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kawaii研究所♡ラブ実験室  作者: 櫻木サヱ
研究所スカウト編

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4/7

研究所の日常とドタバタ

朝。


kawaii研究所の廊下には、いつもと同じように警告音が鳴っていた。


「警告:萌え指数が基準値を超えています」


「またか……」


白衣姿の桃瀬りくは、ため息をひとつつく。


その横を、白石ももかが全力で走っていった。


「すみませーん! それ私ですかー!?」


「君以外に誰がいる」


「私そんなに萌え生産機じゃないです!!」


研究所に来て三日目。


ももかはすでに“日常トラブルの中心人物”になっていた。

「ぴよぴよぴよ!! 萌え反応異常!!」


廊下の端から、丸いロボットが跳ねてくる。


研究所マスコット兼分析補助AI、ピヨ助だ。


「またそれ!? なんで毎回私なの!?」


ももかが叫ぶと、ピヨ助は高速回転しながら答える。


「原因:白石ももかの笑顔が規格外」


「規格外ってなに!?」


りくが淡々と横から補足する。


「つまり、計測不能という意味だ」


「それ説明になってないです!」


その瞬間、ピヨ助が廊下の端にぶつかり──


ドンッ。


小さな爆発音。


煙。


「また壊れた……」


りくは無表情のままメモを取る。


『第3世代ピヨ助、3日で破損』


桜井教授は、なぜか朝からテンションが高い。


「今日は重要な日だ! “日常恋愛反応観察実験”を行う!」


「つまり何するんですか」


ももかが即答する。


教授はキラキラした目で言う。


「ただの共同作業だ!」


「一番嫌なやつですそれ」


ももか・りく・ゆうたの三人で資料整理をすることになる。


大量の紙束。


「これ分類しろって……地味に多くないですか」


ももかが山を見てうんざりする。


ゆうたは笑っている。


「こういうの得意だよ、俺」


りくは無言で作業開始。


ももかも仕方なく手を動かす。


しかし──


「これ“萌え反応A”って書いてあるけど何ですか?」


「触るな」


りくの声が即座に飛ぶ。


「えっ」


「それは実験データだ」


「いやでもただの紙じゃないですか」


次の瞬間。


紙が光る。


「え」


爆発。


「ぎゃああああああ!!」


ももか、顔真っ黒。


りくはため息。


「触るなと言った」


「先に言ってください!!」


ゆうたは笑っている。


「この研究所、日常が危険だね」


教授が満足そうに言う。


「次は“恋愛距離測定”だ!」


「まだやるんですかその系統」


りくとゆうたが同時にため息をつく。


テーブルに三人が座らされる。


距離:50cm。


「まずは通常会話をしろ!」


ももかは不満顔。


「普通ってなんですかここでの普通」


ゆうたが話しかける。


「ももか、最近慣れてきた?」


「慣れてません」


りくが横から一言。


「嘘だな」


「なんで断定!?」


ももかはむくれる。


その表情を見た瞬間──


ピヨ助の警告音。


「萌え指数上昇」


「またそれ!?!?」



ゆうたが何気なく言う。


「昔さ、ももかって転んで給食全部ひっくり返したよね」


「忘れてくださいそれ!」


ももかは真っ赤になる。


りくの視線が一瞬止まる。


「……」


ゆうたは笑っているだけ。


その“自然さ”が、妙に場を揺らす。


教授は小声で興奮している。


「無自覚幼馴染属性……強い……」


「何を分析してるんですか!!」


作業終了後。


りくは一人でモニターを見ていた。


『白石ももか:接触反応・会話反応・未知領域増加』


「……」


いつも通り無表情。


なのに、ほんのわずかだけ指が止まる。


「データが……揺れている」


そのとき後ろから声。


「なに見てるんですか?」


ももかだ。


りくはすぐ画面を閉じる。


「何でもない」


「え、怪しい」


「気のせいだ」


「絶対見られたくないやつですよねそれ」


「違う」


即答。


しかしその速さが逆に怪しい。


ももかはじっと見つめる。


「先輩って、たまに変ですよね」


「君ほどではない」


「またそれ!!」


その夜。


研究所のデータ室。


教授がモニターを見ながら笑う。


「ふふふ……順調だ」


画面には三つの波形。


・ももか:不安定に上昇

・りく:微細な揺らぎ

・ゆうた:安定(しかし影響範囲大)


「恋愛実験は……まだ始まったばかりだ」


その背後でピヨ助が小さく言う。


「警告:未知感情領域、拡大中」



ももかは寮のベッドで寝転びながら考えていた。


(なんかここ、変だけど……)


(でも、ちょっとだけ、嫌じゃないかも)


窓の外。


研究所の明かりがゆらゆらと揺れている。


その光の中で、誰かの視線だけが静かに交差していた。








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