまで頑張ったおかげなのだろうか、何でかお肌のツヤツヤな二人を連れて爺さんの天幕の方へ戻って来た。
もちろん皮鎧を着ている。
何を着せても美人さんは得だね。
「ふふっ、これでしばらくは大丈夫ね。」
「左様でございますわ、姉様。」
「これも、アーサー様が悪いのですわ!」
「そうです、たまには公国にも御遊覧になられてくだされば・・・。」
【アーゼ様、リーゼ様、御二人の事は大切に思っております。その・・・強引になされなくても、御二人の誘いを断ったりは致しませんよ?】
「リーゼ!」
「御姉様!」
ガシッと手を繋ぐ双子。
何かに満足しているようだ。
【そうだ!リーゼ様に伺いたい事がありまして。】
「な、何故にリーゼなのですか!?」
「御姉様ではなく私に!?い、いいですわ、御姉様とはサイズは変わりませんわよ?」
【いや、そうではなくて、「アフトノミアダンジョン」は見つかっているのですか?】
「「・・・。」」
二人の顔が真剣になった。
何か地雷を踏んづけた?
「確認は出来ておりませんが、野生のレッド・ドラゴンが現れた事例から見るに、我が国にあるのは間違いは無いと思われますわ。」
【なるほど・・・確定では無いと?】
「左様ですわ、アーサー様。確定ではありません。」
【かしこまりました、今回の件とは関係が無いんですね?】
「アーサー様、その御話はどちらから・・・?」
【いや、対ドラゴン用としての牙と骨を買い付けに来られた御様子だったので、見つけたのではないかと思いまして。】
「発見したのならば、各国と同じようにダンジョンは解放いたしますわ。」
今はそれで良いだろう。
まだ未発見と言う事で今回は手をうっておこう。
さて、フロスト・トロールの方はどうなったかな。
洞窟の入り口に戻ると、決着が付いていたようだ。
流石にフロスト・トロールぐらいでは、俺の嫁達を止める事は出来なかったのだろうね。
敵は見事に撃退されていた。
そんな中、俺を見つけた嫁さん二人が駆け寄って来た。
「旦那様・・・御二人と親交を深められたのですね。」
「主君、酷いではないか。我らも可愛がってくれるのだろうね?」
バレテーラ。
【もちろんですよ、それで、フロスト・トロールは殲滅ですか?】
「ドラゴンと比べると、いささか物足りなかったですな。」
「うむ、我らの敵ではありませんでした。」
「お、紅玉殿。何処に行っていたのだ、戦闘時には見かけなかったが?」
【ああ、シェラハザードさん、ちょうど良いですね。御紹介致します、こちら、オルタンシア公国のアーゼ女王陛下とリーゼ宰相閣下です。】
「おお、これはこれは、お初にお目にかかる。「金狼牙傭兵団」、銀狼牙傭兵団に所属している狼牙将が一人、シェラハザード・サダラーンと申します。以後よろしくお願いしたい。」
シェラハザードさんが跪いて挨拶をする。
アーゼ様が何処からか扇子を取り出すと開き、口元を隠すようにあてる。
と、挨拶に返答をしだした。
「これは丁寧に、公国女王、アーゼ・グラン・バドズィナミア・オルタンシアです。」
「宰相のリーゼ・フォン・オルタンシアでございます。今後ともよしなに・・・金狼殿はお元気でございますの?」
「カッカッカ、あの方は殺しても死なぬよ。おっと、これは失礼申しあげた。」
「気には致しません、シェラハザードとやら、これからの活躍を期待しておりますわ。」
「女王陛下も、玉体に気を付けられよ。では、仕事に戻らせて頂こう。」
「・・・下がってよろしい。」
「では、失礼致す!」
礼をして下がって行く。
なんか話を打ち切るような感じがした。
気のせいだよね?
その後、ジャスティン達に挨拶をして、一段落着いた所で二人の為に天幕を用意した。
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皆様に最大の感謝を!
それでは 次話 台風一過(仮 で、お会い致しましょう。
御疲れ様でした!




