・・・うん、幸せだ
「別に、お前の彼女ってわけじゃないだろ!?いいじゃん、紹介くらい!・・・あ、もしかしてお前・・・!」
わざとらしくおおげさに反応する圭の頭をどついた。
「うるさい!いいだろうが!女と見れば見境無く声をかけようとするんじゃない!」
「何を言う!女なら誰でもというわけではない!可愛い子だけだ!それともなんだ、あの子は可愛くないってか!?」
「可愛いに決まってるだろう!?そこいらの子の何倍も可愛いよ!」
言ってしまってから圭のニヤニヤ顔に我に返る。次いで、顔が熱くなるのがわかった。
思わず後ろを向くと、顔を赤くした彼女が見えた。
「・・・あー、はいはい。まぁ、今日はこれ以上は追求しないことにしよう。しつこくして彼女に嫌われたくないしね。じゃあな、今度必ず説明してもらうからなー」
二人のその雰囲気に興がそがれたのか、好きなだけかき回した圭はあっさりと行ってしまった。
残された二人に気まずい空気が漂う。
どこかぎくしゃくとした空気のまま俺達は帰路についたのだった。
「おいしかった?」
「うん、とても。あ、洗い物は俺に任せてよ。ユキは休んでて」
「ありがと」
ユキに代わって俺は台所に立った。
あの後しばらくは気まずかったものの、晩御飯を食べ終わる時にはまた元に戻っていた。
もちろん、ユキの手作りだ。
「・・・あのさぁ」
「ん?」
「あの人、ユーキって、呼んでたよね・・・?」
「あの人?・・・ああ、圭か。うん、俺の名前だからね。あれ、俺、言ってなかったっけ?」
「言われてないよ」
「そっか、ごめん。そういえば、お互いしかいなかったから名前なんてほとんど呼んでないもんなぁ」
「ね、ユーキって私も呼んでいい・・・?」
「いいよ?当然だよ。こっちもユキのことを呼び捨てだし」
「・・・うん、そっか。ありがと!」
お礼を言われることじゃないが、なぜか少し喜んでいるように思えたので俺も嬉しくなった。
(・・・ほんと、考えられなかったよな。ユキに会うまで。女の子の名前を呼び捨てどころか話すことも苦手だったしなぁ。それが一緒に住むまでなってるもんなぁ・・・)
ユキに会えて幸せだった。
そう再認識した。
でも、俺は一つ勘違いをしていた。
いつまでも、こんな生活が続く、そんな気がしていた。
よくある話だ。そんなわけはないのに。
何事にも始まりがあるように。
終わりがあるのだ。
この時の俺は、そんなことを一切考えていなかった。
いや、もしかしたら考えないようにしていたのかもしれない。
別れがあると。
俺は、ユキと一緒にいたかったのだから。
あ、前回言い忘れたんですが、圭が「五年の時」と言ってます
あれは、小学五年生の時、祐樹の好きな人をとったというか、まぁ、失恋させた経験があるのです
本文には出ていない、というか、出さないと思うので、ここで補足しておきます
圭は小さい頃から女たらしだったということです
それでも付き合ってるのは祐樹は認めたくなくても親友だからですw




