・・・まさか
俺がまた渚と話しはじめ、祐樹とも知り合い、ぎこちなさもなくなってきた頃。
俺は祐樹と二人で委員会に行っている渚を待っていた。
いつのまにか、三人で一緒に帰るようになっていた。
「・・・なぁ、祐樹」
「ん?どーしたの?」
本から顔を上げた祐樹に、俺は事も無げに聞いた。
「お前、渚のこと好きだろ」
ぽかんとした表情の後、みるみるうちに真っ赤になっていく。
「な、な、な・・・!?」
「なんでわかったか?わかりやすいんだよ、お前。渚はにぶいから気付いてないだろーけど。俺にとってはばればれ」
「あ・・・う・・・な、渚ちゃんには言わないで・・・!」
「わざわざ言うやつはいねーよ」
その真っ赤に染まった顔を見ると、なぜか胸の奥がざわざわと静かに、だが確かに騒いだ。
(・・・・・・・・・なんかむかつく)
次の日。
放課後、俺は渚と祐樹を待っていた。
(・・・遅いな・・・)
祐樹は先生の手伝いとやらで遅いのはわかるが、渚まで遅いのはなぜだろう。
外は赤い。
(しゃーない、探すか)
廊下に出ると、三人ほどの女の子とすれ違った。クラスメートだ。
何がおかしいのか、くすくすと笑いながらすれ違う。
「あっ・・・!」「いてっ!」
一人とぶつかってしまった。三人ははっとしたようにこちらを見た。
「ごめん、よそみしてた」
「ううん、こっちこそ、ごめんね・・・あのさ、圭くん!」
「ん?何?」
一人が決心したように言い始めた。
「今だから言うけどさ、渚ちゃんと話すのやめたほうがいいよ!」
「そうだよ!あの子、嫌な子だもん」「圭くんが優しいからって調子にのってるし」
他の二人も頷き、追従するように話す。
「えっと・・・」
「あの子、前からうざがられてたし」「そうそう、うざいよね」「イイコちゃんぶってさ」「クラスでも話しづらいし」「隣だからって圭くんに近づいたし」「ね、やめたほうがいいって!」
正直、これ以上話したくなくて、俺は早口で三人の口を封じた。
「ご忠告ありがとう。でも、俺は女の子をほっておくなんてできないんだ。それに渚ちゃんは俺の友達だしね」
「・・・そっか。やっぱり圭くんは優しいんだね。あんな子にも話しかけるなんて」
三人は面白くなさそうに走っていってしまった。
「やれやれ・・・ん?」
光るものを見つけ、拾い上げる。ぶつかった時にあの子たちが落としていったものだろう。
タグがついているので学校のカギのようだ。
「・・・資料室のカギ・・・?」
あそこにどんな用があったのだろうか。
(・・・まさか・・・)
俺は嫌な予感がして、急いで資料室に走った。




