表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
45/62

5-4

 西沢美夜古の殺人を模倣した事件が起きてから4日が経った。良明は、この4日が3週間くらいに感じていた。それくらい、様々なことが起きたのだ。

 良明は、刑事である朝比奈に次に起きる事件を防ぐことを託し、自分は6年前の事件を洗いなおすことに専念していた。そのために良明は、西沢美夜古とも親交があった不動産会社の社長の家に向かっていたのだ。

 3日前、良明は6年前に2件目の殺人事件が起きた不動産会社へと足を運んだ。そこで、1人の社員から美夜古が、被害者である下山剛と親交があったとの証言を得た。そして、美夜古は6件目の殺人が起きた孤児院にボランティアに行っていたことも明らかになっている。その6件目の被害者は、美夜古と本当に付き合っていたと言われている時田和夫である。

 この2件の殺人も、全て西沢美夜古がやったことなのだろうか。それを明らかにするためには、美夜古と親交があった人物に話を聞くしかないと、良明は考えていた。

 良明は、3日前に不動産事務所の社員に教えてもらった住所を基に、社長が住む家を探していた。和白を過ぎて、海沿いを歩き、海ノ中道の近くまでやってきた。

 良明は、海沿いに1軒だけたたずむかなりの豪邸を見つけた。

「ここか…」

 その家の玄関の横に書かれてある番地を確認した、あの社員に教えてもらった住所の番地と一致していた。表札には、西浦と書かれてあった。良明は事前にこの会社のことをインターネットで調べていたが、社長の名前は西浦栄良とあった。これにより、良明はここがあの不動産会社の社長の家であることを突き止めた。

 良明はインターホンを押した。しかし、中からは誰の返事も聞こえてこなかった。良明の事前の調べによると、西浦は独身の独り暮らしということであった。

 3日前に会った社員の情報によると、3日前は出張に出ていてが、昨日の夜にはすでに帰宅していたはずだ。

 良明は、玄関のドアノブに手をやり、とりあえず捻ってみた。すると、玄関の鍵はかかっておらず、すんなりと家の中があらわになった。良明は、誰かいるのだろうかと考えたが、家の中は真っ暗で、人の気配がしなかった。

「すみませーん!」と良明は大きな声で叫んだ。しかし、反応はない。

 良明は、もう一度玄関の横に書かれてある番地を見た。

嫌な予感がした。なぜならば、そこに記載されてあった番地番号は18-5であった。こないだ殺害された江川聡の自宅に届けられた紙には、18という番号が記載されていたのだ。今まさに、西沢美夜古が犯した事件を模倣した事件が起きているとしたら…

そう考えた良明は、真っ暗な家の中へと飛び込んで行った。

「西浦さん!」と何度も叫んだが、返事はなかった。リビングを開けるが誰もいない。そのまま2階へと上がり、1番近い部屋のドアを開いた。

 すると、そこにはうつむきに横たわる男性の姿があった。男性が倒れていたところの床は、真っ赤な地で染まっていた。

 良明は持参していた軍手をしてから近付き、その男性に触れた。

脈はなかった。男性の頭は血で染まっていて、頭を前から撃たれて殴り殺されたことが容易に分かった。

 良明が遺体を見ていると、男性が手に何かを握っていることが分かった。良明は、唐突にその手を持ち上げ、手のひらを開こうとした。しかし、そこで良明は、もう一つ気になることを発見してしまった。

 血に染まる床にその手をついていたはずなのに、手のひらや袖口に血はついていなかった。

「何故だ…」と良明はつぶやいた。

 良明は、男性が持っていた紙きれを手に取り、それを広げて目に通してみた。するとそこには、「西沢美夜古からの警告。都市開発を止めろ!」と書かれてあった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ