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完璧超人の拠り所  作者: 薬研
1章
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3/20

2 天使みたいな中瀬さん

中瀬さんはあの美しさや親しげな言動で多くの男子を引き付けている。美しさに魅せられた同級生や先輩から告白されまくり、僅か1週間で10人以上を振るという自体に陥った。僕も何度か、放課後嫌そうな顔をしながら校舎裏へと歩いて行く彼女を見かけた。イケメンに靡くような人では無いと僕は思うのだが、禄に親交も深めず告白するとは。哀れにも振られた男達は何を考えているのだろうか。




僕と中瀬さんは席が前後ということで、左右ほどではないが話す機会がある。右隣の奴は中瀬さんの美貌に当てられて、まともに喋れていなかった。彼は自信の幸運を棒に振ろうとしていることに少しの同情を抱く。話す頻度が多すぎるのも考えものだろうか。


授業中などで4人1グループになる時は実質中瀬さんの隣りに座っているようなものだ。決して顔には出さないが、テンションが上ってしまう。


そんな感じで、授業中に話す機会があった僕は、中瀬さんに顔と名前を覚えて貰えた。初めて中瀬さんに

「野村くん」

と呼ばれたときは、天国にいるかと思った。言葉一つでここまで人を幸せにできる彼女は、天使だ。そう思うと、ここが天国であることへの信憑性が増した。瞳は相変わらずだが。それにしても、他に誰か気づきそうなものである。そして、さり気なく気遣ってやれば告白の成功率も誤差程度にはあがるだろうに。中瀬さんの見た目ばかりに注目している証拠だろうか。


それにしても、最近は特に中瀬さん人気に拍車がかかっている。短い休み時間にわざわざ他クラスから生徒が来ることはざらで、別に何か悪いことをしたわけでもないのに、邪魔だと言わんばかりの目で睨まれることもしばしばある。自分の席なのに追い出される事があって良いのだろうか。でも、中瀬さんが

「私のせいでごめんね。迷惑なら私、教室出るから」

と言ってくれたときには、彼女の優しさに心を打たれた。話しかけてくれるなら案外悪くないな、と思ったのは内緒だ。


そんな悪くない日々を送っていると、僕にとって絶望の出来事が起こった。


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