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雪の耳飾り  作者: カイン
祐樹&ユキ
9/25

彼女の名前

「ごめん、今日も・・・!?」

彼女の方を見て、俺は言葉を飲み込んだ。

彼女の周りには本の山だった。自分が読んでいた漫画以外の全ての本が彼女の周りにある。

よく見ると、漫画や小説だけではなく、今使用している教科書や古い教科書、辞書、アルバムまで転がっている。

「うっわ・・・こりゃ、後片付けが大変だ・・・」

熱心に読んでいるので邪魔は出来ず、静かに俺は買い物に出かけた。


家に戻り、俺は玄関を開けた。

「・・・ん?」

声がする。しかも男だ。

(まさか、泥棒?)

忍び足でリビングへ近づき・・・テレビだとわかり安堵した。

(・・・あれ、俺、テレビなんかつけてたっけ?)

疑問に思ってから、彼女が付けたのかと気づいた。リビングには彼女がいた。今度は熱心にテレビを見ている。

「ただいま。なんか面白いニュースでもあった?」

「んーん。でも、見てるだけで面白い」

「そ。なら、いいけど」

(もう突っ込まない。絶対に突っ込まないぞ、俺は・・・!たとえ彼女の声が出ていようとも、今朝まであ行とかしか喋れなかったのにもう普通に話しているとしても・・・!)

俺は材料を冷蔵庫にしまいながら料理本を見た。

「なぁ、何が食べたい?」

「『短い時間で簡単クッキング☆』の35ページのやつがいい!」

「へ?」

35ページを開くと、親子丼が載っていた。

「ん、わかった。なるべくがんばるよ」

「私も手伝う。材料切る!」

いつのまにかエプロンをつけている。やる気はあるようだ。

「じゃ、ももを切っといて」

「ん!」


(・・・暇だ)

親子丼作りの開始早々、俺は暇をもてあまし始めた。

なぜか?

彼女が作っているからである。

料理が初めてと言っていた。なのに。

(なぜ・・・なぜあんなに手際がいいんだー!)

まるでプロのような手際の良さである。自分と比較してしまい、俺は少し落ちこんだ。

それに彼女曰く料理法も覚えたらしい。

なんなのだろう。女の子というのはそういう存在なのだろうか。

「・・・なんか手伝うことないー?」

「ないよー」

「・・・そう・・・」

少しの間、ぼーっとテレビを見るのだが、やはり落ち着かない。

(なんなんだろ、夫婦みたい・・・っていやいやいや!彼女に失礼だろ夫婦とか!・・・あれ、そういえば・・・)

「あのさ、名前、なんていうの?」

振り返り、たずねる。

「え?」

「名前だよ、名前。よく考えたら聞いてなかったな~と思って」

「名前・・・?スノードロップだよ」

「え?」

「だから、スノードロップなの」

「え、それってハンドルネームか何か?」

「え?違うよ。本名」

「じゃあ、やっぱり外国人なのか?」

「違うよ、日本で育ったよ?」

「え?」「え?」

二人して怪訝そうな声を出す。

「・・・んー、まぁ、いいか。じゃあ、苗字は?」

「ない」

「そっかー、ないのか・・・って、えぇ!?」

「ないよ?私はスノードロップだもん」

(・・・どういうことだ・・・?)

俺は彼女の綺麗な顔を見ながら、しばし混乱し脳内が固まった。

久しぶりの投稿です・・・w

彼女の名前が出てきますが・・・えっと、外人さんのようですね

でも、外人にこんな名前の人いるのかなぁ?

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