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服田は、西沢美夜古が6年前に計画されていた都市開発計画を止めたと言った。確かに、美夜古が大地主であった5人を殺害し、これにより都市開発計画が止まったのであれば美夜古が止めたと言っても言い過ぎではないのかもしれない。しかし、良明の頭の中には引っかかるものがあった。それは、美夜古が5件目の被害者である孤児院施設長、時田和夫の貯金通帳を預かっていたことだ。美夜古は取り調べで、自分のものと偽って過去4件の被害者から多額の金を受け取り、さらに時田を殺してそれを自分のものにしようとしたと証言しているらしい。
当時、美夜古の取り調べを担当した刑事は現在管理官に昇進していると、良明は朝比奈から聞いていた。朝比奈の話によると、取り調べ後も、度々美夜古に会うために獄中に足を運び、文音にも会いに行っていたみたいだ。良明は、その人はどんな人だろうと思い、徐にスマホを取り出して朝比奈に電話を掛けた。しかし、朝比奈は取り込み中であったのか、聞こえてきたのは「現在電話に出れません」という女性の声だった。
良明は他に当たれそうな人間を思い浮かべた。そして次は、こないだ教えてもらった相沢の連絡先を連絡帳から探し、番号をタッチした。
「ハロー。チェリーボーイ」と相沢はお決まりのセリフで電話に出た。
「相沢さん。今、大丈夫でしょうか?」
「大丈夫よ!暇してたから」
相沢がそう言ったので、良明は紹介してほしい人間がいることを相沢に伝えた。
「紹介してほしい人って、管理官?」と相沢は少し大きな声になった。
「はい、そうです。やはり無理ですか?」
「いや、それはそんなことないと思う。だって、取り調べて死刑囚になった人にも、その妹にも会いに行く人だから」
それから、相沢は少し間をあけて、「分かった。好きな女の子のためだもんね!聞いておく!」と明るい口調で話した。良明は、軽くお礼の言葉を述べた。
「それで、これから良明くんはどうするの?」
「はい。僕は、6年前の事件のことを調べるつもりです。とりあえず、6年前、西沢美夜古と親交があった、不動産の社長に会いに行くつもりです」
と良明が言うと、相沢は「その不動産って、2件目の殺人事件が起きた?」と良明に尋ねてきた。
「はい。そうですが」
「そう。気を付けてね」
「はい。そうします」
「じゃあね!チェリーボーイ」と相沢が言い、電話を切ろうとしていたので、良明は「ちょっと待ってください!」と慌てて止めた。良明は、相沢にもう一つ伝えておいた方がいいことを思い出したのだ。
「どうした?」
「徹也くんの自殺と6年前が関係あるかもしれません」
それから、良明は服田から教えてもらった詳細を、相沢に話した。相沢は、「こっちでも調べてみるね。もしかしたら、今、起きている事件とも関係あるかも」と言い、電話を切った。
良明はスマホを手から放すと、自分のベッドの上に飛び込んだ。そして、自分の部屋の天井を見上げる。明後日、不動産の社長に会いに行く前に文音と会えないだろうか。そんなことを考えていると、良明の意識は薄れていき、眠りについてしまった。




