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検問

お待たせ致しました。

「次!」


あーやっとか。

あの後、列の最後尾に並んだはいいが、列が長すぎていつまで待つのかと思ったぞ。


「住民証か、ギルド証は?」


ギルド証、か。

プレイヤー時代のは持っているが、ここで見せたら、いろいろ幻影で隠して偽造した意味がなくなるよな。


「持っていません。」


「では銀貨5枚だ。早いとこギルド証を手に入れることを勧める。犯罪さえ犯してなきゃ街のギルドで簡単に手に入るからな。じゃ、この上に手を置いてくれ。」



へー。銀貨5枚か。

今の貨幣制度ってどうなってんだ?

プレイヤー時代の貨幣はダンジョンで魔物を倒した時に出て来てたやつを使ってただろ?アレにはあのコイン自体に特殊効果があったから、それ自体に価値があって丁度良かったんだ。

昔、金を貨幣に使ってたのと同じような感じだな。金自体に価値があったから、貨幣にも価値があった。それと一緒だ。

でも、今はそんなことできないだろう?

ダンジョンも無ければ、ダンジョンの魔物を倒せるようなやつもいない。


金は余るほどマールから貰ってる。

だから心配は無いが、元々俺が持ってるプレイヤー時代の貨幣、大量のコインは使えるのか?


まあ、それもおいおい、だな。

早いとこ現状把握することが必要だな。




おっ。やっと出た。

幻影の効果はっと。

なかなか上手くいってるな。


---------------------------------------

名前 アルフ= ラーレ

Alfu = Rale

性別 男

年齢 1260歳

種族 竜人族

Lv. 536

HP 54502/55708

MP 510575/545082


スキル:強運、探索、鑑定

魔法:全属性+治癒

加護:竜人族守護神の加護

----------------------------------------


なかなかじゃないか?

…自画自賛はやめとこう。

俺がやった訳じゃないしな。

これは人工知能を褒めるべきだろう。



ん?門番の兄ちゃんがなんか、少し驚いてる。多分だけどな。


「おっ、竜人族か。わりと長い間この職に着いているんだが、会うのは初めてだな。竜人族と言うと、アルフレード様が有名だなぁ。会ったこととかあんのか?」



……アルフ、レード!?

まさか、俺の事じゃねえよな?


……聞くしか、ねえよな。




「アルフレード、ですか?」


「知らないのか?珍しいな.....。」


珍しい…のか。

そんなに有名な名とか、嫌な予感しかしねえ。


「この国の初代女王様の恋人でな、ある日突然消えてしまってから、1000年経った今でも探されてんだ。その人が名前をアルフレード=コラーレス様といって、竜人族なんだよ。」


「え」


俺じゃねえか!

まさかのドンピシャかよ!

て、ことはここに来る前の嫌な予感は、Lv.とかスキルとかそういう問題より、名前だな。

納得ができたよ。



「なんでもその人を待つために、初代女王様は今でも眠りについて待ってるらしいな。丁度今年は5年に1度の勅命年だ。王都にも行ってみるといいぞ。」


「勅命年とは何でしょう?」


「ああ、アルフレード様を知らないならこれも知らねーよな。初代女王様の名前で5年に1度勅命が出されるんだ。勅命の内容はアルフレード様の容姿と、見つけたら何としてでも北のラナルタ山脈まで無理矢理にでも連れて行くこと、だ。」


勅命、か。いや、この際勅命が出されていることはどうでもいい。あいつがこの国の女王だってことはマールが言っていたし、女王なら、勅命を出す事もあるだろう。

が、その内容だ。


だが、今はコトマンに入ることが専決だ。




「すまんすまん。ついつい長話をしてしまったな。」


いや、今聞いておいてよかった。

聞いたタイミングによっては最悪の事態を招いていたかもしれない。


「いえいえ。こちらこそ、楽しませて頂きましたので。」


「ん、何も問題ねえな。じゃ、ようこそコトマンへ。」











勅命……か。

あの内容はなんなんだ?


どうしてアイツは俺を待っている!


マールもアイツが俺を待っていると言っていたが、こう客観的に他人から聞くまで実感が湧かなかった。


アイツは俺と約束したはずだ。待たないって。


笑っていたけど、確かに。


アイツはそう簡単に1度した約束を違えるような性格じゃない。


……どういう事だ?




思い出せ、思い出すんだ。

アイツなんて言ってた?

あの時、俺が無理やり約束させた時、なんと言ってたんだ?


俺が、

『しばらくしても見つからなかったら、お前も自分の幸せを探せ。』

と言った時、なんと言っていた?


ああ、アイツは確か、

『何か隠したような言い方ね、でもいいわ。約束する。でも、私が貴方を探すのを諦めたらね?諦めたら、ほかの人にも目を向けるわ。』

と、言っていたんだ。


そうだ。そう言っていた。

諦めたら、と。

俺がアイツとの会話を間違えて覚えてる訳が無い。

だから確かにアイツはこう言ったはずだ。



……………………。

アイツは、シアは、諦めなかったのか。


諦めたら、俺との約束で、他のやつに目を向け、結婚しないといけなくなるから、と。

''諦めなかったらいいんでしょ''ってアイツの声が聞こえてきそうだ。



1000年もの間、1人で。

アイツなら、次に目覚めた時、周りに知るものが1人も居ないであろうことも分かっただろうに。


いや、アイツは抜けてるとこがあるから、流石に1000年とは考えて無かったんだろうな。


ハハッ。

結局は俺のせい……か。


すまない。直ぐに会いに行くよ。

でも、俺も約束を果たしたい。



あの日、俺はシアに聞いた。

『なあ、もし俺が突然いなくなったらどうする?』と。


シアは、

『世界を壊してでも貴方を探すわ。でも、私だけが探すのは不公平よ?貴方も私を探してね。ふふっ。』

と、答えた。


そして俺は約束した。

『分かったよ。俺のお姫様。』

と。


ただの口約束だ。

でも、アイツに嘘を付きたくない。

約束を守ってやりたい。

そして、アイツを1000年の孤独から覚ましてやりたい。

誰でもない、俺の手で。


明日も1話更新予定です。

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