十三話 「封印されしイミテーション」
琢磨の部屋。
「......」
琢磨は、少年の好奇心からか、あのミイラを暴いてみたくなった。
しかし、怖いがために彩葉と夕夢を呼んでいる。
「これ、ほんとに死体かなー」
「ちょっ......そんな物騒な事言わないでくださいよ。もしそうだったら、捕まるのは僕たちですよ」
「違う。わたしたちは発見者。捕まるのは大家だけ」
「死体って、見つけたらどうするのー?」
「まずは通報」
「そうね......」
「ん、夕夢さんは何か?」
そう聞かれると、夕夢は少し足を開いた。
「これもまたナラティブ。漸くシナリオが始まったのね。平凡な背景のステージにこんな不似合いなものを出すなんて、腐敗臭のする西洋の街の家族か何かかしら。そんな血生臭く退屈な物語は私、嫌いなの」
「......何を言ってるの?」
「でもいいわ。その墓を暴くのは私。それで、この時間が紡がれていくの」
「......?」
夕夢は淡々と巻かれたビニールやら紙やらを剥がしていく。
「えっ、え、そんな躊躇なく......」
「躊躇って何になるの?それでは寝ているだけの国会と変わらない」
人の体型が浮き出てくるまで剥がし終えた。浮き出たそのラインは、女性のものと見られる。
「漸く、素顔を晒す頃かしらね。あなたの正体を教えて」
最後の一、二枚。手をかけようとしたその時。
バガン!!
「すまん押し通る!!」
玄関が勢いよく開かれた。
入ってきたのは女性だ。
そして、その女性は皆知っていた。大家の姉だった。
「あ!それだ!待て!!」
「っ!」
夕夢は急いでミイラを暴こうとした。
しかし、そこに大家が吹き飛んできた。
「ぐあっ」
「あうっ」
「......」
「......」
バタバタ!ガタンガタン!
大家姉はそれを抱え、急いでどこかへ消えた。
「......」
「......なにごと?」




