仰るとおりです・・・
(スノードロップ・・・?本名が?でも、日本で育ったって・・・ああ、両親が外人だったら当然か・・・?でも、外人ってそんな名前の人いるのかなぁ・・・・・・・・・あれ、そういえば、スノードロップってどこかで聞いたことがあるような・・・?)
「どうしたの?おいしくない?」
「・・・え!?あ、いやいや、ちょっと考え事してただけだよ。ごめんね。おいしいよ」
悲しそうな声に我に返り、急いでそれを否定する。
確かにお世辞抜きで親子丼はおいしかった。たぶん、俺が作ってもこんなにおいしくはできなかっただろう。
「そう、良かった」
嬉しそうに笑う。
「・・・あー、うん、あのさぁ」
「ん?なに?」
「スノードロップって本名、なんだよね・・・?」
「うん、そうだよ」
「うーん・・・」
「あ、えっと、もしかして呼びにくい?」
「ああ、うん、それもあるんだけど、変わってるな、て思って・・・」
「そうかなぁ?」
不思議そうに首を傾げる。その動作の一つ一つが可愛くてたまらない。
「ああ、気にしないで。でも、呼びにくいのは困るから・・・なんて呼んだらいいかな?」
「好きに呼んでいいよ!」
「え?えっと・・・スノー、はなんか微妙だな・・・ユキでどう?」
「ユキ・・・うん、いいね!可愛い!」
「そう?良かった」
ようやくそれだけを言った。花が咲くような、とはこのことを言うのだろうか。彼女、ユキが笑うだけで空気というか、雰囲気が一気に華やぎ明るくなるような気がする。
もう晩御飯は食べ終わっていたが、しばらく俺はその心地よい空気を味わっていたのだった。
自分が幸せ者だということをしみじみとかみ締めながら。
「え、公園に?」
「うん。行きたい」
いきなりの言葉に俺は胡乱な声を出した。
彼女がこの家に来てから四日が過ぎていた。
彼女が作った昼ごはんを食べてから、のんびりとしていた時に言われたのだ。
「うん、別にかまわないよ。ああ、ついでに買い物にも行こうか」
「ありがと!」
少し慣れてきた笑顔に嬉しくなって笑い返す。
「じゃ、行こうか」
「うん!」
暖かい春の空気の中、二人で公園に向かった。公園にはまだ昼時だからか、人の影は見えない。
着くと、すぐに彼女は茂みにしゃがみこみ、何かを探し始めた。
「どうしたの?何か探してるの?」
「うん、花をね、探してるの」
「花?それならそこらへんにも咲いてるけど。ほら、桜が綺麗だよ?」
俺は公園を見回した。この頃暖かくなったせいか、早めのツツジや桜、タンポポがそこらにつつましやかに咲き誇っている。
「違う。違うの探してるの。私の球根」
「ユキの?何か植えたの?」
「ううん、植えてもらったの」
(??? どうゆうことだろ?誰かに代わりに植えてもらったとか?)
「ふぅん、そっか。手伝おうか?」
「いい、わかんないでしょ?」
「・・・仰るとおりです」
確かに俺は植物に詳しいわけじゃない。見てもわかんないだろう。
「う~ん・・・ないなぁ・・・」
「確かにそこに植えてもらったの?」
「うん・・・そのはずなんだけど・・・・・・まぁ、いいか」
「え、いいの?」
「うん、いいや。買い物に行こ」
「え?あ、うん」
さっさと歩き出したユキを慌てて追いかけた。
買い物に行くスーパーは反対方向だと教えるために。
ヘタレではなくなってきている、だと・・・!?
・・・いえ、いいんですけどね
人は成長するものですし・・・
でも、なんか寂しい・・・w




