十九話 「オリーブオイル」
「料理......料理......」
燕は、もう一段階料理の腕を上げたくなった。何せ、不味い飯は食べたくないのだ。
なんか大家に渡されたメモに書いてある住所を、燕は自身のスマートフォンの地図アプリに打ち込んだ。
出てきたのは、レビューもないただの場所と写真だ。
たった一枚の写真を見ると、建物の中は小さなスーパーのようだった。
燕は食糧調達のため、行ってみることにした。
驚く事に、材料は安かった。あのスーパーよりも数十円。
そして、店員が和やかな夫婦だったので、レジで悪態つかれるような事もなかった。
燕は満足して帰宅した。
「あー、燕ちゃんだー」
部屋に戻るとき、彩葉に見つかった。
「何してるのー?」
「り、料理しようと思って、食材買いに行ってた」
「へー。じゃあお邪魔するね?」
彩葉は燕の部屋へ、まるで自分の部屋のように入っていった。
「え、ちょ!?」
「んー?気にならないー?」
「大したものじゃ......」
「手伝ったげるからー」
バラバラと、彩葉は靴を足先で脱ぎ捨てて、台所まで直行した。
「ちょ、ねえ」
「なに?あ、オリーブオイル買ったんだー」
彩葉は、燕から透けたビニール袋を取り上げる。
「おー高そう」
「ねえってば」
彩葉は全てを無視し、手にオリーブオイルを垂らした。
「あ、意外とヌルヌルー」
「ねえ」
「なに?」
彩葉は燕の手を握った。
「え、やだ、ヌルヌルしてる」
「へへ」
「へへじゃない!」




