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五話 「栽培」
「んー。あの葉っぱ、やってみたいなー」
彩葉は、大家の育てている一つの花壇が気になった。
なので、試しに栽培してみることにした。(無許可)
「これと、これとー」
一輪ずつ、葉っぱを一枚二枚と毟っていく。
「......花って、色と甘い香りが付くかな?」
毟った順から、花びらも毟り出した。
「んあぁ......散歩でもすっかな」
大家が部屋から出てくる。
「これは......あんまり美味しくなさそう」
大家の視線が彩葉に向く。
「......は?」
大家が気づく。
「あ、ハゲちゃん」
「お前......」
「......!」
彩葉は怒られると思ったので、逃げる姿勢で身構えた。
「酒に使う用の花が欲しいなら、最初から言えよ」
「?」
「とでも言うと思ったか!」
大家は彩葉を脅すべく、両手を広げて彩葉が手に持つビニール袋を奪おうとした。
「......ダメ?」
しかし、彩葉はつぶらな瞳で大家を見上げた。
「うっ......し、仕方ねえな。今回だけだぞ」
一週間後には、花壇の半分が土だけになっていたという。




