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自殺調査の依頼を受けた翌日の昼前、良明は服田と共に、男子高校生の山西徹也が飛び降り自殺をしたマンションにやってきた。正確に言えば、自殺をしたと言われているである。そのマンションは7階建てで縦よりも横に大きい形で建設されていた。恐らく、一つの階に多くの部屋があるのだろう。
良明は血に染まったアスファルトの上に立ち、マンションの屋上を見上げる。徹也君はここから飛び降りたということを確認した。
良明と服田が一緒になってマンションの屋上に見上げていると、1人の女性が服田な話しかけてきた。
「お疲れ様です」
その声に気付いた良明は、視線をマンションの屋上から女性に移した。しかし、その女性は良明には目を合わせようとせず、その視線は服田に送られていた。
「あの、服田先輩。お疲れ様です」
「うるせーな。分かってるよ」と服田は屋上を見つめながら、しつこく話しかけてくる女性に言った。
「もう、失礼な!私はルール違反を犯してまで、小さな探偵事務所の探偵さんに協力しようとしてるのに」
その女性は、服田にそう言いながら、頬を膨らませて背を向けた。
良明はこの女性と服田の関係が気になり、「服田さん、この方はどなたなんですか?」と聴く。しかし、服田は「さあ、だれだろう?」と言い、まともに答えようとはしなかった。
女性はこちらに振り向きなおして、「そう言っているあなたはどちらさま?見たところ、絶対に私より若いよね。目下のあなたから名乗る!」
どうやらこの女性は、年が下か上かで序列を決める主義を持った人間であるようだと良明は感じた。まあ、年齢で上下関係を決めることは最も正しい考えであろうと思った良明は、「久米良明です。福岡産業大学、国際関係学部、心理学科で学んでいます」と言った。
女性は「ふーん」と言い、「なら将来は、カウンセラー?それともあの大学から私の職場に来る奴が多いけど、警察でもなるつもり?」と聞いていた。
警察と言う言葉を聞いた良明は、思わず「警察の方なんですか?」と女性に聞いてしまった。女性は、「まあ、そうだけど、私の質問に答えてないわね」と言った。
「すいません。僕は警察志望です」と良明は答えた。
その時、女性はニッコリと笑い、「つまり、警察になる勉強のため、探偵のお手伝い又はアルバイトをしてるってわけね。元刑事のもとで」と言い放った。全て図星であったので、良明は何を言い返すこともできなかった。
「お前はなかなか変わらないな。相変わらずだよ」
さっきの会話をずっと聞いていたのだろうか。服田は呆れた口調で話し始めた。
「今度は、お前が名乗る番だろ?後輩…」と服田が女性に向かって言うと、女性は、「分かりましたよ。服田先輩」と答えた。
「坊や」
「はい」
「私は、服田が刑事してたころの後輩で、バディの相沢桜です」
その女性は、相沢桜という名前を名乗った。どうやら服田が刑事だったころの後輩で、相棒だったらしい。
「相沢、行くぞ。遺体の写真とか持ってきてくれた?」
服田は相沢にそう聞いた。良明は、服田が相沢に協力をお願いした理由について、死体発見時の状況について探るためであると理解した。




